2019年9月10日火曜日

日産・西川社長引責辞任へ:程度の差こそあれゴーンの経営者特有の不正行為と同根か


日産の西川社長の辞任は突然だったというよりも「やっぱりそうか仕方ない」という感じの辞任だ。新聞報道に見るとゴーン被告の「経営者特有の不正行為」と程度の差こそあれ、同じ感じだ。

日産の経営立て直しを進めている西川社長にもゴーン被告の不正行為を知りながら知らぬふりをしていた疑惑がもたれ「ただでは済まないだろう」と見られていたが、日産の社内調査で不正報酬問題が発覚し、求心力の低下で今後の舵取りにも支障をきたすと判断し辞任するようだ。

問題は、副社長の時の2013年 SARこう指示に権利行使の時期をずらすことで4700万円という巨額な報酬の上積をやったというのだ。それでも西川社長は「きちんとやってもらっていると思っていた」と自らの指示ではなかったことを強調していたが、ゴーン被告も不正問題で「手続きをきちんとやっている。問題はない」と反論していたのと同じ論理だ。

「知らなかった」といっても相当の額だ。「どうしたんだ」ぐらいの疑問は出てきたのではないか。それとも知っていて何ら疑問も持たなかったのか。

メデイアの報道ではケリー被告も雑誌で指摘していたことだという。だとすると、追放した西川社長に対しゴーン、ケリー側の反撃だったのか。

国民感情からしても異常な金額で同情を得にくいが、東京地検特捜部は事実を知っていたようだという。ただ今回の事件では免責されているので、このくらいで責任を問われることはないのだろう。

西川社長の記者会見でもSARでの引責辞任であることはにじませていない。あくまでも完成検査問題、ゴーン事件、業績不振での引責辞任で、過去の膿を出し切って次の人にバトンタッチを考えていたようだが、今回の不正行為で辞任を早めたということか。

ゴーン被告の不正行為で日産はガバナンスの見直し、強化で取締役会を社外取締役を主体にした指名委員会設置していたが、西川社長の引責辞任もその一環だったようだ。

新聞報道では西川社長が、ゴーン、ケリー被告に対して一度の謝罪もなかったが「本当に悔いてもらいたい」と厳しく批判していた。本音だろう。SARよりゴーン不正事件で責任を取った格好にしたかったのだろう。




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