2019年4月28日日曜日

「京大変人講座」は一番役立つ講座(3):皆と同じことをやっていては存在価値がない、「ナマコ理論」で


皆と同じことをやっていては存在価値がない。酒井先生曰「ナマコ理論」で行くしかない。自ら変人と言われこの「京大変人講座」を開講した地球物理学者の酒井先生は、本講座で「ぼちぼちが一番いい」「未来などわかろうはずがない」「なるようになるんだ」と最強の生存戦略を説いた。

そして先生が「上等変人」とした数学者の森先生の「軽やかに生きる金言」を紹介している。

それによると、「20年先のことはわからない。体の物質は入れ替わっている。だから20年先は赤の他人だ」という。今はパットしないけれど20年先は別人のように変わっている可能性があるというのか。でも細胞にはDNAがあり、生まれたときからに遺伝子情報を伝えている。だから赤の他人とは言えないがそれを言うのが森先生の「変人」振りか。

他にも「一番気楽で一番安全なのはビリから2番目という。でも前の人が脱落していくと自分が一番前になる。その時は覚悟するんだな」ともいう。森先生は世界でもトップクラスの数学者だ。「心ならずもトップになったと覚悟していたのか」。偉い学者のいうことは謙遜もあるだろうが凡人にはまねができない。

その講座の終わりに「これからも京大は変人製造所として」世界を変えていくという。

変人であることは厳しいこともあるが、そのためには「人と同じことをやっているようではつまらない」のだ。

今は、みんなと仲良く足並みをそろえて、皆で想定する結果を出すという価値観が大きくなっていると指摘する。

先生はコンプライアンスやリスクマネージメントなど叫ぶ価値観に真っ向から異を唱える本だという。でも今批判されている自動車産業の検査不正や建設会社の施工不良、日産に見る経営者不正などを認めたわけではないだろう。

変人という存在は大切なのを「ナマコ理論」で説明する。

それによると、10人の農家があって自分たちで10人分の米を作っていたが、作業効率が上がり5人で10人分の米を作ることが出来るようになるとコメが余ってくる。そこで3人あるいは5人が海に出て漁師になりナマコを取って農家に高く売ればいい。それで米を買うこともできるというのだ。

米つくりの多数派に対してナマコをとる漁師は少数派だ。先生は「あえてナマコを取りに行くリスクを取りたい」という。

私はナマコが大好きだが、あのグロテスクなかっこうしたナマコを最初に食べようとしたのは誰だ。食中毒を起こしたり死んだりするリスクをとって食材としての地位を獲得した。フグだってそうだろう。そういうリスクを取りながら道を開いていくのは変人なのだ。凡人は危険でできない。ビリから2番目が安全なのだ。

今、「人任せ」「無関心」が広がっている。「権威者」「専門家」に任せておけば安心だというのか。

ところが専門家のやることはおかしい。「教科書を疑え」「専門家や権威者の言うことを信じるな」とはノーベル賞受賞者の口癖ではないか。周りの研究者には変人扱いされながらも強い意志をもって研究を続け定説を覆したり貴重な研究結果を世に問う研究者が多い。

凡人の世界でも「専門家任せ」で無関心な例がある。私はマンションの理事会の仕事をやっていたが、管理会社に任せっきりだった。マンション管理の適正化がうたわれているので改善を提案するとほかの理事連中は「そんなことまでしなくても」と思うのだろう。「管理会社に任せているからいいんだ」と思うのだろう。

改善提案すると反対したり、無言だ。総会で提案すると「○○(管理会社)のどこが悪いんですか」という。正論を言っても「変人扱い」なのだ。専門家、専門会社に弱い。

理解されないことに頭にくるが、今も異常を見つけてマンションの設計施工の問題点を洗い出している。大変だが自分の資産を守るためだ。

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