2019年4月13日土曜日

G20を考える:トランプ大統領再選(?)後の米中貿易交渉の行方次第か


初めて議長国となったG20財務相・中央銀行総裁会議は、「世界経済の成長は昨年後半減速したが本年末に取り戻す」というIMFの見解を踏襲し各国も同意したという。

問題は米中貿易交渉の行方によるが、知的財産などそう簡単に解決するものではない。トランプ大統領が海外で何と言われていようがアメリカ国民が決めることでおそらく再選されるだろう。夏から秋にかけて一応の格好はつけるだろうが、再選から米中貿易交渉が仕切り直しということになると麻生財務相はみている。

正しい見方かもしれない。今、民主党、共和党ともにトランプさんに代わる候補者が名を連ねているが何しろ大きな失点がない限り再選だろう。大いに気になっていたロシア疑惑も曖昧な報告に終わった。後は4年前に支持してくれた「疎外されていると感じた国民」がどう行動するかだ。

トランプ大統領が主張する経常収支不均衡の是正も保護主義の背後にある問題だ。対中、対日貿易赤字の削減が課題になるが、自由貿易推進で解決すべきでトランプ大統領が主張する二国間交渉ではなく、多国間交渉に持っていきたいところだろう。

自由貿易推進を訴えると米中貿易摩擦も長期化する恐れがあるがG20がどう結束できるか。

欧州経済の下降リスク、英国のEU離脱、デジタル課税、さらにはアジア、アフリカにおける中国の開発支援だ。

債務問題でとん挫する計画も出てきているらしいが中国はギリシャの非共産圏にも切り込む、最近はイタリアが中国と「一帯一路」で契約しG7にも切り込んできた。フランスのマクロン大統領は警戒感をあらわにした。

共産圏は勿論のこと非共産圏、先進国でも財政危機にある国に対して支援の手を伸ばしアメリカと主導権争いの様相だ。

先進国が結束しなければならない時だが、再選された(?)後、トランプ大統領とどううまく付き合っていけるか。そこで大阪でのG20首脳会談の議長は安倍総理だ。

今まで築いた友好関係、さらには来日に当たって新天皇と最初に会見できるお膳立て、新聞報道では大相撲での祝杯授与も考えられているようだ。

こうしたことの積み重ねでトランプ大統領が保護主義のトーンを落とし多国間交渉に足を踏み入れるか。成否はここにある。

しかし安倍総理の国内での立場も怪しくなってきた。閣僚の更迭、統一地方選での麻生さんの求心力低下、幹事長の二階さんの足元も危なっかしくなってきた。安倍政権を支える2人の求心力低下は厳しい。永田町では参院選まで持つかと噂されているらしい。こういったニュースはすでに参加国の首脳には届いているはずだ。

安倍総理がどこまでリーダーシップを発揮できるか。


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