2019年4月6日土曜日

特捜部のゴーン被告再逮捕の本音:「オマーンルート」の解明と「保釈条件」の確認では


専門家で二分する4日早朝の地検特捜部によるゴーン被告の再逮捕だが、その本質はゴーン被告の「典型的な経営者不正」の本丸であるオマーンルートによるマネーロンダリング、私的流用の解明と「保釈条件」に適合しているかどうかを確認するためではなかったか。

弁護人は「一連の容疑なのだから在宅起訴で身柄拘束の必要はない」と反論し地裁に即時準抗告したという。地裁がどう判断を下すか。

ゴーン被告は「あくまで無実、会社のため」と繰り返し主張する。

しかし、このオマーンルートはマネーロンダリング、私的流用で日産に実損を与えた案件として一連の疑惑で本質に迫るものであり、身柄を拘束してでもつめる必要があるのだ。さらに米国の司法も捜査に協力、検察官を米国に派遣している。

それにゴーン被告の生活で「保釈条件」にあっているかどうかの確認も必要なのだ。テレビが終日ゴーン被告の姿を捉え、携帯電話を使って歩く姿、弁護士事務所ではネットもやっているし、公判準備を進めているという。

さらには家族との同居だから本人が関係者と接触できなくても家族が電話や渡航で関係者と口裏あわせをやっていく危険はある。

その状況を確認するために奥さんの携帯電話、パスポート、日記などを押収するのは当然だ。もし違反が見つかれば保釈を取り消しすべきだ。

又、自宅で公判準備にPCを使って書類を作成していたが、それも押収されたことで弁護人は「防御権侵害で弁護権の侵害」と主張するがそれはチョッと違うのではないか。公判準備で資料を作成するのであれば弁護士事務所でやれば良いだけの話ではないか。自宅であれば何かのときに押収される危険があることぐらいは知っておくべきだ。

又、逮捕を知ってゴーン容疑者が無実を主張するビデオを作製していたという。弁護人は機会を見て公開するらしい。検察は嫌がるだろうがメデイアは面白がって協力するのではないか。

今まで「推定無罪」を主張していたフランスのルノーもゴーン被告のルノーでの不正行為が見つかり検察に通報したというし、取締役も解任するという。日産と同じ動きになってきた。

ゴーン被告はただ一人のフランス国民になった。だからかどうか知らないが、フランス政府に「助けて」のメッセージを送ったそうだが、海外で起こした犯罪については海外の法で処罰されるべきでテロや誘拐された事案とは違う。日本の司法だって「人質司法」といわれているが裁判所が人権を守っている。

ゴーン被告の主張は、「自分が勝手にやったわけではない。資金の出所はCEOリザーブで認められているし、取締役会でもだれも反対しなかった。そのつど弁護士に相談しOKを確認している。だから私一人でやったことではない。日産内外で誰かが私を陥れようとしているのだ」と。だから「無実」を主張できるのだ。

弁護人はこれだけ複雑な疑惑事件だ。どこかに検察の無理があるはず。その点を追求していくとほころびが見えてくると見ているのだろう。

検察も危険な人脈を背景にするゴーン被告の犯罪だ。中東、オマーンが関連しているとなると立証のハードルも高い。でもこれほどの事案だ。見逃すわけにはいかない。見逃せばこれから増える外国人経営者に日本を甘く見られることになる。ゴーン被告の犯罪は「典型的な経営者不正」で許されるものではない。

 

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