2020年3月18日水曜日

新型コロナウィルス肺炎(22):総理が安倍さんでなく、石破さん、岸田さんだったら


中国を震源とする新型コロナウィルス感染はフランス・マクロン大統領が言う「新型コロナウィルスという衛生上の戦争」になってきた。ここまで惨状が拡大したのは、当初WHOの事務局長と中国・習主席の「バンデミック隠し」があったためだろうが、今WHO事務局長は「重要なのは検査、検査、検査」と言い出し、メデイアの報道によると習主席は何を思ったのか「新型コロナウィルスはどこから来て、どこへ行ったか」と他人事のように言い出した。

日本の状況はどうだろう。こういう一大事のときは、たとえば緊急事態対応では私権の制限も必要になる措置が必要になるが、問題は安倍総理が国民からどの程度信頼されているかだ。安倍総理には信頼感がない。だから特別措置法改正でも野党や専門家から多数の疑義が出ている。

又、安倍総理は外交を得意とするらしいが、中国人の入国制限の判断が遅れたが、「外交」か「国民の安全」か。背後に習主席の訪日計画があったための判断の遅れがあったのだろうが、優先すべきは国民の安全だ。

更に悪いのは記者会見だ。どうみても安倍総理の記者会見はまずい。

結果論で言うと、夕方の帰宅1時間前にセットし、30分ほどペーパーを棒読
し、幹事会社の4人の記者の質問(あらかじめ質問内容を提出)に答え「まだ質問があります」という声を振り切って退場、即帰宅したという。

あまりの無責任さに2回目の記者会見では質問者を増やしたというが、即席の質問には答えにくかったのだろう。安倍総理は国会審議でも自分の考えを言わない。自らの不祥事での答弁も官僚の作成したペーパーを棒読みだ。

政治を私物化し、勝手気ままな政権運用し、あとは周りの閣僚、政治家、官僚に任せきりだ。それでいて最長の長期政権に胸を張っている。

新型コロナウィルス感染拡大防止対策が「後手後手」と批判され、感染が拡大している北海道が休校、外出自粛を要請したことで後れを取ってはいけないと思ったのか、官邸の数人で決めた唐突な「小中高の一斉休校」を打ち出した。

新聞報道では側近中の側近といわれている萩生田文科相でも発表の数時間前に知らされたという。だから記者会見でも萩生田さんは「強制力は無く要請だ」というのがやっとだった。

案の定、卒業、試験を控えた学校関係者、保育園、保護者、学校給食関係者などは大混乱だ。収入が減るフリーランスからの苦情を知った菅官房長官が収入保証を言い出した。

本来であれば専門家会議での疫学的な効果、経済対策など十分に検討した後で万全とはいえなくても国民も納得できる方法で実施すべきではなかったか。「検討する暇が無かった」と安倍総理は言うが、結果論から視ても時間は十分にある。

2週間では効果が判断できなかったと見て更に10日間延ばし3月19日に専門家会議で検討するという。その専門家会議のメンバーはどんなメンバーか。感染症学者、研究者はいても経済の専門家、危機管理の専門家がいるのか。YESMANばかりを集めた会議で大丈夫か。

国立感染症研究所の所長が座長を勤めているが、国民からの批判が多いPCR検査について、日本は検査数が少ないので感染者数も少ないのではないかという疑問も出ている。

ところが検査の意味が海外とは違うのだ。海外では検査して感染者を探しているが日本は「積極的疫学調査」と言って治療法が分かっていない新型コロナ感染だから治療のためではなく。疫学データの信頼性を確保するために検査制限を行っているらしい。

いろんな検査手法が採用されると疫学データに信頼性が確保できないというのだ。だったらいろんな検査手法使って感染者を探し出し、そのなかから国立感染症研究所がほしい感染者事例から探してデータを取ればいいだけの話ではないか。

安倍政権は対応に後手後手感は否めない。福島第一原発事故対応で当時の民主党・菅政権を批判し「悪夢のような民主党政権」と批判していたが、今、安倍政権は「あの悪夢のような自民党政権」に成り下がったのだ。

では安倍さん以外の総理だったらどうだったか。安倍さん以外というと石破さんか岸田さんになる。

石破さんは理論家肌だ。専門家会議、文部科学省、経済産業省、財務省、防衛省など関係官庁を集めて1週間ぐらいで対策案を出すのではないか。だから今のような批判は少ないだろう。

岸田さんも独断でできる人ではない。いろんな人の意見を聞いて決めるだろう。石破さんと同じことか。

ダイヤモンドプリンスでの感染拡大は日本にとっては予想外のことだった。船長、船会社の考えが伝わらない。麻生財務相が指摘していたことは当然だ。

2月5日に感染拡大防止のために隔離することになったようだが、その前のテレビの映像ではホールでダンスを楽しんだり、バイキングを楽しんだりしているのを視て驚いた。船会社では危機感が欠如していたのではないか。

その隔離作業も神戸大の専門家が視察した結果を動画で流し批判していたが、すぐに削除された。政府筋から圧力がかかったのは確かだろう。しかし後の批判が正しかったことが分かった。

こういう場合、批判者の方が正しいのだ。石破さん、岸田さんではどうやったか。圧力はかけなかったのではないか。

諸外国から船内の狭い中で囲い込んでいることに批判が広がり、政府は何時下船させるかが大きなテーマになったのだろう。14日後に陰性なら下船させるという政治判断が下された。チャーター機で帰国した乗客も入りが、陰性のはずが陽性に転じた乗客が出てきた。

この処置は他の政権でも同じではないか。

感染源である中国からの入国制限が遅れたことが感染拡大の要因の一つになっている。すでに12月末には中国・武漢での発生がわかっていたのだ。眼科医が「不思議な肺炎がはやっている」と報告したが、かき消された。後になってこの眼科医も感染し死亡された。その結果英雄扱いになったのだ。

その後中国人観光客は日本に来てウィルスを撒き散らしてかえっていったことになる。「武漢は危険なので脱出し日本に来た。跡形家族も来る」と空港でインタビューに答えていた中国人がいたのには驚いた。

早くから武漢中国は危ないことは分かっていたのだろうが、中国からの入国制限が遅れた。恐らく習主席の訪日計画があってのことだろう。招待した側だから安倍総理から中止はいえなかったのだ。

「外交」か、「国民の安全」か。安倍総理は外交を優先したのだ。

石破さんや岸田さんだとどうなったか。習主席の招待を言っていなければ中国人の入国制限も早かったのではないかと思う。

13日にはトランプ大統領と電話首脳会談をやったそうだ。アメリカ側からの要請だという。当初は「大丈夫だ」と言っていたトランプ大統領も急速な感染拡大にあわてたのだろう。親友の安倍総理と話したかったのだろう。日米での財政、金融政策、感染拡大防止策を話し合ったのだろう。

石破さんや岸田さんではトランプ大統領とどういう関係を築いていったか分からないが、安倍さんだからできたのかもしれない。

G7電話サミットが急遽実施された。安倍総理は不安を和らげるために治療薬の開発に力を入れるという。経済悪化のため「G7はあらゆる手を尽くす」というが、フランス・マクロン大統領は「これは戦争だ。衛生上の戦争」といったそうだ。

国民が気になっている東京オリンピックについては「完全な形で実施」と安倍総理は言う。「完全な形」、「新型コロナに打ち勝つ証として」オリンピックを実施するというのだ。菅官房長官も「実施に向けて」と記者会見で言う。

安倍総理は何時も大事なことをはぐらかす発言をして周りを混乱させる。「政治家の言葉」は重要だ。親友のトランプ大統領は「1年延期」の助け舟を出してくれた。

IOCも「予定通り実施」の姿勢だがWHOの考えにも従うという。あのWHOの事務局長は信頼できるのか。萩生田さんが記者会見で「日本は収まっても海外では感染拡大では難しいのではないか」と正論を吐いていた。

今まで、安倍一辺倒だった閣僚もそれぞれ自分の考えを言うようになったか。新型コロナウィルス対応で閣僚も自分の考えを主張すべきだ。それが国民の安全確保になるのだ。

午前中はテレビの情報番組を見るのをやめてラジオを聴くことにしている。9時のNHK ニュースは新型コロナウィルス、アメリカ大統領選予備選挙、バイデン優勢、中国政府メデイアの制限、トランプ大統領の「中国ウィルス」発言、為替は107円台、株価は17714円だ。落ち着いて聞くことができる。テレビで煽られる不安など出てこない。

情報番組に出ている専門家も「落ち着いた行動」を発信すべきだ。コメンテーター、専門家もそういう意味で発言しているのだろうがキャスターが不安を煽る。そうすればテレビ局は視聴率がとれるとでも思っているのか。

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