ワクチン確保に焦る菅総理、そしてGDP世界第3位の経済大国日本がワクチン開発で後発だなんて。今回の新型コロナウィルス感染で日本の経済、公衆衛生、医療体制の歪さを見せ付ける結果になった。
そうだったのかと納得のいく朝日新聞(2021.5.30)の「ワクチンで遅れ」の検証記事だった。
菅総理が「東京五輪開催で別の選択肢はない」と強迫観念でワクチン確保に奔走する姿、「100万回摂取」「7月末完了」を打って出てなりふり構わぬ接種促進に振り回される保健所、自治体、医療機関、関係者の戸惑いは毎日のニュースで目にする。
しかし、その背景には菅総理のご都合主義があったのだ。
安倍政権以来、新型コロナ対策は国民の不評を買いっぱなしで、安倍さんは体調不良を理由に政権を投げ出した。
後を継いだ菅総理も昨年9月の就任時に「来年半ばまでにすべての国民に行き渡るワクチンを確保する」と公約したのだ。
菅総理の頭の中には「ワクチン接種」→「五輪成功」→「解散」→「総裁選で無投票当選」のストーリーがあったと言うのだ。他のメデイアも同程度のことを報じていたと思うが、肝心のワクチン確保がままならず、五輪の開催前提条件がワクチン接種だったので菅総理にとって予定が完全に狂ってきた。
このままで東京オリンピック開催も赤信号となれば世界に恥をかくことになる。「開催以外に選択肢がない」強迫観念が付きまとう。
4月の訪米の際にファイザー社のブーラCEOとワクチン確保で直談判したと当時の新聞にも載っていたが、一国の総理がそんなことをするのかと不思議に思ったぐらいだ。でも今回、ファイザー社のブーラCEOから「首相とも話がしたい」と申し出があり「詰めの交渉」となったようだ。
その後、供給量でいろいろあったようだが、駐米大使まで動員しての交渉が続いたという。ワクチン接種を促進する余り自衛隊まで動員するなりふり構わぬ菅官邸の姿がワクチン確保でも見せ付けたのだ。
一方、ワクチンの国内開発はどうだったのか。
新聞では、ワクチンでは日本ではいろいろ問題があった。安全性で訴訟が相次いだ天然痘ワクチン予防接種、ワクチン需要の少なさ、少子化で市場も縮小で企業での開発意欲が高まらない。当然国の支援も乏しい。
日本でも大手製薬会社が開発していると言うが、問題は安全性を確認する治験が進んでいないらしい。
遅まきながら政府は医薬品開発協議会に国産ワクチンの開発戦略をまとめ、次のパンデミックに備えると言うが、開発組織を厚労省に新設すると言う。オイオイ、問題の多い厚労省に任せて良いのか。厚労省と言えば医療制度を壊す役所ではなかったのか。あの不倫審議官、首相補佐官はどうなる。
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