2020年3月30日月曜日

新型コロナウィルスの感染拡大がスタグフレーションをもたらすか


新型コロナウィルス感染拡大で人、物の動きが制限され、生産、消費に大きな支障をきたし、経済が「緩やかな回復」に向かっていたが、ここに来て「回復」という表現は消され、景気後退の感が出てきた。

一方で景気下支えのために政府、日銀は経済対策、量的緩和策打ち出し、国民に消費を促し、市場にカネを流す結果、景気は悪化しているのに、市場にカネを供給することになり、スタフグレーションの危険がある。

29日の民放のテレビ番組で「スタグフレーション」を心配する意見がコメンテーターの間で出てきた。景気が悪いのに量的緩和で市場におカネを供給し続けると「不景気なのにインフレ」になる危険があるのだ。

新型コロナウィルス感染拡大は人とモノの動きを規制され震源となった中国の「世界の工場」のサプライチェーンが破たんし、日本国内生産にも支障をきたすし、中国人観光客の激減は観光地、ショッピングに大きな影響を与え、日本人の観光客も減っているらしい。施設によっては経営破たんをきたしている。

更に、感染拡大を防止するための、海外渡航の自粛、イベントの中止、週末の外出時自粛要請は消費をさらに減らす結果になる。

政府は、対策本部を立ち上げ、緊急経済対策を指示、中小・小規模事業者への支援、収入減少家庭には生活給付金を支給する。その他大胆な需要喚起策を講じるという。

一方、各国中央銀行は量的緩和、FRBは無制限の緩和、日銀はETF買い入れなどで市場にカネを供給する。

新型コロナウィルスのために消費は落ち、景気は悪化、他方で市場にはカネが供給される。「不況下のインフレ」スタグフレーションが発生してもおかしくはない状況だ。

日本の物価上昇率は2月分で0.6%、3月はまだ出ていない。どうなるか。今まで市場に供給したカネはどうなっているのか。アベノミクスも完全に破たんではないか。

FRBのパウエル議長は「今までの景気後退とは違う」、「経済の根本は悪くない。新型コロナウィルス感染が収束すれば景気は回復する」と言う。

でもそれまでは景気下支えのために無制限の量的緩和、ゼロ金利政策を続け、「今年後半には景気は回復に向かう」と見ている。

原油価格も生産国での調整がつかず、増産で原油安だ。物価が上がる気配がいつ出てくるのか。

願わくはスタグフレーションではなくV字回復を願っている。そのためには国民一人一人が感染拡大の阻止に貢献できる行動をとることだ。


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