2020年3月7日土曜日

新型コロナウィルス肺炎(14):感染拡大防止で一番大事なのは安倍総理への「信頼」だが、そこが欠けている


習主席の訪日計画があったために中国本土からの入国制限が送れ、ダイヤモンドプリンスでの拡散防止で初動ミスも重なり国民の健康、安全を害する重大事態に至っている。

習主席の訪日中止が決まった途端に安倍総理は「積極果敢に対応措置」すると言い出したが、遅きに失する感じだ。

こういう一大事のときは、対応の最終責任者である安倍総理への国民の信頼が大事だが、そこに無理があり次々に打ち出す対策に政権の身内はもちろん、国民の各方面からも文句たらたらだ。

安倍総理の対応の中途半端さが目立ったのは、「習主席の4月訪日計画」があったことだろう。中国との関係は経済面、安全保障面で重大は時期だったために中国の機嫌を損ねないことに最大の注意を払ったのだ。

自民党内の保守派には「今何故、習主席の国賓待遇での訪日か」という声は上がっていた。安倍総理にしてみれば招待した側なので習主席のほうから中止を提案されない限り格好がつかないのだ。不本意ながら」粛々と準備を進める」といわざるを得なかった。

ところがここに来て、習主席訪日が中止になった直後から安倍総理の「積極果敢に対応」すると言い出し、中韓からの入国に制限を強化した。

テレビの情報番組では国民は検査をしたがっているが、医師からの要請でも検査をやってくれないという。それに答えて保険の適用をすると言い出した。これで要望する国民は皆検査を受けられると誤解した。よく調べると内実は今までと同じようだ。政府は「やっている振り」をしているだけなのだ。

ダイヤモンドプリンスからの下船決定。14日間の隔離後の検査で「陰性」が出れば下船させる措置に出た。WHOの基準に従ったのだろう。疫学的調査結果というよりも政治判断に重きを置かれた。「何時までダラダラしているんだ」という国内、海外からの批判もあったのだろう。

ところが、下船した人から陽性が見つかり、チャーター機で本国に帰り隔離しされていたひとから「陽性」が出た。

今、アメリカでもクルーズ船の姉妹船で新型コロナウィルス感染者が見つかりCDCが対応に追われているという。今後、日本との違いがどこにあるのかはっきりするだろう。

そして安部総理が発した「小中高一斉休校」要請だ。北海道や海外では先行していた「クラスター」対策の一環だ。ところがこの決定は一部の側近で検討され官邸や自民党、文科省、更には専門家会議にも諮られなかった唐突な対策は各方面に多くの問題を起こした。

やっと記者会見で一斉休校、自粛策について安倍総理が記者会見することになっていたが、夕方で約30分、質問は幹事会社など4社であらかじめ質問内容を提出させていたようだ。

「まだ質問があります」という声を振り切って会見場を後にし、帰宅したという。

言うだけのことを言って質問が受けたくなかったのだ。そうだろう十分に検討されず、質問されても安倍総理自身は答えられないのだから逃げの一手だ。

対策本部や審議会など安倍政権は政策を検討する民間委員からなる組織の提言を尊重していたが、何故この件では独断になったのか。「検討する暇も無かった」というほど急いだ原因はなんだったのか。「後手後手批判」が頭にあったのではないか。「主導的立場」を取り戻そうとしたのだろうが、逆効果になってしまった。

中国を起源とする新型コロナウィルスだが、習主席も「国難」「公共衛生で一大事」といいながらなかなか姿を見せなかった。北京の病院などを訪問した映像が流れたが、「武漢に行け」と批判される始末だ。

これで習主席一強独裁政権も求心力を失い、中国経済の混乱もあって習政権は崩壊をたどるのか。

安倍総理も同じ運命ではないか。国が一大事のときは総理が前に出て国民に訴える姿勢が必要だし、信頼を得ることも必要だが、残念ながら安倍総理は政治の私物化で国民の信頼を失っている。

こんな安倍総理が緊急事態対応に向けた法整備を進めようとしているが、このような政権に権限を集中することは危険だ。恣意的運用を厳禁し、国会がチェックする故脳を確保して初めて国民の信頼を得、対応できるのではないか。

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