2021年5月23日日曜日

逗子斜面崩壊事故訴訟:管理組合、管理会社大京アステージは「訴訟取り下げろ」と

 

昨年2月、大京が販売した厨子のマンションの敷地内にある道路側の斜面が崩壊し、女子高生がなくなった事件で、両親が区分所有者、管理組合および管理会社である大京アステージと担当者を相手に1.2億円の賠償を請求した裁判が横浜地裁で始まった。 

マンション建設が進む中で、マンションにかかわる安全対策に関しては管理組合に責任があることは当然でマンション生活をしている私にとっても重大な関心があった。 

この損害賠償請求のほかに管理会社である大京アステージの社長も業務上過失致死で刑事責任を問われている。事故当時の大京アステージの担当者の対応が適切だったかどうか、会社のマンション管理のあり方が問われる興味深い事件なのだ。この件については逗子警察から送検されたと言う話は聞かない。 

この賠償請求の公判が始まり、管理組合、管理会社の大京アステージの弁護側が「訴訟の取り下げを求めた」と言うニュースを22日朝のNHKラジオニュースで知った。 

内容を確認するためにネットで検索、「NHKNEWSWEB 首都圏 NEWS WEB 「逗子斜面崩落事故訴訟 管理組合など訴え退けるよう求める」と神奈川新聞「逗子斜面崩壊「区分所有者も賠償責任」地裁弁論、遺族側主張」を見つけた。

それらの記事から公判の内容が分かった。

管理組合、管理会社の大京アステージが「訴状を取り下げろ」と要求したと言う。では「誰の責任か」と言うことになる。マンション敷地内での事故に関しては管理組合、安全管理では管理会社の大京アステージに責任がある。責任を逃れることは出来ない。

一般的には、全責任は管理組合にあり理事長が矢面に立つ。事故当初、管理会社の大京アステージは「全面的に管理組合を支援する」と言っていたが、自分たちが責任追及されるとは思ってもいなかったのだろう。

だから今回の事件は管理会社も直接の責任があると言うことでは注目だ。 

管理組合の言い分は、風化により斜面の強度低下を知らなかったし、安全は大京アステージに任せていたので過失はないと言う。 

逆に、売主の大京が十分に対策をせず、斜面のことなど説明せずに販売していたために損害を被っていると言う。だから別の訴訟を起こすと言うのだ。恐らく大京を相手に損害賠償請求をするつもりだろう。 

管理会社の大京アステージは次回以降の裁判で具体的主張を明らかにすると言う。大京アステージとしては親会社の大京が責任追及されることを警戒しているのだ。

原告側の両親は、「斜面崩壊は数回にわたり崩壊を予見する機会はあった」と予見可能性があったことを主張している。 

管理組合、区分所有者が責任回避できない。全責任を負うべきだが、マンション管理を大京アステージに委託していたこともあり当時の大京アステージおよび担当者のマンション管理に手抜かりは無かったか、規定類、マニュアルの整備状況、従業員への教育などが問われ、大京アステージへの求償も出来る。

一方販売の大京はどうか。大京は前の所有者である民間企業の社員住宅を購入し、マンションを建設して販売した。工事業者も含めて建設地にどんな問題があったのか知っていたかどうかだ。特別に増強工事をしなかったことを考えると瑕疵を知らなかったか、無視していたかだ。 

こう言うことは販売会社(大京)が購入者(区分所有者、管理組合)に事前に説明することなどありえない。ただ、大京が大京アステージに管理面で特段の注意を促していたかどうかだ。 

大京、大京アステージにとってオリックスが親会社だ。とことん裁判で争うことは企業イメージを落とす。7000万円程度で和解と言うことにならないか。それでも娘さんは帰ってこないのだ。 

マンションの区分所有者、管理組合はマンション管理を管理会社に丸投げしてはいけない。おそらく両者で「契約」を結んでいるだろうが、大京アステージは責任逃れで「契約」を盾に「責任なし」を主張することが多い。注意すべきだ。

 

1 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

販売したのは当時大京と資本提携していたグローベルスという会社で大京ではない。何度か社名を変更していてこのマンションを分譲する前には「かろりーな」と言う社名でその前はグローベルスです。