2019年9月19日木曜日

復旧を遅らせる災害ごみ:必要な分別収集、最終処分場の確保は出来ているか

2019.9.18 テレビ朝日 報道ステーションから


台風15号による災害も遅れ気味とはいえ進む復旧作業だが、その中で一番復旧感を乏しくしているのが災害ゴミの処理ではないか。家庭から排出される災害ゴミは近くの空き地に出される。それを収集し分別して処理するのだ。

今までの災害から得られた教訓は処理が進むのは分別されてまとめられていることだ。混在したゴミが一番処理を遅らすのだ。災害ゴミは一時的にどっと排出される。だからどこかの時点で分別することが必要なのだ。

そのあとで、リサイクル、再利用、焼却、埋め立てと決められた処理ルートに乗せればいいが、一時に大量に排出さえると問題を起こす。

焼却炉を持っている自治体でも処理能力がオーバーすると焼却炉にトラブルが発生するだろうし、よく言われているのは定期補修とかち合うことだ。定期補修を無視して運転するとトラブル発生の原因になるし、定期補修にはいれば処理が滞る。

処理能力をオーバーすれば近隣の自治体に処理依頼するが、今回は千葉県全体に問題があるので東京都などに応援依頼と言うことになる。

分別し最終的に処分場へ埋め立てが必要なものが出てくる。ところが埋め立て処分場を確保している自治体は少なく、多くは業者に委託している。

兵庫県南部地震の時は大阪湾フェニックス計画で埋め立て地を持っていたので復旧が進んだと言われている。3.11東北地方太平洋沖地震の時も東北から大阪へ埋め立て物を運搬したという。そんなこともあってか、福島第一原発での汚染水保管が後3年と言われているときに、前環境相が「海洋投棄も選択肢、これしかない」と発言したことに小泉新環境相は「住民に寄り添う」と謝罪発言をした。松井大阪市長は、汚染物質の基準値をクリアーし安全が確保されれば大阪湾で海洋投棄をやってもいいと言い出した。小泉さんは慌てただろう。なんでもそうだがどこかで安全を確保して処理しなければならないのだ。

東京都も中央防波堤埋め立て処分場を持っている。広大な面積と思っていたがごみ排出量も多いのだ。何時かは限界が来るが、新しい埋め立て処分場の確保は難しいという。それでも首都直下地震のために埋め立て地を確保しているというのだ。

災害ゴミを見るたびに思い出すのは、通常の家屋解体作業で出てくる廃棄物をどのように処理しているのか。一軒撤去するのに約300万円かかる。瓦、コンクリート基礎、木製の粗大ごみ、ガラス、断熱材、食器類、電化製品、衣類などが混載で排出される。

これらが分別されどういう内訳で処理されているのか。知っておくことが環境衛生行政に役立つのではないか。

カワラ、陶器、ガラス:破砕するだろうがその後どう処理されているのか。コンクリート製品だと破砕し道路の路盤などに活用されている。ガラスも破砕して道路の舗装に使われ、ギラギラ光っている路面がある。

柱などの木材、家具類:以前はチップにして燃料に使っていた。例えばロータリーキルン式の焼却炉では燃料代わりに投入される。燃料にもなるし廃棄物の処理にもなり一石二鳥?。おが屑のようにして牛小屋の下の敷いたりできるのか。粉砕し発酵させて肥料と言うことも考えられる。

それ以外のリサイクルはすでにルートが確保されているが内容物が残ったままのガラス瓶、ポリ容器、缶類はどう処理しているのか。

いつも思うことだが、廃棄物処理は私たちの生活になくてはならない仕事だ。自治体の担当者や業者に任せきりにしないで日ごろから理解を深めておくことが大事ではないか。




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