2020年3月5日木曜日

黒田日銀総裁の異例の談話:金融市場安定のため「躊躇なく追加緩和」に出たか


日銀の金融政策決定会合後の記者会見では「現状維持」「万一の時は躊躇なく追加緩和」が口癖で欧米の中央銀行の様子見で市場の期待に応えていたが、本当にやれるのか、手があるのかと疑問に思っていた。

ところが今回の新型コロナウィルス感染拡大で金融市場は不安定に、ここに来て円高、株安で異例(?)となる日銀総裁談話を発表した。

リーマンショック、大震災、英EU離脱に続き3度目の談話と言うことで注目されたが、「贅沢な資金供給」と「金融市場の安定確保」のため金融市場の調整や資産の買い入れを実施したという。

国債は一時期限付きで5000億円買い入れ、ETF買い入れは700億円から1014億円に買い入れを最大にした。

それにこたえるように市場は円高、円安、株価も下落、上昇を繰り返し今は、為替は107円台、株価は21100円台だ。新型コロナウィルスで新しいニュースが入ってくるたびに上下動を繰り返し不安定は状況だ。

G7共同声明では効果的な財政政策を取り、FRBは1%へ緊急利下げしたが、今後の動向次第では追加緩和を臭わせる。

それでも利下げで中国のサプライチェーンを修復したり、新型コロナウィルスを抑え込むことができないと冷めた目で見られる。

貿易摩擦、財政危機や需要減などでの景気後退には金融政策も対応できるだろうが、新型コロナウィルスによる関係国の経済後退はちょっと様子が違う。

新型コロナウィルスで感染者、死亡者数の拡大は中国をはじめ経済活動に主要な役割を持つ国、都市の経済活動を混乱させ、それが世界各国に影響する。感染拡大の終息があって初めて、経済活動が元に戻るのだ。

サプライチェーンが寸断されれば日本では自動車、電子機器などが生産に支障を来す。工場を止める事態にも発展している。

さらに、製造業ばかりでなく、観光、イベント、ショッピングの分野でも中国の観光客、買い物客に依存する率が高くなっている。中国の観光客に特化した老舗旅館の倒産、旅行会社、デパートなども大きな影響を受けていることにおどろく。

これを機会に中国依存の日本経済を見直すべきではないか。製造業の国内回帰、本来の日本観光の在り方、価格の安さで成り立つ経済の見直し、いいチャンスのような気がする。9割の企業がすでに影響が出ているか、今後影響が出るという。ある人が言っていたが「中国人は自分の事しか考えない」と。

特に日本は新型コロナウィルスによる影響は大きい。日本経済を戻すにはまず新型コロナウィルスの抑え込みだ。感染者数のピークは何時か、ピークをなだらかにできるか。小中高一斉休校の成果はどうか、イベントなどの自粛はどうか。

処で日銀にどんな手が残されているのか。マイナス金利は0.1%、これを0.3%に深堀する手があるらしい。でも市中銀行が余っている金を日銀に預けるときに金利がかかるのだ。マイナス金利の効果がよくわかっていない。円高になったり円安になったりするらしい。それに銀行経営に悪影響が出ている。

ゼロ金利政策も長い。金は余っているが投資に向かっていないらしい。誰かが言っていたが、企業は金持ちで自己資金で投資はできる、借金など必要ないというのだ。むしろ借金したい企業は銀行が金を貸したくない企業らしい。

また、為替も問題が出てきた。今までは何か世界で問題が起きると円は「安全資産」として買われ円高になっていたが、今回は新型コロナウィルスでは日本が弱い経済体質であることがわかり「日本売り」いわゆる円安の傾向が出てきたらしい。

経済学では経済力のある国の為替は高くなる。円高になるのだが弱いと円安になると教えられた。これからは円安傾向が続くのか。

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