何が長期政権か、日本憲政史上幾多の著名政治家を差し置いて最長政権を築いたという安倍総理だが、内実は「政治の私物化」で多くの閣僚、官僚たちが犠牲になっている。評価できる政権ではないのだ。
政治には必ず裏がある。世界を震撼させている中国を震源とする新型コロナウィルス感染拡大だがここにきてやっとWHOの事務局長はバンデミックと言い出した。当初は「不思議な肺炎が見つかった」という情報を隠蔽した習主席に忖度したWHOの事務局長のパンデミック宣言が遅れたために世界的規模の感染になり、今後も拡大すると言い出した。
その裏にはエチオピア出身の事務局長が閣僚をやっていたときに中国の習政権から多額の経済支援を受けたという背景があり、それに答えたのだ。新感染者の数が減少していることを世界にアピールする習主席の武漢訪問のタイミングを見ての「パンダミック宣言」になったのだ。
こういう個人的な理由があって、世界の人たちの健康、安全を害したWHO事務局長の責任は大きい。政治力より公衆衛生が優先しないか。
黒川東京高検検事長を検事総長にしようと安倍総理は定年延長のごり押しに出た。法務省は順送りを考えていたが官邸の横槍で人事が狂いだした。法務省内で検討したというが議事録がない。安倍官邸に振り回された森法相は気の毒だ。どういう文脈で喋ったのか知らないが、3.11台震災時に身柄拘束している人間を釈放しいわき市から最初に逃げた検察官に言及したことで野党、官房長官から注意を受けた。
北村大臣も公文書管理で野党の追及を受けた。内容が理解できないのか答弁に四苦八苦、官僚のアドバイスがあってもうまくいかない。当然だろう安倍総理が無茶苦茶なことをやって、運用が規定に反しているのだ。まともなことをやっていれば困ることはないのだ。
「モリカケ」問題は憲政史上まれなる安倍総理夫妻による疑惑事件だ。未だ国会で野党の追及を受けているし、国民の70%は納得していない。財務省を巻き込んだ公文書偽造、隠蔽は民主政治の根幹を揺るがす。当時、矢面にたった理財局長は国税庁長官に出世したが、国民の大きな批判に合い、仕事も生活にも支障を来たし辞任した。
驚いたことに昭恵夫人にも国家公務員の付け人がついていたのだ。今でも新聞によると3人ついているという。当時の付け人は国会への証人喚問などに危険が出てきたために海外大使館に転出させた。事件の解明をしにくくしたのだ。
「桜を見る会」の私物化はひどすぎる。後援会活動が政治資金規正法違反の疑いが出ている。ホテル側と後援会員が別々に契約すれば収支報告書に記載する必要がないという。「皆がそんなことをするとどうなるんだ」と野党が追求すると「私の方式でやれば問題ない」と言い出した。ホテル側の対応も安倍後援会には不利だったが、何故か急にノーコメントになった。官邸が圧力をかけたのだろう。安倍総理も地元後援会の事情、後継ぎの問題もあり結束を固めるために無理すぎなことをやっているのだろう。
政権が力を入れているカジノ、総合リゾート施設(IR)が内閣府の担当副大臣が収賄罪容疑で逮捕される展開になって来た。秋元議員はまだ小物で萩生田さんら元閣僚の名前も挙っている。安倍政権にとっては手痛い結果になりそうだが「ご本人が説明を」と逃げるつもりか。
黒川検事長を検事総長にして暗に指揮権発動でもし、葬り去るつもりか。
河井案里参院議員のウグイス嬢に法定の倍の報酬を支払っていたことで公職選挙法違反に問われ秘書が逮捕され、本人も事情聴取を受けたらしい。選対本部を夫である前法務大臣が仕切っていたということで夫婦で責任追及を受けている。
この問題の本質は自民党から1.5億円の選挙資金がわたっていることだ。官邸が大いにかかわり、本丸は安倍総理とも言われている。
憲法改正は安倍総理の政治生命を掛けた課題だろうが国会の憲法審査会の動きが鈍い。自民党の憲法改正推進本部で長いこと改正に携わった船田さんらをおろし自分の息のかかった下村さんをトップに挿げ替えたが発言が野党の反感を買い遅々として進まない。事あるごとに「憲法改正」を叫ぶが誰でも無理だとわかっている。
残念なことは安倍総理自身が憲法を良く走らないのではないか。だから9条に自衛隊を明記すれば「自衛隊違憲論」はなくなると思っているらしい。
忘れていた。アベノミクスの第一の矢「異次元の金融政策」だ。市場にカネをどんどん流せば物価は上がる。円安になる。脱デフレが達成できるとリフレ派経済学者を重用した。当時白川総裁は慎重な量的緩和策を取っていたが、安倍総理は更迭し、黒田総裁を登用した。「2年で2%」は語呂もよくメデイアを沸かせたが6年たっても物価は2%上昇できない。今では「雇用が好転した」という。当初から旗振りだった浜田内閣府参与は「雇用が好転したのだからいいじゃないか」と言い出した。
日銀の打ち出す手は行き詰まり状態でマイナス金利、その深堀りは地方銀行の経営を悪化させる。今回の新型コロンウィルスでどういう金融政策を打ち出すか。つい先日は「金融政策の検証が必要」と言っていた。
そしてポスト安倍はどうなるか。今回の新型コロナウィルスでの初動対応のミスもあり支持率は40%を切ったはずだ。メデイアの世論調査では「次の総理は誰か」の設問に安倍総理が名を連ねるが4選などとんでもない。
力をつけてくれば引き離し、次の総裁、総理を育てていない。石破さんを毛嫌いしている。岸田さんを考えているようだが人気がない。次の総裁選で自民党は割れる可能性がある。
アベノミクスで円安、株高を導き一時信頼される事態になったが、長続きしなかった。やることも無いので「政治を私物化」し私欲に走ったのではないか。何故か、日産の前会長のゴーン被告に似ていないか。V字回復達成後はこれといった目標が見つからず、日産を食い物にした。平常時の経営能力は無かったのだ。
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