2021年5月18日火曜日

メデイアは何故、安倍前首相の再登板を見通せるのか

 

メデイアは何故、安倍前首相の再登板(復権)を見通せるのか。長期政権であれほど「負の遺産」と言っていた安倍政権だが、ポスト菅が見当たらないので再登板を見通すのか。世論調査で「次の首相に相応しいと思う人」の設問で安倍氏の名前を載せ、いつもも4位ぐらいにつけている。 

しかも2度にわたる「政権放棄」をどう考えるのか。一回目は確かにいろんな問題が続出、難病の悪化もあって辞職し入院、昭江夫人が見舞いする姿がメデイアで報じられた。本当なんだと同情も出てくる。 

しかし、2回目は怪しい。何回か通院、精密検査を受けたと言う。その後1週間ぐらいして検査結果を聞きに又病院へ。首相は激務だ、検査結果を聞きにわざわざ行くか。 

恐らく演出だろう。主治医に「悪化している。首相を辞職し静養したほうが良い」と言わしめて辞職の道を選んだのではないか。その時の状況も新型コロナ対策で国民の批判を受け、緊急事態宣言も中途半端、官邸でも自分の思うようにいかなくなっていた。だから「政権放棄」の決断をしたのだ。 

案の定、しばらくして体調が良くなったとシンポジウム、細田派の会合、憲法改正の推進本部の最高顧問、「菅で良いじゃないか」とポスト菅発言ときな臭い行動が目立つ。 

ニュースで安倍氏の元気な姿が報道されると、「大丈夫なのか、辞職はなんだったのか」と疑問が出てくる。 

自民党細田派では安倍氏の再登板が話題になるらしい。確かに細田派では首相候補が見当たらない。ポスト菅に担ぎ出すつもりか。 

しかし、メデイアは安倍政権の8年間をどう評価しているのか。 

長期政権は日本の民主主義の根幹を揺るがす事態に発展し、野党は無力化され肝心の公文書は政権の都合のいいようにねつ造、隠ぺいされ「政治とカネ」の問題は河井元法相の大規模買収事件と安倍総理自らの後援会の「桜を見る会」前夜の夕食会は政治資金規正法違反容疑につながった。

森友事件、加計事件は「強固な規制の岩盤にドリルで風穴を開ける」と威勢のいいことを言ったが、森友、加計事件は安倍氏の旧知の仲間に利権をもたらす内容だった。

憲法改正を政治生命とし、自民党の憲法改正推進本部の最高顧問に就いたが、集団的自衛権行使では従来の考え方を主張する法制局長官の首を挿げ替えて憲法を閣議解釈してしまった。 

自らの政治資金規正法違反に対しては「知らぬ、存ぜぬ」で逃げ、不起訴処分となり、疑いは晴れたと政治活動を再開する。 

そんな安倍氏に憲法改正の旗振りなど任せられるのか。メデイアは一体どう考えているのか。 

アベノミクスは確かに円高、株安に悩む日本経済を円安、株高に向かわせ、一見日本経済を救済したように見えるが、世界経済の動きとたまたま合致した結果ではなかったのか。 

安倍氏側は「国会での時間に縛られて外交もろくにできない」と国会出席時間の長さを強調するが、その要因は安倍氏の国会答弁の不真面目さにあったのではないか。野党の質問に正面から答えていないから何度も何度も同じ質問がつづき、空しい国会審議になったのだ。

そんな安倍氏を三度首相に据える発想がどこから出るのか。 

野党が政権亥返り咲くのはもっと後だ。だったら自民党内でのたらいまわしになる。でもポスト菅はいるのではないか。メデイアや自民党内にそういった人材を担ぐ姿勢がないから安倍再登板のはなしが出るのではないか。石破さんや岸田さんよりニュース性があるだけではないのか。 

日本の民主政治をダメにした戦犯はメデイアにもある。

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