2019年9月12日木曜日

今回の組閣で分かった安倍総理の「安定と挑戦」の本音

安倍総理は今回の内閣改造、党役員人事を「安定と挑戦」をキャッチフレーズにした。いろんなことが考えられたが組閣結果からその本音がわかった。

「安定」とはお友達や側近連中を中心とした改造で、政敵と思われる石破派からは入閣ゼロで干し上げた。一方で加計学園事件などで問題の発言をした萩生田さんを文科相に登用した。

前から飛んでくる鉄砲の弾(野党の攻撃)よりも後ろから飛んでくる弾を回避し自分にとっては安心できる内閣にしたのだ。

麻生さん、菅さん、二階さんを留任させたことも、野に放たれば何を言い出すかわからない。麻生さんなどは森友事件で国有地の格安払い下げに関し財務省の不祥事を招いた責任者だが、もとは安倍総理夫妻による疑惑事件だ。問われれば何を言い出すかわからない。

菅さんも「令和おじさん」で人気を集めている。ポスト安倍で支持が広がれば安倍さんが考えている方向と違ってくる。安倍さんはやっぱり岸田さんに禅譲するのが一番いいと思っている。リベラル色もあり、憲法改正推進では野党も歩み寄るのではないかと自民党の憲法改正推進本部の本部長につけた。

二階さんは何を考えているのかわからない。都知事選では小池支持を打ち出し都連とギクシャクしている。放っておくと自民党を二分するかもしれないので抱え込んだ。

「挑戦」とは憲法改正しかない。

新しい体制で憲法改正を目指すという。国会の憲法審査会では自民党がリーダーシップを取り与野党の枠を超えた議論を進めたいようだ。でも公明党は改正に慎重だし立憲民主は安倍総理の下では議論に参加しないというし、議論の環境づくりが大事という国民民主も「改正に賛成」と言う立場ではない。

安倍さんは信用できないのだ。議論に参加すると一強独裁、野党弱体と見て期を見て一気に衆参で「国民投票発議」を言い出すかもしれないのだ。岸田さんが自民党の憲法改正推進本部長になったのも「無茶はしないだろう」と思わせるつもりか。その岸田さんの姿勢も「後ろから推し進める」と言う意味の発言をしていた。

しかし考えてみよう。メデイアの世論調査でも憲法改正は下位に位置する政策課題だ。雇用、経済、社会保障を超える期待など国民はもっていない。

また、ポスト安倍でバランスのある布陣を引いたことになるという。常に安倍さんに刃向かっていた石破さんは脱落か。それとも安倍政権の政治運営に異を唱える連中を集めて勢いをつけるか。

菅さんは「腹黒さ」があって総理としては国民が期待していないのではないか。しかし自民党内では力を付けているので要注意だ。加藤さんや河野さんはメデイアの世論調査でも支持は1%では期待できない。

ではポスト安倍で常に30%の支持を得ている小泉さんはどうか。安倍さんと一定の距離を置く存在なので今回は入閣はないだろうと専門家はみていたが、意外に厚生労働や復興ではなく環境大臣で入閣だ。官邸での囲い記者会見で「仕事をやります」「働きます」と繰り返していたが妙な発言だった。

専門家の小泉評は耳さわりのいいことを言って国民の人気を取っていたが、「本当に能力があるのか」という指摘が多かった。それを意識しての「仕事をやります」発言だったのだ。

原子力防災も兼ねるというが、高濃度汚染水の処理はどうするか。海洋投棄にはの漁民は反対している。このままでは敷地内保管も3年で限界が来る。また各地で原発再稼働への反対が強い。さらには韓国からもいちゃもんを付けられている。対応できる能力、政策を作ることができるか。おそらく環境省内では失敗を許されないので担当者を釘づけにしての対応を取るだ去ろう。

安倍総理に言う「安定と挑戦」は国民のためではなく、自分のための布陣作りのキャッチフレーズだったのだ。








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