2019年4月18日木曜日

何故、米国、中国、ロシアは弱小国・北の金委員長に振り回されるのか


何故、トランプ大統領、習主席、プーチン大統領ら大国の指導者が弱小国家・北朝鮮の金委員長に振り回されなければならないのか。思い通りにいかなければ核やミサイルで脅すありさまに国家間の正当な交渉などできるはずがない。

こういった状況は先の米朝会談の物別れから始まる。制裁解除を急ぐ必要が金委員長にはあったのだ。

一方、米トランプ大刀路湯を逆なですることもやる。18日は金委員長は「新型戦略誘導兵器」の発射実験に立ち合い成果を誇張した。短距離ミサイルの可能性があるという。軍部の要求にもこたえなければならない。16日は航空部隊の訓練を視察したという。

金委員長の視察には軍や党の幹部が付き添う。いつもの顔が見られなくなると失脚したのかと関連メデイアは解説する。

メデイアの報道は金委員長がアメリカや中国、ロシアと経済支援で汗をかいていることを北朝鮮の国民に知らしめることになるだろうし、中国、ロシアにしてみれば北とアメリカの間隙にくさびを打って朝鮮半島の平和と安全に主導権を取りたいのか。

金委員長が中国、ロシアに望むのは経済制裁解除だろう。早急な制裁解除と経済支援で国内経済を活性化させたいのだ。2国ともに国連安保理常任理事国だ。安保理制裁の解除に口出しすることを望んでいる。

アメリカのように核、ミサイルの廃棄などを条件に出さないだろう。

先のハノイでの会談の失敗はお互いに譲歩するだろうと期待していたのだ。会談前の2人の言動がメデイアで報道されるたびにそれはわかったが、実務者会議で溝が埋まらないままに首脳会談に出てうまくいくと思ったのか。特にトランプ大統領はロシア疑惑、来る大統領選で足元を見られていた。

一方のトランプ大統領は金委員長をどう見ていたのか。北は核実験施設の破棄など相当な内容を提案し経済制裁の解除を要求するものと思い込んでいた。

ところが経済制裁解除も寧辺施設の破棄がすべてで完全解除を要求した。すべての核施設、ミサイルの廃棄と保有ミサイルなどの米国移送を要求されては話が違うことになる。

トランプ大統領が席を立ったのも当然だ。金委員長が甘く考えていたのだ。

北だけでは経済制裁解除を要求することは難しいと判断し、習主席さらにはプーチン大統領に助けを求めたのだろう。プーチン大統領とはウラジオストックで会談するという。
ハノイ行きのようなイベント、政治ショーはないだろう。そこまで北の国民に訴えることはない。

こういった動きに米国側も警戒するだろう。米朝会談もアメリカvs中国、ロシアの構図になってくる。これに米側に日本がつき韓国はどう出るか。文大統領の北寄りの言動はアメリカから顰蹙を買った。6者会談を無視できない。

北は体制を強化して交渉に当たるという。日本のメデイアは詳細に交渉前の解説記事まで報道する。それがすべて北に流れ、北は世界の情報を集め次は何をしようかと作戦を練る。

この辺でミサイルを飛ばし、けん制し米国の言動を確認する。それでもトランプ大統領が「金委員長とはいい関係」と言えば有頂天になり判断を誤る。

交渉事には駆け引きは大事だがトランプ大統領vs金委員長を見ていると素人臭くないか。トランプ大統領は外交交渉に疎いという評価もあったが、その通りだ。


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