当然「中止」と思っていた東京五輪が安倍総理の提案で「1年程度の延期」で決着したそうだ。新型コロナウィルスの世界的感染拡大は世界のトップが言うように公衆衛生上の「戦争」状態なのだから「中止」すべきだった。
ところが、あれほど騒いで、放射能汚染も「アンダーコントロール」と安易な返事をして東京へ誘致に成功した安倍総理だから、ここで「中止」は政権の求心力を落とす事態になり絶対に避けるべきなのだ。是が非でも自分の任期中に実施にこぎつけたいのだ。
だからバッハ会長が「4週間以内に」方針を示す意向を示したが、その中に「中止」があってはならないのだ。トランプ大統領の「1年程度の延期」発言に助けられて「延期」を提案し、バッハ会長が何故か、4週間でもなく即座に「100%同意」したという。
オリンピックというイベントだが政治が介入したことになる。
今回の延期決定で誰が喜んでいるのか。
選手を抱える各種競技団体の台補油がテレビの情報番組に出演し、選手が最高のコンデイションで参加できるか、年齢制限、選手の選考のやり直し、延期期間中のスケジュールなど多くの問題を抱えているようだ。選手選考のやり直しをすると東京2020で出場権を得ていた選手が場合によっては裁判を起こす可能性もあるというのだから驚く。
選手にとってはオリンピック出場権は大きな権利なのだ。メダルを取ろうものなら肩書がつく。それを目指して世界各地を転戦しているのだ。
でも不思議なことだが、競技団体の人は自分たちの都合をタラタラ述べるが、東京都をはじめ開催地の自治体、関係者、ボランテイアなどに配慮した言葉など一つも聞けなかった。
彼らは既得権益者なのだ。
憲章では「大会を開催する栄誉は都市に与えられる」という。今回延期してどんな栄誉が東京都に与えられるのか。1年間の延期期間中の施設の維持管理費、オリンピック後に実施される事業が1年延期されたために賠償、さらには出てくる事業費に対して組織委員会が持てない場合は東京都が補てんすることになっている。
オリンピックと言うと裏金が回っている。公にできない金額なのだ。それが今後どの程度膨らむのか。それが東京都民の税金で支払わえる。東京都はオリンピックを招致することによるフロンテイア開発、交通網の開発、老朽化した施設の更新などに恩恵を受けるが負の遺産も小さくはない。
また、憲章では若者のスポーツを通じ平和な世界の建設に協力するというが、今、世界で起こっている紛争は必ずと言っていいほど、国連安全保障常任理事国が絡んだ覇権拡大による紛争の当事者になっている。アメリか、中国、ロシアがそうだ。
今回の東京五輪の延期決定につけ、政治的決着、「オリンピック村」という既得権益者の
利害が丸見えだ。スポーツマンシップなどどこにも感じられない。
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