2020年2月29日土曜日

北海道が「緊急事態宣言」「外出自粛」で先行、安倍総理「一斉休校」で閣内、党内不一致か


安倍総理が唐突とも思える新型コロナウィルス拡散防止策に「小中高一斉休校」の要請を出し後手後手批判に対応しようとしているが、一方、感染者数が一番多い北海道の鈴木知事は「緊急事態宣言」「外出自粛」要請で「STOPコロナウィルス」を打ち出した。

一斉休校は、新聞報道によると、北海道が一足早く27日から1700校で実施することが鈴木知事主導で先行していた。学校関係者にも感染が広がっていることを考え、多くの児童、子供を通じて市中感染が広がることを心配し休校措置に出たのだろう。「クラスター」爆弾への対応だ。

このことを知って安倍総理も焦ったのだろう。29日の朝日新聞によると官邸では菅官房長官や萩生田文科相を除いて今井首席秘書官との間で決めたようだ。後で知った萩生田文科相は「保護者などへの保障をどうするんだ」と食い下がったようだ。

文科省も春休みを控えどう対応するかいろいろ検討していたようだが、一斉休校を押し切られたようだ。萩生田大臣の記者会見でも憮然とし「要請であって法的根拠はない」という意味の発言をしていた。

安倍総理も「法的根拠はなく、あくまで要請」といい、「地方自治体や学校法人で独自に判断してほしい」と大事な点は丸投げだ。

官邸、自民党内にも異論が出ているようだ。岸田政調会長は「唐突感を否めない」というが二階幹事長は理解を示している。

テレビの情報番組などでの街の声は、保護者の声として一様に「不安」のほうが大きい。共稼ぎ夫婦、一人親家庭では大問題が。

自治体の反論も出てきている。官邸内、自民党内のバラバラ感、この一斉休校の成果がどうなるか分からないが、安倍総理の求心力低下は避けられないだろう。支持率の更なる低下で辞任、たらいまわし人事も考えられる。

新型コロナウィルスの検査のやり方にも問題が多い。PCR検査というが隣の韓国の感染者数が異常な増加を示しているが、日本と韓国の検査のやり方に問題があるらしい。テレビ情報では韓国はドライブスルー方式でも実施、検査を重点にしているので感染者数が増えるのは当然だという。

一方日本では厳格な基準があり、合致しなければ検査を拒否される。一言で言えば「感染者数を抑えている」のではないかと疑われてる。

その要因は専門家に言わせると検査は感染症研究所を通じてやるのでその辺がネックになっているらしい。厚生労働省と感染研究所の利権問題らしい。日本も大学や民間機関で検査できるようになると感染者数919人(うちクルーズ船709人)どころの話ではないだろうという。

安倍総理は政治判断だと強調するが、更に特別措置法の整備も考えているようだ。恐らく緊急時は国民の権利も制限され、総理の権限を強化する方向だろう。背景に憲法改正が見えてくるが、北海道方式だと特別な法整備が必要なのか。生活保障などを考えるとある程度の基準は必要だろう。

今回のような災難に当たって気をつけなければならないのは「安全バイアス」「デマの拡散」だ。

「安全バイアス」は地震、津波災害でも言われることで「自分は大丈夫だろう」をいう考え方が優先して対応が送れ被害にあうことだ。また今回も出たが「デマの拡散」だ。トイレットペーパーが不足するという情報がSNSで流れ今、店頭では不足している。テレビでも間違った情報として品不足の打消しに躍起だ。

28日、街を歩いていたら、午前、高校の前で「これから職員会議を開きます。職員室に集まってください」との放送が聞こえ、午後になると小学校の前で校長が「休校」について校内放送で説明していた。

これから心配なのは感染経路」がたどれない事例だ。

北海道で多数感染者が出ているのは、「さっぽろ雪祭り」が多く影響しているのではないか。中国人の観光客が多数見学しているらしいし、祭りの維持管理をやっていた建屋に勤務していた人も感染している。「さっぽろ雪祭り」が感染源というと観光上問題があるのではっきりはいえないのではないか。北見では電化製品の展示会に参加していた人が感染したという報告もある。

イベントなどの自粛は拡散防止に有効な方法であることは間違いなさそうだ。東京デイズ二ーランドなど大手のイベント会社が休業を決定したが、裏で官邸が動いていたのか。

米国でも市中感染が出てきたようだ。CDCはパンデミックの可能性が高いという。問題は「何人感染するか」という。WHOは危険性は「非常に高い」というが、バンでミックとは言っていない。

2020年2月28日金曜日

新型コロナウィルス肺炎(11):全小中高休校? そこまでやるなら習主席訪日中止を

新型コロナウィルスの感染拡大が止まらない。今までは感染経路が確認できた事例が多かったが、今は感染経路確認できず、すでに市中感染が始まっている。大阪では「再燃化」も出てきた。あれだけ中国寄りの立場だったWHOも世界的は汚染拡大に「バンでミック」を言い出した。

安倍総理も後手後手対応の批判を受け、何を思ったか十分な検討もせずに、「全国の小中高へ春休みまで臨時休校」を要請し、東京では号外が出た。

入試や卒業式は感染防止に万全を尽くし実施せよということらしい。

学校関係者の感染事例が出てきていることを考えれば、児童を通じて感染が拡大することは理解できる。「クラスター」が次の「クラスター」を生み出すことを防止しようとしているのだ。

期間は来週から春休みまでと言う。今朝、孫が大きなバッグを持って家を出たので「どうしたのか」と聞けば、「今日学校からいろんなものを持って帰るんだ」という。メールで連絡があったそうだ。

安倍総理は何を目的にこのような判断を下したのか。

4月の習主席の国賓待遇としての訪日までに感染拡大を抑え込み「アンダー コントロール」にしようとしているのか。それとも本当に国民の生命、身体の安全を考えてのことか。

もし国民の安全を考えてのことだったら習主席の訪日は「中止」すべきだ。そうでなければいろいろ批判を浴びている政治の「私物化」の延長になる。

2020年2月27日木曜日

無法者の安倍総理(6):新型コロナウィルスで右往左往する安倍総理は「担ぐに軽すぎた」か


中国発の新型コロナウィルス感染拡大で右往左往する安倍総理を見ていると、昔、小沢さんが権勢を振るっていた時、多くの総理を生み出したが、その時の言に「担ぐには軽いほうがいい」と言ったことがある。自分の信念を持ちやっていく人間より何もない人間を担いだ方が自分の言いなりになることを言ったそうだ。

安倍総理の内政、外交、そして今の新型コロナウィルス拡散防止への対応を見ると「担ぐには軽すぎる」感じがしないか。側近連中も私利私欲に走り、権勢を振るうことしか興味がない。日本の優秀な官僚も理性を奪われ、今、検察まで手中に収め思うままの悪巧みをやろうとしていないか。

どうしてこういう政治家が担がれることになったのか。

自民党が政権奪取する前の自民党総裁選を見ればわかる。候補に石破さん、石原さん、町村さん、林さん、本命に谷垣さん、途中で政権を放り出した安倍さんがいた。当時の総裁は谷垣さんだったので誰でも谷垣さんを本命と見ていたが、当時の幹事長だった石原さんが出馬に執着したために谷垣さんは辞退した。自民党の連中は父親が東京都知事だったために石原さんを押したが討論会でボロを出し一気に支持を減らした。

町村さんは派閥の長で安倍さんも同じ派閥だったが、安倍さんがごり押ししたことになるか。

林さんは確か、山口県で選挙区を同じくする。安倍さんは衆議院、林さんは参議員だ。参議院議員で総理は無理だ。

石破さんは、地方党員に人気があった。出馬するのは当然だが永田町の自民党では人気がなかった。予備選でトップになったが本選で安倍さんに負けた。体調不良で政権を放り出した第1次政権で満足しなかった取り巻き連中が担ぎ出したのだ。

仲間が政権につけば私利私欲に走ることができる。国民には想像できないが大きな私欲だ。
そして今まで政策にかかわりをもてなかった人たちが安倍さんに関わってくることになった。自分の政策が採用されるのであるからメリットは大きい。一方で、今まで関わっていた人たちがはじかれることになる。

経済政策を取ってみよう。円高、株安で長いデフレから脱却できず日本経済は長い不毛の時代を経験することになった。そこで何か新しい政策を打ち出したかった安倍さんは知人からリフレ派経済の紹介を受け、「市場にカネを流せば当然、円高から円安に変わる」「物価も上がる」と聞き、アベノミクスの第1の矢である「異次元の金融緩和」策に走った。日銀の総裁を更迭して「2年で2倍」のスローガンを打ち出した。

主流派経済学者は、「事実の検証にも立たない」リフレ派経済学を批判し、成果はないとまで言い切っていた。

哲学、倫理観もない安倍総理の政権運営は恣意的で、憲政史上まれなる総理夫妻による大疑獄事件、その尻拭いで公文書の隠蔽、改ざんは民主政治の根幹を揺るがす結果になっている。公文書管理を担当する北村大臣が答弁に四苦八苦しているのは、まともな公文書管理をやっていないからではないのか。

得意とする外交はどうか。国会開会中でも海外出張を繰り返す。お土産外交は相手国でも歓迎だ。国連改革を目指しアフリカ諸国を頻繁に訪問する。そして対トランプ外交は異常だ。ドイツ、フランスが距離置く外交に勤めているが、安倍総理はトランプ大統領に頼る外交で、日米同盟強化は内閣支持率にも影響する。自分の任意中にけじめをつけると言っていたが北朝鮮との拉致問題もトランプ大統領頼みで、逆に高価な兵器をかわされる羽目になった。

対中では尖閣諸島周辺での領海侵犯、日本の周辺海域での海底資源調査、東シナ海問題など抱えているが首脳会談をやっても好転しない。最後は習主席を国賓待遇で招待することに賭けているが、そんな気持ちなど通用する国ではない。

対ロ外交では北方4島の返還問題も2島に絞ったと思ったら、ロシアは憲法改正で領土分割を阻止する構えのようだ。変換するつもりはまったくない。一方で北方領土、極東開発で経済支援をむしりとられている。

首脳会談をやるたびに通訳を入れただけの2人だけの会談を好んでやるが、何を話し合っているのか。国益を害する方法で外交の成果(?)をあげているのではないかと疑問がもたれている。国会で追及されると「相手のあること」と答弁拒否だ。

そして今回の新型コロナウィルスの問題だ。クルーズ船での感染者隔離の実態には賛否両論あるが、初動ミスを否めない。今まで感染経路を特定できる「点」での拡散だったが、最近は感染経路も不明で「面」での拡散が危惧される結果になった。

来週から春休みまで小中高の休校を安倍総理は要請した。一方で感染者が出た大企業ではテレワークなど在宅勤務にし街から1万人が消えたという。

後手後手の安倍政権の対応に、あの中国が「対応が甘い」と批判し、日本からの入国を制限すると言い出した。ダイヤモンドプリンセス705人を含む日本での感染者数は918人、死者も8人になった。一度、「陰性」になった人は再び「陽性」なる事例も出てきた。「再燃化」かもしれないといわれだした。

中小企業などでは経営難にかかる事態も出てきて政府は5000億円もの支援を用意した。倒産も2例発生しているらしい。いかに多くの企業が中国頼りの産業構造になっているのかが分かる。

検査体制の整備、保険適用などで国民の不安を払拭しようとしているが、「検査を受けたい」多くの国民の不安と不満が高まっている。厚労省の感染対策に問題があったという見方が強い。

何時まで安倍内閣が持つか。民主党政権時の菅政権を「あの悪夢のような民主党政権」と笑ってばかり入られない。安倍政権が「あの悪夢のような自民党政権」といわれるのだ。「悪夢のような」ではなく「悪夢の」になりかねない。



新型コロナウィルス肺炎(10):菅政権を笑えない、安倍政権も「あの悪夢のような自民党政権」に


後手後手の対応、国民の不安、不満は高まるばかりでこのままでは安倍政権も「あの悪夢のような自民党政権」と言われかねない状況になって来た。民主党政権時の菅政権を笑ってはいられない。安倍政権の危機管理はどうなっているのか。今まで安倍総理自身の不祥事、政権を揺るがす事態には官邸が大事にならない対応をして長期政権を築いてきた。

ところが、今回の新型コロナウィルス対応では初めてのこととはいえ、後手後手の対応が目につく。

大阪市の松井市長をして「そんなことは1週間前に大阪はやっている」と記者会見で言わしめたほどだった。ところが大阪でも再感染の女性が出てきて新たな知見を加えた。

今までは「点」であった感染者が、今後は「面」での感染が広がる危険が出てきて安倍政権も四苦八苦している。

専門家会議での基本方針は、拡大防止に「イベント自粛は一律に要請するものではない」と言ったかと思うと次の日の新型コロナウィルス感染症対策会議で「スポーツ、文化などイベントの2週間自粛」に変更、場当たり的対応を目の当たりにした。

今、国民の疑念は「検査してほしいのになぜできないのか」「医師が要請してもダメ」と言う。その背景には検査体制があるらしい。民間や大学の協力を得れば1日3800件は可能と言うが実態は6日で5700件、加藤厚労相は「ネックがどこにあるのか検討するという(朝日新聞2020.2.27)。あの不倫出張していた厚労省の女性審議官と首相補佐官が関係しているのではないか。

新聞やテレビの情報番組では政府の対応の問題点を指摘する。政府の対策を評価する専門家がいる一方で、指摘される問題点も多い。

国会審議で野党は、「PCB検査の在り方」、「マスク不足」、「対策本部で何をやったのか」、「オリンピックへの影響は」、「イベント自粛を言うならガイドラインを示せ」と追及する。

今まで、政権の非常事態には官邸が主導して大事になる前にうやむやのまま沈静化を図ってきたが、今回のように国民の生命、身体への危険が伴う事件に対しては対応ができず、安倍政権の本当の危機対応の実力(?)を見せつけた。

考えてみれば、東北地方太平洋沖地震、津波による民主党での菅政権の福島第一原発事故対応のまずさで批判されたことだ。安倍総理は事あるごとに「あの悪夢のような民主党政権」と批判するが、安倍政権も「あの悪夢のような自民党政権」と言われかねない事態になって来た。

3.11東北地方太平洋沖地震と巨大津波は防潮堤対策を怠った東電・福島第一原発のあってはならない放射能汚染事故に発展した。初めての一大事に時の菅政権も四苦八苦した。

非常用電源が水没し原子炉の冷却ができなくなったことによるメルトダウンがメデイアで報じられたが政権は圧力をかけ情報を隠ぺい、冷却に自衛隊が出動放水する映像をテレビで流した。地域住民の避難にも放射能汚染シミュレーションを無視し、汚染地域を通っての非難は国民の批判にあった。

菅総理も現場の状況を把握したくて自衛隊ヘリコプターで現場へ飛んだ。対策本部の事務所を訪れ関係者に発破をかけた。無駄な菅総理の行動が東電の対策の遅れを招いたとして国会でも問題視した。

菅総理も一身に責任を負わされている状況だったが、この災難時には国を挙げて取り組む必要があると自民党総裁に副総理格、事故処理担当として入閣を要請したが、自民党は「民主党に力を貸す必要はない」と拒否したが、安倍総理は事あるごとに「東北の復興なくして日本経済の再興なし」とたびたび被災地を訪れているが、どういうことなのか。あまりにも身勝手なやり方ではないか。

今回の感染の拡大で国民の不安、不満は高まり内閣支持率も下落、不支持が上回っている。これから世界経済は勿論の事、中国に多くのことを頼っている日本経済も問題が多発するだろう。

そのとき、一番必要なのは安倍総理への信頼だが、そんなものはありはしない。国民の不満、不安が安倍政権にどう対応するか注目だ。

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2020.2.13掲載
時の政権は緊急事態対応が苦手?:安倍政権の新型コロナウィルス対応、民主党・菅政権の福島第一原発対応


2020年2月26日水曜日

今日の新聞を読んで(340):復興五輪の光と影 何を見せようとするのか

何もかも一瞬のうちに失った被災地の復興は、街は整備できたが人が戻ってこないという大きな問題を抱える一方で、それぞれの立場により考え方がいろいろ、表と裏、復興が進む光が差す部分と未だマイナス遺産を引きずって処理に困っている影の部分があるのは当然でも、迫っている復興五輪、すぐに始まろうとしている聖火リレーでそれぞれの自治体の人は海外に何を見せようとしているのか。

朝日新聞(2020.2.25)「復興五輪 光と影」を読んで地域住民と復興した姿を見せようとする人たちとのギャップを感じさせた。

いつもは沖縄から始まる聖火リレーも安倍総理の意向で被災地福島から始まるようだ。復興に巨額の資金を注ぐ一方、たびたび被災地を訪れ取り巻き連中を引き連れて復興状況に満足げの安倍総理の姿をテレビで見かける。

地元関係者も復興が進んでいる光景を見せるのが常態化している。安倍さんもそのことは知っているのか。自分が見ない場所にはいろんな問題があることを。

復興整備事業で高台に新しい街が整備されるが、肝心の人が集まらない。戻ってこないのだ。駅を中心に住宅、ショッピングセンターができ、一見にぎわっているように見えるが場末には影の部分が残る。

聖火リレーのコースでフレコンが山積された箇所があれが急きょ撤去され更地になる。何事もなかったように。影の部分を見せることは悪いイメージになるらしい。影の部分も見せて復興の難しさを知らしめる方法も検討されたようだが、お祝いごとに悪いイメージはまずいのだ。

放射線量の高い場所もあったらしい。東電が急きょ除染作業をして基準値をクリアーできたらしい。

沿道に人を集めにぎわっているように見せたいらしいが、何しろ人がいないのだ。動員をかけても500人は難しいという。

住民の反応もいまいちだ。

新聞報道によると「きれいなところだけ切り取って見せようとする」とか、家族全員がなくなり一人ぼっちになった人は「祭りどころではない」と言う。

何やら安倍総理の一存で地域住民には関係なく、復興している姿を世界にアピールしたい意向を忖度し、関係者が光だけを見せるだけではないか。




優先すべきは外交か、国民の安全か:習主席の国賓待遇の訪日は即刻「中止」しては


中国発の新型コロナウィルス肺炎はクルーズ船の分を除いても国内の感染が新しい展開になってきたのではないか。ここに来て安倍政権が優先すべきは「外交か、国民の安全確保か」と言うことになる。いろんな問題は残るだろうが習主席の訪日を即刻中止要請すべき時ではないか。

政府は感染症対策の基本方針をきめたが、専門家の間では評判が悪い。「もっと具体的に」と言う要望が強い。さらには検査の充実で民間機関も採用し国民の不安を解消することが大事だが、どうして厚労省の動きは鈍いのか。厚労省と感染症研究所との事情が疑われている。

国民一人一人、自治体が基本方針に基づいて感染症拡大防止に努力すべきだがテレビなどの情報番組では多くの問題が指摘されている。

更に不思議なのは、全人代も延期した中国がどうして習主席の国賓待遇での訪日を中止しないのか。習主席にとっても今回の新型コロナウィルス肺炎発生時の初動にミスがありここまで感染拡大させた責任は大きい。

中国内では「国の危機」「公共衛生の重大な事件」と言いながらどうして隣国、海外への配慮が足りないのか。

招待されているのだから断りやすいと思うが、習主席の国内、アメリカをはじめ海外で置かれている立場は非常に微妙なのだ。今習主席を招待しようとしているのは日本だけで、このチャンスは潰したくないのが本音だろう。だから自分からではなく、招待している日本側の意向次第と見ているのだろう。

一方、日本側にしてみれば安倍政権は習主席の国賓待遇での招待に何を期待しているのか。この機に及んでも尖閣諸島周辺での中国公船による領海侵犯は継続しているという。東シナ海をはじめ日本周辺での海底地下資源の調査にも力を入れ紛争の種になっている。

習主席を招いての日中首脳会談で事態の好転が望めるのか。今までも会談をしていたが一向に改善しないので、天皇陛下との会見を持ち出したのだろうが、以前にもこういう機会はあったのではないか。民主党政権の時、小沢さんが習主席と天皇の会見をごり押しし顰蹙を買ったことがある。

中国は経済活動にも大きな影を落とす。サプライチェーンとして日本の国内生産にも障害が出てきている。観光客の激減は中国に頼っていた企業、サービス業に大きな影響が出てきた。中小企業では売り上げ減でつなぎ資金の要望も増えているらしい。中国人観光客に特化した老舗旅館が倒産した。家電製品販売店も厳しいらしい。

こんな時だから中国トップの考え方を確認するチャンスなのかもしれない。

でも今回は新型コロナウィルスの国内感染拡大を阻止するのが最優先課題ではないか。厚労省、感染症研究所のやり方に異論も出てきている。政府のやり方に異論を唱える研究者の発言が抑えられている。

新型コロナウィルスの感染者の80%は軽症と言われている。軽症者は自宅で療養し外出は控える。学童に感染者が出てきたことで休校措置を講じる。自宅で勤務するテレワーク、満員電車を避ける「時差出勤」など企業へも呼びかけている。

新しい情報がはいってきた。

米国CDCは人から人への感染などバンでミックに近づいてきたとWHOより一歩進んだ見解を発表しアメリカでも市中感染が起きるだろうとコメントした。

習主席、WHOもバンでミックを認め、外交の見直しをすべき時だ。


2020年2月25日火曜日

新型コロナウィルスの脅威:毎日のテレビ、新聞ニュースが不安を掻き立てないか


寺田寅彦博士の随筆に毎日の不安の原因は新聞やテレビのニュースにあるのではないか。だから毎日のニュースをやめて隔週、月刊にしたら不安は少なくなるのではないだろうかと「一つの試行実験」に書いていたように思う。

確かにそうだ。ニュースソースは何も専門の記者でなくても著名政治家のツイッターでも知ることができるし、テレビのニュースは「今、入りましたニュースです・・」と瞬時にお茶の間に伝わる。悪いニュースは瞬時に世界を駆け抜けるのだ。

そして今の最大のニュースは中国発の新型コロナウィルス肺炎だろう。新聞、テレビの情報番組はいずれもトップニュースだ。感染者数、死亡者数、誰がどこで感染したというニュースが主だが、最近は感染経路がわからない市中感染、学校など感染が広がれば大きな問題になる場所での感染が始まった。

中国は当初、情報の隠ぺいを企んで習政権の初動ミスが批判されているが、今習主席は「国の危機」、「公共衛生事件」などと言いだし、「完全に抑え込むまでは軽々しく成功を口にするな」と言いだした。

情報隠ぺいを企んでいた中国の研究者も感染拡大は「感染力」に「人災」と言いだし、12月8日、1月6日の拡散拡大は初動ミスと言いだした。

2月25日現在、日本の感染者は13人増の146人、死者1人、チャーター機帰国者の感染は14人、クルーズ船は692人で死者は4人と言う。

私達の当座の心配事は今後拡大が続くのか、縮小に向かうのかだ。

ところが一度感染し「陰性」になっても再感染のリスクがあると言い出した。中国では湖北省で72件発生している。何やら突然変異を起こしているようだ。

WHOもだらしない。世界的流行の状況ではないので、「バンでミック」とは言えないという。それでも「各国は拡大防止に努めよ」と言う。今韓国では増加しているが註後では感染者が減っているとみているらしい。当初から事務局長と習主席が情報の隠ぺい、バンでミック宣言の先送りを企んだ動きがあると批判されている。

その一方で、14日間の健康監視期間が過ぎ陰性であれば大丈夫と言う指針を出したために、ダイヤモンドプリンセス号での隔離作業、下船はこの基準に照らしているが下船者の中から「陽性」が出ているし、チャーター機で帰国した国は更に14日間の隔離を行っているが、「陽性」者が出ているようだ。

それでもパンデミック宣言を先送りしているのは、習主席が一番嫌がっている、各国の中国への渡航、中国からの入国制限、貿易、観光に支障が出てくるからだ。

それでも今までに入国制限している国は130か国になるらしい。

スポーツ、外交でイベントの中止が発表されている。中国では全人代が延期になった。習主席の国賓としての訪日も怪しくなって来たが両国ともに「粛々と準備する」という。日本政府は中国からの判断待ちらしい。

こんな時に習主席を招いて何の期待ができるのか。尖閣諸島周辺の中国公船による領海侵犯は続いている。

G20財務相中央銀行総会では中国は欠席したそうだ。出席しても新型コロナウィルスの拡散防止や中国国内のみならず世界経済への影響など説明できるはずがない。

それでもIMFは中国の経済成長率を5.6%と6%を切った見方をしているし世界経済も3.2%にダウンした。

各国は政策を総動員するというが、量的緩和、マイナし金利と金融政策は手詰まり状態だ。日銀はいつも「下降局面では躊躇なく追加緩和」と言うがいつもの口癖だ。

今後の医療体制でも問題があるらしい。中国の発表では80%は軽症と言うので、日本でも軽症者は自宅で療養しろと言う。季節性インフルエンザと同じだ。新しい方向では検査に保険を適用するらしい。

それにしても日本では感染者が増え、感染経路をたどれる例もあるがたどれない市中感染が目立ってきたようだ。個人情報保護の面から公表できない場合もあるらしいが、発生源が個人の点から学校や介護施設など多数が感染する面になって来た。こうなると大変なことになる。各自に任せていてはまずい。対応基準を作成すべきだ。

ついにやってきたかの感じだ。中国人観光客の激減で老舗旅館が倒産した。いかに日本の企業が中国人の観光客による買い物に頼っているかが今後のわかってくるだろう。

「脱中国」を考えるいいチャンスかもしれない。中国は自分たちが儲かればいいという考えなのだ。習主席の一帯一路構想など見てもそれが言える。

こんなニュースが毎日飛び交っていれば安心感など出てこない。テレビを見たり、新聞を読まない日をつくってもどうなることか。職場や人の集まるところに行けば誰かが話題にする。気が付いたら自分の近くで新型コロナウィルス感染者が出て感染経路が不明と言うことになりかねない。

飛び交うニュースの中で「正しく怖がる」ことが大事だ。これも寺田寅彦博士が随筆で言っていることだ。

今日の新聞を読んで(339):中国の習主席の強権的独裁体制病は勿論、安倍総理にも言えるのでは

新型コロナウィルスの感染拡大防止ができなかったのは中国の根本的問題である「政治的失敗」と見られるのを恐れた「体制病」にあると読売新聞(2020.2.25)が指摘、強権的独裁体制につきものの症状だろうという。

他人事ではない、日本の安倍政権だって実質自民党の一強独裁政権による「体制病」にかかっていないか。

新聞によると、新型コロナウィルスで武漢市のトップは、初期対応に必要な情報公開を怠ったことについて、地方の政権は「中央から権限が与えられて初めて発表できると」と語った。中央の許可なく情報を流し社会を混乱させた場合のリスクの方が感染拡大よリ重視されるのだ。習国家主席への不服従とみなされる「政治的失敗」を恐れているのだ。

事実、一人の眼科医が「不思議な肺炎」と指摘した情報がすぐに隠蔽され、WHOの事務局長まで動かし中央政権が情報操作したことが、初期の拡大防止のチャンスを逃し、世界的拡散の結果を招いた責任を地方の政権のトップの責任に押し付け、習主席は他人事のように「国の危機」と宣言した。

今、各国は中国の発表する感染者数、死亡者数の動向に一喜一憂する状態が続いているが、中国の発表する数字を信用している者はWHOしかいないのではないか。習主席が一番嫌がった中国への渡航、中国からの入国制限が広がっている。

一方、習政権の「体制病」を考えるとき、日本の安倍政権も同根ではないかと思わないか。

安倍総理自身の数々の不祥事、恣意的政権運営によるごり押しに大臣、自民党、官僚連中がこぞって安倍総理擁護の論陣を張り、担当大臣も国会答弁に窮する事態になっているし、「桜を見る会」では民間企業であるホテル側も官邸から圧力を加えられ、真実を覆い隠す事態になっている。

中国のように共産党一党支配体制ではないが、自民党は安倍金太郎飴状態、野党の存在は希薄で国会審議で不正追及するも「肩透かし」答弁で、ウヤムヤのうちに時間だけ過ぎる国会だ。

安倍総理はYESMAN を集めた○○審議会、○○諮問委員会、○○対策会議を重視し国会審議を軽視する。反対意見にも耳を貸さず自民党より官邸主導の政策運営だ。

日本における新型コロナウィルス対策もダイヤモンドプリンセス内での初動ミスで拡大が止まらない。14日間の健康監視期間が過ぎ検査が「陰性」だった乗客を下船させる手段に出たが、「選択肢はこれしかなかった」政治的判断での決定で疫学的検討は後回しだったのではないか。

日本も中国同様に「体制病」にかかっているが、一応民主政治の体制を保っているために始末が悪い。




2020年2月24日月曜日

新型コロナウィルス肺炎(9):重大な局面(日本)、国の危機(中国)、得体が知れず、迫りくる脅威?

沈静に向かっているのか、いまだ拡大期か。得体が知れず迫りくる脅威となってきた新型コロナウィルスだが、ここにきて安倍政権は「重大な局面」、習政権は「国の危機」と言い新たな展開が必要になってきた?。

後手後手の対応に中国からさえ「対応が生ぬるい」と批判され、海外からは「やってはいけない教科書のようだ」と皮肉られる。街中を閉鎖する中国、ダイヤモンドプリンセスでの初動ミスが感染を拡大させたことを考えると当然の批判だろう。

地域でボツボツと出ていた感染者がついに教育現場にも出て来て汚染の大きな広がりが危惧されるようになった。

一応の判断基準は「37.5以上の熱が4日間」「体がだるい」「高齢者では既往症がある」があげられているが、最近中国から「発熱の2日前」からの接触者は注意だという。

症状が出たら「休め」「外出するな」の主張が日に日に厳しくなってくるが、感染した中学校の先生は、症状が出ても学校に出て試験の監督、試験の返却の仕事をやっていたという。どの場合でも「すぐに休む」ということが出来ないのだ。無理してでも出ることで感染を拡大しているのだ。組織や上司がそのことをよく理解していることが重要なのだが。

テレビの情報番組を見ると、専門家が複数出ている。その中には「季節性インフルと比べて大したことはない」と言う専門家もいるが、「そうじゃない。20%は重症化している」と反論する。

提供される情報から「正当に怖がること」の重要性はわかるが、政府のやること、発表する情報に政治的判断が加わってくると信じがたくなる。

14日間の健康監視期間を過ぎ「陰性」だったために下船を許可されたり、チャーター機で帰国した乗客からが発熱し「陽性」という結果が出る事態が増えてきた。何人かは検査していなかったと加藤厚労相は謝罪したが、そんなことがあるのかと疑う。恐らく隔離を徹底(?)した2月5日以降感染を隠すための方便だったのだろう。

下船者、帰国者から陽性が出て来ている。日本は自宅に帰したが、チャーター機で帰国した外国人はさらに14日間の健康監視期間を設けている。海外に専門家は「危険であること」を知っているのだ。

医療機関でも問題が出てきたようだ。このまま感染者が増えると指定医療機関の病床が不足するのだ。だから若くて、軽症の人は自宅療養を要請することも出てくるだろうという。当然だろう、季節性インフルでは「暖かくして寝ていろ」と言われる。

それにしてもテレビニュースなどを見ると、街を閉鎖した中国、急増する感染者数に「深刻レベル」とした韓国の対応に比べて日本が生ぬるいことは歴然としている。

アメリカをはじめ海外から日本への渡航や日本からの入国を制限を制限する国が出てきた。中国全域からの入国を制限する国もあるが、日本は一部の地域からの入国を制限しているだけだ。

恐らく4月の習主席の国賓待遇での訪日が頭にあるのではないか。全域からの入国を禁止すると訪日も中止になる。

安倍政権は危機管理をどう思っているのか。国民の生命の安全より安倍政権の外交が重要なのか。

米大統領選・民主党指名争い:やっぱりサンダース氏で「トランプの終わりの始まり」か

米大統領選に向けた民主党の指名争い第3戦で急進左派といわれるサンダース氏が勝利、若者の支持を得て「トランプの終わりの始まり」を訴えている。勢いが増してきた。サンダース氏51%、「古い政治」と批判されているが穏健派のバイデン氏17%、若者の支持を得て「新しい政治」を目指す中道のブデイジェッジ氏10%だ。

このままトップを走れるのか。あともう一人中道のブルームバーグ氏が名乗りを上げている。大資産家でトランプ大統領にとっては戦いにくい相手だ。前NY州知事でもあり経験者だ。期待している

サンダース氏の主要な政策は若者に支持のある教育費、学資ローンの免除、低賃金の大幅値上げ、国民皆保険、大企業、富裕層への課税強化で急進左派、民主党社会主義と名乗っている。

急進左派の躍進で米経済界も「脱株主第一主義、従業員、地域に貢献する経営」に方向転換するという。経済界でも危機感の表れだ。

米国内経済は好調といわれ、トランプ大統領の人気を維持しているようだが、一方で成長鈍化、格差拡大が指摘されている。

ノーベル経済学賞受賞のステイグリッツ教授もその著書「progressive capitalism」で米国の成長鈍化、格差拡大にたいして劇的な改革を民主党に求めている。税財政改革による再分配以前に市場での分配が労働者の不利にならないようにすべきだという(朝日新聞「 ステイグリッツPROGRESSIVE CAPITALISM」の書評より)。

サンダース氏はこういう意見も受け入れ高齢政治家で「古い政治」の批判をはねよけているのだろう。

心配なこともある。ロシアがサンダース氏支援に情報操作し介入しているというのだ。何やらロシアは米国を分断しようとしているらしい。トランプ大統領が「アメリカ第一」「保護主義」を掲げて国際政治で混乱を招き同盟国の絆をないがしろにしようとしていることと関係しているのか。トランプ大統領のロシアンゲート事件が問題になったが本当だったのか。

「トランプの終わりの始まり」は米国民以外でも同調する。






2020年2月23日日曜日

無法者の安倍総理(5):幼稚で倫理観のない安倍さんを何故、権力者に仕立てたか


安倍総理の国会審議を見ると、幼稚さ、倫理感欠如が伺われるが、何故、ここまで権力者に仕立てられ本人も勘違いする事態になったのか。

お友達で占めて失敗した第1次安倍政権の反省に立って再び失敗しないために学習したことを活かしているという。でも一番評価を上げたのはアベノミクスの第1の矢「異次元の量的緩和」だろう。欧州ではすでに市場は日本の円高、株安に目をつけていたというから運よくそのタイミングに合い、円安、株高は日本経済の再生(?)に貢献し安倍総理を一躍権力者に仕立て上げたか。

安倍総理は事あるごとに野党の攻勢を避けるために旧民主党政権を「あの悪夢のような」と批判していたが、自分の安倍政権をどう考えているのか。

民主党政権時と比較するとどうなるのか。先日朝日新聞が民主党政権でも言い点があったと論じていたが、なぜか、旧民主党議員は安倍総理の批判に反論しようとしない。本当に自分たちの政権はダメと思っているのか。

安倍総理は政権を奪取した総裁時に、長くデフレに苦しんでいる日本経済の円高に市場にカネを流す量的緩和で円安に持っていく「異次元の量的緩和」策を打ち出した。

民主党政権末期の野田政権でも日銀の決定会合に財務大臣だった前原さんを送り込んで緩和な量的緩和から急激な緩和に移すように要求していたが当時の白川総裁は同意しなかった。

日銀総裁人事や日銀法改正を臭わせ日銀をけん制していた。

その後、安倍総理はリフレ派を重用し、政策委員にリフレ派を送り込んで圧力をかけ、ついに白川総裁は任期を残して辞任した。そして「2年で2倍」のキャッチフレーズを掲げ黒田総裁が誕生した。その結果はご覧のとおりで6年たっても2%物価目標は未達だ。マイナス金利政策は成果どころか副作用が目立ってきた。

2012年11月の民主党・野田総理と自民党安倍総裁との党首討論で、13年の通常国会で衆議院定数削減、選挙制度改革を約束すれば「明後日解散します」の言質をとり、安倍総裁は腰を抜かさんばかりに驚いていた。10減を目指していたが10増5減で根本的な定数削減にはなっていない。後の代表質問で野田さんが安倍さんを追及していた。「約束が守られていない」と。

削減するどころか、選挙のたびに自民党は議席を伸ばす結果になった。安倍総理は連戦連勝が評価された。

緊急事態対応でも福島第一原発事故での対応で野党・自民党は民主党。菅政権の対応を批判していた。放射能汚染シミュレーションを無視しての住民非難、冷却水不足でメルトダウンを起こしていたのを政府が発表を遅らせた。

ことの重大性から菅総理は総力で対応が必要と思い、自民党に副総理格、事故対応担当として入閣を当時の谷垣総裁に要請した。谷垣総裁は乗り気だったようだが自民党内で「民主党政権に協力することはない」という意見があって断念した。

そして今、安倍政権は「福島の復興なくして日本経済の再生はない」と事あるごとに被災地を訪問している。どういうことなのか。

今、新型コロナウィルス対策で安倍政権は四苦八苦している。ダイヤモンドプリンセスでの隔離が不完全だったことが今の拡大の要因になっている。そこを指摘した神戸大の教授がその映像を削減した。政府から圧力がかかったのだ。こんなことで安倍政権が民主党政権のことを批判することなどできないはずだ。

14日間の監視期間が過ぎ陰性で下船した乗客の中から陽性の感染者が出てきた。政府の対応の是非、市中感染の拡大に安倍政権はどう対応するのか。

緊急事態の対応は未経験のこともあって、どの政権でもてこずっている。互いに批判などできないはずだ。

対米の追随に温度差がある。自民党政権は日米同盟強化で支持率を保っているが民主党政権での鳩山政権は最初の外交を中国にした。中国にしてみれば気分が良かっただろうが、今の習主席の対日外交にどう影響しているのか。

尖閣諸島領海侵犯事件は、新型コロナウィルスで中国、日本が四苦八苦している今になっても続いている。国難のとき、支援物質を送っても友情など通用しない国柄なのだ。そこへ持ってきて4月に習主席の国賓待遇での訪日が予定されている。「中止かどうか」を安倍政権は中国側から提案されるのを待っているのではないか。

それと民主党政権の「事業仕分け」は国民に国家予算の実態を見せしめる効果があった。「廃止」「見直し」の判定が出ても大臣折衝で復活する内容が多かった。税金の無駄遣いを指摘し、民主党政権の公約の財源にしようとしたたくらみはあっさり消えた。予算取りする官僚のしたたかさだけが目立った。

今、安倍政権での赤字国債の発行は増えている。自然災害の多発で復興のための予算が増える一方、度重なる選挙での国民サービスは眼に余る。これでは何年たってもPBのバランス化などできない。

所でなぜか、安倍総理と日産前会長のゴーン被告とダブって見えないか。

ゴーン被告は2年で日産をV字回復させたことがカリスマ経営者として評価されたが、再建が終わると目標を失い(?)、私利私欲に走り日産を食い物にした。

安倍総理は一応円安、株高で日本経済は息を吹き返したように見えた。狙っていたデフレ脱却は未達だ。「2年で2倍」の物価目標も先が見えない。そんな時目標を失った安倍総理がお友達優遇の私利私欲に走った。わがままぶりは権力者と見間違える。誰が権力者に仕立て上げたのか。

そして、安倍総理は自民党の質を変えた。トランプ大統領が共和党の質を変えたといわれているのと同じだ。多様性が必要な政治にあっても自民党は安倍金太郎飴の状態だ。

日米の政治が変わるのは大統領選、総裁選を待つしかない。


2020年2月22日土曜日

無法者の安倍総理(3):それでも内閣支持率40%は何故だ、安倍総理の功罪


とてもではないが、賛成できない恣意的政権運用だがどういうわけかメデイアの世論調査で内閣支持率は40%を維持している。「安倍総理は信用できない」とまともなことを言うが、「他の内閣よりマシ」と消去法での支持だ。政党支持率が32%とすると青木方程式では50で内閣の存亡にかかわるが、安内閣は73で意外に安泰だ。

最近の安倍総理の功罪を拾ってみる。

「モリカケ」問題で丁寧な説明ができず国民は70%以上が納得していない状態が続いていたが、ここに来て「桜を見る会」でも公的イベントのはずが安倍総理枠で後援会活動と関連し政治資金規正法違反の疑いが出てきたが、自分を有利にする発言に周りを混乱させている。

東京高検・黒川検事長の定年延長は、検事総長人事とも絡み前例の法解釈を変更したごり押し人事で、自らの不祥事に絡む告発に暗に指揮権発動を期待する動きだ。野党の追求に「そういう意図はない」と否定するが、検察庁も我が物にするつもりか。

公文書にはまずい記録は残さない。追及を受けても証拠資料が無いし、責任回避だ。改ざんはもちろん隠蔽を平気だ。そのつど資料の存在を追及されるが「ないといえばない」、「探さない」で保管されている資料の存在もあやふやになる。

公文書管理の不徹底は民主政治の根幹を揺るがす行為を福田元首相が指摘するも平気だ。

パフォーマンスだけには余念がない。東北地方の復興なくして日本経済の復興なしと、機会あるごとに被災地を訪問し「力を入れている」姿を見せ付けるが、政府の復興計画にはチグハグサが目立ち、住民は戻ってこず、復興の支障になっている。「街は整備したが住民がいない」のだ。

今回の新型コロナウィルス対策でも対策本部会合をやるが、閣僚が集まってのたったの10分の会合だ。官僚が作成したペーパーを安倍総理が読み上げるだけで終わる会合で感染者の拡大防止、感染者の重症化防止など議論などやっていない。厚労省の担当者が官邸などと話し合って決めた内容を読み上げるだけだ。

小泉さん、森さん、萩生田さんらの大臣が欠席していたことで国会が追求しているが、対策本部会合がこの程度であることを知っての大臣の欠席ではなかったのか。

国会予算委員会での野次、不規則発言は安倍総理の幼稚さ丸出しだ。丁寧な説明といいながら「はぐらかし」発言、以前の発言の繰り返し、つじつまが合わなくなると官僚がつじつま合わせの答弁でフォローし逃げ切りを図る。

総理の器が小さく、小心者の行為が続く。野党の結束ができていないと見ると野党つぶしの国政選挙を繰り返す。自民党が再び政権を握ってからの選挙は結果として連戦連勝だが、何故勝っているのか分からない。

多くの場合、「争点隠し」で野党と正面から論争しない。論議すれども勝つ自信がないことはわかっている。野党が憲法改正反対の論陣を張っても安倍総理は肩透かしで、終わってみれば自民党圧勝だ。有権者は騙されたことにならないか。

官邸主導の政権運営は、民意を無視していないか。自民党の地位が低くなっている。岸田政調会長はどう存在感を示すか。ポスト安倍が問われている。国家公務員の人事にも絡んで官邸のやりたい放題ではないか。黒川検事長の定年延長など言い例だ。

憲法もよく理解していない総理が憲法改正に力を入れる。法改正、制度を無視する安倍総理に「新しい国創り」の憲法改正は何なんだ。岸家、安倍家の家訓(?)の憲法改正を言っているだけで、内容は無く、自分が最初に憲法改正に取り組んだという実績だけが重要なのかもしれない。

器の小さい、 小心者の安倍総理がリーダーシップを取る憲法改正が現憲法に勝るとは思えない。

緊急事態条項が必要というが、今の新型コロナウィルスの対応を考えてみよう。後手後手と批判され、隔離後の14日間の監視期間が過ぎ陰性であっても感染が出ている。クルーズ船内の安全区域と危険区域との分離対応も不完全といわれている。確かに予期せぬ緊急事態への対応は未経験でも対応が難しいだろうが各分野の英知を集めての対応が必要になる。

今は、政権寄りの御用学者と反対を訴える学者がバラバラの意見を言っているようでは対応など無理だ。福島第一原発の放射能汚染事故では時の民主党・菅政権が野党自民党からも批判されたが、今回は安倍総理が批判されている。

憲法9条に自衛隊を明記すれば「自衛隊違憲論」はなくなる」と安直に考えているがますます議論がこじれてくるのではないか。むしろ国防軍を設置したほうがすっきりする。国民にそのことを問うべきではないのか。

安倍総理はピンチになるとメデイアのトップと会食を繰り返すらしい。メデイアの一部には「総理の本心が聞けるいいチャンス」という人間もいるがどうか。むしろ安倍総理に利用されているのではないか。記者クラブの中には「会食なしで」と正論を主張するものもいるようだが総理サイドはNOだ。

でも一部のメデイアは政権とは距離を置くべきだと会食に参加しなかった会社もある。それが本当の姿だろう。海外からも日本のメデイアに疑問を呈している。

そんなことをしたら、「書きたいことが書けなくなるだろう」と。正論だ。権力者とメデイアが癒着したらどうなるか。

安倍総理の良い点はあるか。

良きにつけ、悪しきにつけリーダーシップはある。自分の利にかなうことしかやらない身勝手さはあるが。

対米追随は自民党政権では日米同盟、内閣支持率を保つには重要だが、安倍総理は度を過ぎていないか。オバマ大統領が伊勢湾サミットで来れば付きっ切りで広島訪問まで付いていった。トランプ大統領になると土産外交、ゴルフ外交、別荘での会食と特別な関係を見せつけた。

尖閣諸島問題で対中国政策に困ったときに「尖閣は日本の施政権の範囲内」とトランプ政権は日本に肩入れをした。オバマ政権では最後の最後まで渋っていたことだ。

自民党内とまとめているように見える。安倍政権にたてつく者はいない。民主党政権での小沢さんとの権力の二重構造の欠点を見せ付けられてはさすが安倍総理というだろうが、内実は強権で反対者を押さえつけ干し上げているからだ。

黙っていれば内閣改造でチャンスがあるとでも思っているのだろう。待望組が60人ぐらいいるというが、今まで入閣できなかった議員にはそれなりの理由があるのだろう。派閥推薦で閣僚にしたがその器ではなかった事例が多い。

ポスト安倍はどうなるか。

石破さん、安倍さん、小泉さん、岸田さんなどメデイアで名前が載るが「この中にはいない」が何時も30%だ。一体誰なんだろうと何時も思う。石破さんは地方では人気があるが永田町では人気がない。石破派は19人という少数政党だ。総裁選に立つにも他派閥から名前を借りなければならない。

中央で人気がないのは、自民党が下野したときに離党したかららしい。その後復党したのだが何時も正論ばかり吐いているので嫌がられているのか。禅譲ではなく、「大会を開いて選挙しろ」と石破さんは主張するが岸田さんは禅譲を狙っていたが、消極的過ぎると批判され方針転換したらしい。岸田政策を打ち出すらしい。

石破さんが総裁、総理になってどんな政権ができるのか。政権構想を発表してみたらどうか。もう干されることはないから皆が集まってくるか。国会議員には恥など感じないのだ。

当面の課題は何か。

やっぱり新型コロナウィルス対応だろう。中国についで2番目に多い感染者を出している。市中感染の疑いも出てきた。米国など4カ国が日本への渡航注意、禁止の処置に出た。これが広がると観光などで支障が出てくる。早く終息へ導かなければならないがその傾向は出ていない。

習主席の国賓での訪日、オリンピックが迫っているがどうなるか。イベントなどの縮小、取り止めが続けば否が応でも重大な決断をしなければならなくなる。

安倍総理で大丈夫か。YESMAN ばかりの集まりではどうなるか。


2020年2月21日金曜日

止まらないダイヤモンドプリンスでの感染:長い隔離、検疫を抜けると、そこは陽性だった?


新型コロナウィルスの感染が続く3700人いたダイヤモンドプリンセス号で717人が下船、759人が帰国したが、そんな中で感染し入院していた乗客2人が死亡、応援で事務処理に当たっていたという厚労省、内閣府2人の職員も感染した。

横浜に寄港した2月5日から隔離監視し14日間の監視期間を経て陰性だった乗客の下船が続いているが、その間で感染があったようだ。19日からの下船という判断は政治的判断で解決を急いだということになるのか。

下船した日本人乗客には不要不急の外出は控え、毎日の健康チェックが要求されている。この人たちの間から発熱、体調を崩し受診した結果陽性が出たらどうなるか。その時安倍政権は苦しい立場だろう。

案の定、テレビのニュースで陰性だったためにチャーター機で帰国したオーストラリアの乗客で2人の陽性が見つかったという。

新聞報道によると日本での感染は94人、死者数1人、ダイヤモンドプリンセスではそれぞれ634人、2人で中国を除く外国では日本が汚染国だ。

アメリカが日本と香港を渡航注意国に指定、タイ、ブータン、韓国、台湾も続く。後、何時アメリカが日本にいるアメリカ人の退避を勧告するかだ。3.11東北地方太平洋沖地震での福島第一原発事故の時は退避勧告を出していた。

「ダイヤモンドプリンセスでの長い隔離、検疫を抜けると、そこは陽性だった」と言うことにならなければいいが。

海外のメデイアは安倍政権の対応を批判している。下船した日本人ももっとやることがあったのではないかと厚労省を批判した。

今日本は1億総感染症学者だ。テレビの情報番組に出る感染症学者の顔ぶれも決まってきた。政府寄りの対応を支持する学者と疑問を投げかける学者と二分されてきた。

どちらの言い分が正しいかはもうすぐわかるだろう。

無法者・安倍政権の悪だくみ(2):黒川検事総長で暗に指揮権発動期待か

無法者安倍政権の悪だくみが続く。今度は黒川・東京高検検事長の定年を延長し次期検事総長人事を目論んでいるのではないか。今国会で黒川検事長の定年延長が野党から追及を受けているが、その背後に安倍総理自身による不祥事が続発しているが、告発に対して検察庁が不受理をしたり、法務大臣を通じず暗に指揮権発動を考えているのではないか。

検察庁まで自分の思い通りにしたい安倍政権に日本の政治は任せられない。

1981年人事院が国家公務員法の定年制は「検察官に適用されない」、除外されていると今まで理解していたが、安倍総理が「国家公務員法の規定も適用される」と解釈の変更をした。

だから検察官も定年延長ができることになったことで野党はそのいきさつの正当性を追及している。法解釈をまげてでも無理筋の定年延長をごり押しする。

野党議員がうわさになっている「黒川検事総長誕生はないと言い切れるのか」と問い詰めると安倍総理は「法務省で適切に判断している」と答弁したが、検察内でも異論があるようだ。

恐らく安倍政権は黒川検事総長構想を持ってのごり押し人事だ。

安倍総理は夫婦そろって憲政史上まれなる不祥事を多発している。中には有志による告発もされている。総理の犯罪だから現役時代の訴追は無理だろうが、辞任後はどうなるか。

通常指揮権発動は法務大臣がするが、指揮権発動すると内閣は持たない。だから暗に検察への告発を受理しなかったり、告発を受けて受理しても不起訴処分にするなど自分の息のかかった検事総長なら忖度することを期待しているのだ。

でも黒川さんもまともな人間ならよく考えるべきだ。森友問題で財務省の理財局長が忖度した国会答弁を繰り返し財務省内は大混乱したが、理財局長は国税庁長官に就任、安倍政権が答えてくれたのだ。

しかしその後国会外での反対運動も激化し、自宅には帰れない、職場にも出にくい環境になり、結局は国税庁長官を辞任したはずだ。黒川さんも同じ運命をたどるのではないか。人気の落ちている安倍政権にどこまでくっついていくというのか。家族にまで迷惑をかける事態になることを考えるべきだ。




2020年2月20日木曜日

ダイヤモンドプリンセス号からの下船の根拠:疫学的調査結果か、政治的判断か


やっと日本における新型コロナウィルスの主たる発生源であるダイヤモンドプリンセス号からの陰性乗客の下船が始まった。今日(20日)は500人を予定しているという。

その一方でダイヤモンドプリンセス号の2人の感染者で入院していた男女が死亡したという。「何故だ」と思ったが2月5日からは完全に隔離していたのでそれ以前に感染した2人だという。5日以降は隔離し14日間の隔離期間後の検査でも陰性だったので乗客を下船させるというのだ。

5日から監視期間の14日後と言うと19日になる。

TBSテレビの情報番組で、下船者に2種類の書類が渡されたという。一枚目は14日の監視期間後の検査で陰性だった証明になる「下船許可書」、2枚目はどういうわけか下船後の注意事項となる「不要不急以外は外出しない」と言う内容らしい。

どういうことか。下船して通常の生活をしてもいいが、「一応注意よ」とでもいうのか。

だとすると疫学的調査結果で下船OKと言うよりも政治的判断でOKと言うことか。そういえば新聞報道で2月5日の未明に菅官房長官、加藤厚労相と国土交通相が3者会談して決めたようだ。だとすると政治的判断が大きい。19日と言う日が「下船は今でしかない」ということか。

検査結果が陰性で下船した人から症状が出て、検査した結果陽性となった人が出たらどうするのか。そうでなくとも安倍政権の対応が後手後手と批判されていることから考えて、安倍政権の存続を脅かす結果になる。

今回の下船の許可根拠は、1~3便で武漢からの帰国者540人の健康監視期間で陰性だったこと、2月5日以降チャーター便で帰国したひとと同様の感染防止対策を取っていた。感染者はそれ以前に感染したのだという。

これに関しては情報番組に出演していたコメンテーターからも疑問が出されていた。

また、神戸大の教授が船内を見た結果、安全地域と危険地域は分離されていたようだが多くの問題点があり隔離も不完全だったと公表したが、いつの間にかその映像が消えた。反対に政府側の感染研究所所長の「隔離は完全だった」という発言が強調されていた。

こういう場合は、政府側の発言より反対者の発言の方が正しい場合が過去には多い。特に緊急事態への対応はどの政権でも苦手なのだ。早く終息させようと安直な対応を取りやすいのだ。 


無法者・安倍政権(1):打倒に向け立憲、国民、共産に関わらず結集できないか


無法者・安倍政権打倒のため、立憲民主、国民民主、共産を問わず信頼できる国会議員へ結集できないか。政党が掲げる政策では合流もなかなか無理、だったら信頼できる国会議員のいる政党に結集し政策を議論し打ち立てていく米・民主党のサンダーズ上院議員のやり方を見習ったらどうか。

まず、自民党支持に歯止めをかけ、野党勢力を結集することだ。小沢さんがよく言っていたが、政策では反自民勢力はまとまりにくいのだ。

「桜を見る会」「森友、加計問題」は安倍総理自らの不祥事、政治資金規正法違反疑惑で首相答弁にあわせるように官僚の答弁、公文書も隠ぺい、偽造されている。

さらに今、検察庁トップ人事に絡み最高検検事長の定年延長はごり押しされた。検事総長に安倍政権の息のかかった人物を当てることにより安倍総理の不祥事、法令違反事件で検察庁に告発される事案を一斉に不受理にする暗に指揮権発動を実施できる検察体制を構築したいようだ。

さらに官邸主導の政策に現場が混乱している。官邸主導の医療戦略iPSへの支援を打ち切ったり感染症対策にも影響している。今回のダイヤモンドプリンセスでの新型コロナウィルス肺炎の感染拡大もこれが影響しているのではないかと疑われている。厚生労働省の新型コレラウィルス肺炎に関する記者会見で不倫海外出張がうわさになっていた大坪審議官が出てきたのには驚いたが、批判もあったのだろう以後は厚生労働大臣が務めている。

こんな体たらくで、好き勝手なことをやっている安倍総理が憲法改正に挑んでいる。勝手は法解釈、人事異動、制度無視をやって何が新しい国作りのために憲法改正か。

メデイアの世論調査では内閣支持率が40%を切ったが、政党支持率は32%と他の党に比べて高い。立憲民主5%、国民民主2%、共産党はもっと高いか。

内閣支持も「他の内閣よりマシ」が高く、「安倍さんは信頼できない」も高い。でも自民党を支持するのは、ポスト安倍をにらんでのことか。

でも安倍政権打倒するには自民支持をやめ、野党に結集することだ。揺らぐ民主政治を立て直すには野党しかない。3年間で政権交代を台無しにした旧民主党政権の失敗を繰り返さないためにも野党、有権者の意識改革が必要だ。

自らの不祥事に対する説明責任も不十分で、答弁に窮する安倍総理本人に代わって菅官房長官が「総理の答弁の通り」の一点張りで安倍隠しの手段に出た。

「もう限界だ」とどうして有権者はわからないのか。

2020年2月19日水曜日

アベノミクスは破綻?:リフレ派旗振り浜田参与が今度はMMTを進めたか


リフレ派で異次元の量的緩和の旗振りをしていた浜田内閣官房参与もデフレを脱却できず今度はMMTを安倍総理に進言したのか。

今、政治は「桜を見る会」での安倍総理自身の後援会の政治資金規正法違反疑惑と中国発新型コロナウィルス肺炎での拡大防止で持ち切りだ。そんな時、新聞の首相動静を見ていたら久しぶりに18日午前中早い時間に浜田参与が安倍総理と会っていた。

浜田参与と言えばデフレ脱却を目指しで安倍政権の経済政策アベノミクスの第一の矢で異次元の金融緩和策の旗振り役を担った。ところがなかなか成果も出ずアベノミクス破綻かと批判を浴びていたが、「雇用が改善したのだから、それでいいだろう」と発言していたのを新聞で読んだことがある。安倍総理も津々浦々まで成果が行き渡らない状況だが、「雇用は改善している」と今までなじみの薄い経済指標の好転を持ち出して言い訳をしている。

18日の午前中に安倍総理と会い何を話し合ったのかと朝日新聞(2020.2.19)を見ていたら、浜田さんが「インフレになるまで財政拡大できるMMT理論について安倍総理に説明したらしい。財政危機にある日本にとってリフレがダメならMMTはどうかと言う話らしい。

さすがに安倍総理は慎重な見解を示したという。

日本は今、国、地方含めての借金は1000兆円を超え、対GDP比200%の先進国一悪い財政状況だ。財政赤字も欧米ではGDP比3%以内に抑えようとしているが日本は無理で、IMFからは消費税増税、緊縮財政を警告されている。

そんな時、日本経済を模範とした経済理論だというMMT理論がアメリカからやってきた。

それによると、ニューヨーク州立大のステファン・ケルトン教授が「自国通貨発行権のある国は赤字月に上がってもインフレになりまで赤字でもいい」と財政出動を打っている。根拠は日本経済らしいが、多くの専門家は財政健全化を優先するために「異論」「移設」と批判するが、「経済の変化を映す堅実な議論にのっとっているというのだ。

FRBのパウエル議長、クルーグマン教授も「非主流派の馬鹿げた理論」と批判する。

そのMMT論者の主張点はゼロ金利を設定しても設備投資が増えず、量的緩和に移行しても貸出量は増えない。今はおカネの量ではなく経済の質が変わったのだという。今の金融政策は効果が出ていないという。

そんな時、書評でもMMT理論は「異端」ではなく「堅実」な理論で事実に基づいた理論なのだというリフレ派の異次元の量的緩和策は非伝統的金融政策で事実に基づいていないと理論経済学者から批判されていたが、このMMT理論は事実に基づいた理論らしい。

浜田さんは「デフレ脱却に苦しむ日本にとっては良い解毒剤」とフグ料理に例えて説明したそうだが、安倍総理は「良い調理師がフグを料理するならいいが、そうでなければ危険」と警戒したそうだ。

脱デフレに良い処方はないか。いな、今のデフレは悪いのか。どうしてもインフレにもっていかなければだめなのか。

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2019.5.20掲載
何故、赤字国のポピュリズムが目指す「アベノミクス経済」喜んでいいのか

習主席国賓訪日の同床異夢?:日中どちらからともなく「中止」を言い出せる環境にはないか


新型コロナウィルス肺炎の感染拡大が止まらない。ここに来て習主席の国賓待遇としての訪日も迫ってきたが、中国・習主席、日本・安倍総理にとってどちらからともなく「中止」を言い出せる外交環境にない同床異夢なのだ。

中国・武漢での新型コロナウィルス感染者、死者の数が日ごとに増え、日本ではダイヤモンドプリンセス号での感染者数が増える一方で拡大阻止の対策が効いているのか不安になる。

中国では政治的に重要な全人代開催が延期になったし、4月予定の北京モーターショーの中止、嵐の北京公演中止も伝わっている。全人代の延期は重要な政治目標よりも新型コロナウィルス肺炎の拡大防止を最優先したのだ。

習主席は自らの初動ミスを地方のトップの交代人事や新型コロナウィルスとの戦いを「人民戦争」といってごまかしている。

習主席が今、一番嫌がっていることは中国が孤立化することだ。中国への渡航禁止、中国からの入国拒否、さらには貿易の制限につながることを恐れている。

だからWHOの事務局長をして中国寄りのコメントを発表させ、その結果がWHOの初動ミスを招いたと批判されている。それでもWHOは「中国はよくやっている」と評価する。世界が事務局長の更迭を言い出した。

しかし、日本は中国全土ではなく、限られた地域からの入国阻止など中途半端な対応をしているが東南アジア諸国は厳しい対応だ。

シンガポール、ベトナム、フィッリッピンは中国からの入国拒否だ。そうだろう南シナ海での中国の横暴な行動に危機感を抱いているのだ。新型コロナウィルス感染者数も他国に比べて多い。

一方でカンボジアは友好を保っている。外相が中国を訪問、喜ばしている。

習主席もこの機に及んで外交を重視している。

ASEAN外相会議を要請し滞って来た経済、物流、観光への不安を払しょくするつもりのようだ。今の時期中国を交えた外交なんて珍しい。問題になっていた対米追加関税は1年間免除するらしい。これで対米輸入も増えるのか。トランプ大統領が中国に対してツイートしないのは何やら美気味だ。

そういうこともあり、習主席の国賓待遇での訪日は日本との友好関係を世界にPR出来る絶好のチャンスであり、4月実施となると3月初めには終息の動きがないと無理だが習主席のほうから「今回は中止」を言い出すはずがない。

日本もそんなつもりはないのか。ミュンヘンでの外相会談で「粛々と準備を進める」と言う。

安倍総理にとっても、度重なる日中首脳会談でも尖閣諸島周辺での領海侵犯、地下資源開発では改善の兆しが見えない。だから中国外交は実績なしと見られている。

そのため安倍総理は国賓待遇として招くことで習主席も対日政策を考え直すのではないかと期待しているのではないかと思えるし、だとすると日本側から「中止」など言えない。

今だって、尖閣諸島周辺では中国公船が領海侵犯している。武漢へ邦人救出に向かった航空機にマスクなど支援物質を積み込んだが、中国は友情がわかる国ではなさそうだ。

だから、習主席の訪日が強行されても日本が期待する外交上の諸問題は解決しない。新型コロナウィルス対応を「人民戦争」だと言っているぐらいだ。

3月になっても中国の感染者に改善が見えず、日本国内での市中感染が継続するようだと安倍総理の方から「中止」を言い出さなければならないだろう。

ロシアも新聞報道によると憲法改正で「領土割譲禁止」が盛り込まれそうだという。では北方4島返還はどうなるのか。対ロシア外交での北方4島返還は躓いている一方で、経済開発協力ではカネをせびり取られている。

難しい外交を迫られているのだ。



2020年2月18日火曜日

後援会活動の政治資金規正法違反疑惑:往生際の悪い安倍総理、小渕後援会を見習え

安倍後援会の「桜を見る会」と前夜の夕食会の政治資金規正法違反疑惑が予算委員会で野党の追及が強まっているが、ここに来てホテル側と安倍後援会の見解が大きく違ってきた。

往生際の悪さを見せつけている安倍総理の姿が際立つ。安倍総理の国会での説明に納得しない国民が70%を超えているのだ。

後援会活動と政治資金規正法との関係は国会議員の間では何時も問題になる。思い出すのは小渕優子議員の後援会ツアーでも同じことが発生した。当時小渕優子さんは経産相だったが「私の知らないことが多すぎる」と経産相を辞任し、議員辞職に追い込まれた。

この時は「姫は何も知らない」、「すべては私の責任」と現職長野原町長が名乗りを上げ辞職した。

東京地検特捜部の動きも早く家宅捜索に着手した。何か群馬県政を動かすほどの疑惑事件に発展するかと思っていたが意外な結末に終わった。資金の動きがわかる(?)資料が保管されていると思っていたパソコンを押収したがHDがドリルで破戒されていて、復元が難しい事態になった。事務所はパソコンの買い替え時と言っていたが資料の破棄は明らかだ。

この時も安倍総理は「任命責任は私にある」と言うが何ら責任は取らなかった。

安倍総理は自らの不祥事での責任を追及される事案が多い。しかし認めようとせず、ウヤムヤのうちに処理しようとしているが自民党はどう思っているのか。4選どころではない。任期いっぱい務められるかどうかだ。

青木方程式で計算すると、内閣支持率39%、政党支持率34%、合計73%で内閣が危うくなる50%は超えている。その要因は野党の政党支持率が低いためではないか。

朝日新聞の世論調査の「自民党総裁にふさわしい人」で石破さん25%、岸田サン6%、茂木さん1%、河野さん8%、菅さん5%、加藤さん1%、小泉さん14%そして「この中にはいない」が32%でトップだった。

安倍さんの不祥事が続けば石破さんの出番か。安倍さんが一番嫌がる人材らしいが、国民は支持しているのだから仕方ない。きちんと自民党総裁選で選ぶべきだ。岸家、安倍家の政治家一家の流れを汲み実績を残そうとしているがこのままでは晩節を濁す結果になる。

安倍総理の潔い決断を望む。








今日の新聞を読んで(338):被災地復興の現実、街はできたが人がいない


やっぱりそうか。3.11東北地方太平洋沖巨大地震、巨大津波が一瞬のうちに多くの人たちの生活を奪った後の復興が重要なテーマになったとき、専門家の中に「被災地は将来過疎化する地域」で復興には注意が必要と警告していたが、政治家はより安全な高台に街づくりをし被災者の生活を再建することを約束した。

「被災地の復興なくして日本経済の成長はない」と安部総理は機会あるごとに被災地を訪れ関係者を激励した。でも政府の予算化、意気込みとは裏腹に復興には当初からいろんな問題があったようだ。

特に海岸線は高い津波にも耐えるような防潮堤の建設は住民と意見が食い違うことが多かったようだ。海の見えない生活には不安があったようだ。

生活圏は安全のため、平地をかさ上げしたり、高台を造成し生活者の安全を確保した。区画事業も終わり分譲になると案の定、恐れていたことがはっきりしてきたのだ。

街づくりはできたが、以前から住んでいた人たちが帰ってこないのだ。道路、駅、鉄道などのインフラは整備され、公共施設、ショッピングセンターなども整備されたが人が戻ってこないことには街づくりは無理だ。復興事業など多額の投資をしただけに終わる。

いろんな仕事を持った人たちが帰ってきてはじめて需要と供給のバランスの取れた生活が始まるが、災害でバランスが崩れたままでは復興ではない。

新聞報道によると、沿岸部の市町村では82000人が減り、周辺の市町村では5万2000人が増えたという。残る市町村では約13万人のマイナスらしい。沿岸部の自治体から内陸部の自治体に人間が移動したのだ。

新しい市街地では区画整理事業も終わりに近づいたが70%は家や店が立つ予定がないという。商業施設もできたが70軒ほどが集まるだけで住宅の明かりは10軒もないという。

想像がつく。昔バブル経済のころ、人里はなれた山奥に広大な土地を区画整理し都市開発をしていたが交通の便はまだ悪く、区画整理された土地に家が数軒たっていたのを見たことがある。そんな感じなのだろう。

ところが「関係人口」があるらしい。「関係人口増加プロジェクト」に力をいれ
ているという。被災地と関係性を持ち定期的に訪問する層を増し活性化するのだそうだ。ボランテイア活動とか観光で来て気に入って住むようになる人口を増やすというのだ。

鉄道も引かれ駅もできたが、周辺の人口が増えなければ公共交通も採算が取れず事業撤退ということにもなりかねない。

復興に時間がかかれば出て行った人もそれなりの生活をたてることができたのだから又、転居することなど不可能だろう。「住めば都」ということもある。

やはり必要なのは製造業だ。裾野も広く雇用も創出できるが人が集まらなければやっていけない。

東北地方太平洋沖地震は1000年前の巨大地震貞観地震の再来だった。今関連する規模の小さい地震が頻発しているが、アウターライズ地震の危険はある。その時、今の復興計画が良かったと思う時になるだろうか。

これから首都直下地震、相模トラフ地震、そして南海トラフ巨大地震が恐れられている。

南海トラフ地震は広範囲な震源域を含む。34mの巨大津波が海岸よりの街を襲い掛かる場所もある。多くの過疎地が含まれるだろう。その時、復興計画が問題になる。

東北地方の被災地の復興事例を参考に「捨てる地域」「復興すべき地域」の選択、具体的な復興計画を策定の参考にすべきではないか。そのためには安倍政権のような考え方は役立たない。斬新な考えで思い切った決断のできるプロジェクトが必要になる。