2019年4月9日火曜日

統一地方選(前半):結果をどう考えるか、政策、政党派閥、人物か


統一地方選の前半が終わった。新聞報道などで結果を知ったがどう考えるか。政策や政党派閥ではなく身近な選挙となると人物本位だったのか。

「何かがちょっとぐらいは変わるかな」と淡い期待は寄せていたがやっぱるだめだった。なかなか燃えない選挙だった。

投票率は低調だ。40~45%で前回より低くなった。無投票が41道府県で4割になり自民党議員が7割になるらしい。森元総理が「寝ていてほしい」と言って顰蹙を買ったことがある。燃えない選挙だったから皆、投票に行かなかったのか。

野党の不甲斐なさが目立つ。政令指定都市市議選では各政党の支持率は世論調査と似ている。自民党の議席は32%、立憲民主は9.7%、国民は3.2%だ。ただ公明党や共産党はさすがに地盤が強い。一方県議選は圧倒的に自民が強く50%だ。

自民党の主導権争い、分裂は安倍長期政権の弊害か。何年にもわたって安定するなど考えられない。代表的なのは福岡県知事選だろう。現役を推した二階さんや国会議員が麻生さんの推した新人候補を大きく引き離し麻生さんの求心力の低下が言われている。あの塚田さんの「忖度発言」が大きく影響したことは確かだが、その塚田発言も実態に沿った内容だったようだ。でも今、忖度発言することは不利だとはわからなかったのか。

麻生さんの力の低下は消費税増税にも影響するという。安倍政権は増税先送りのハードルが低くなるとみているのか。

大阪W選はいずれも維新の会が圧勝したが、大阪都構想は地域の政策か。市長と府知事が入れ替わっただけで都構想が進むかどうかは知らないが、自治体の体制を変更することは容易にはできない。区の変更は今までの議員の生き残りもかかっているので維新の会が自民に勝ったとしても抵抗は大きいか。知名度も大きく影響したのではないか。

しかし、開票開始と同時に維新の会の優勢が決まった「20時当確」も不思議に思う。

北海道知事選は保守対野党の構図になったが鈴木さんは夕張市長を歴任、過疎地、財政破綻対策で全国的に有名になった。一方の石川さんは野党統一候補だったが、小沢さんの秘書から衆議院議員になり政治資金規正法か何かで辞職した経緯がある。今回も小沢さんの影がちらついたのか。知名度と消去法で鈴木さんに決まったか。菅さんとの関係で中央に太いパイプがあると誇張していたが有利に働いたか。

それにしても野党は不甲斐ない。岡田さんが目指す旧民主党への結集も厳しい。これで参院選をどう戦うのか。立憲はリベラル(?)としてそれなりの存在感を持っているが、国民民主は保守系(?)として存在感が乏しいか。下手をすると自民党に抱き込まれる。

小沢さんの自由党との合流を玉木さんが画策していたが、党内の小沢アレルギーが強い。なかなか進まない合流に小沢さんは熱も冷めたのか。本音は選挙に当たって国民民主が持っている政党交付金に興味があっただけなのではないか。

そして、有権者に訴える政策は何だったのか。

地域の有権者は「雇用」「地域の活性化」などが大きな関心事で、世論調査での要望する政策ではトップに位置する。政府は就業率の向上、失業の改善、総所得の改善を主張し、働き方改革も効果が出るというが政府の言う「雇用」と国民の望む「雇用」に何かギャップがあるのではないか。

「地域の活性化」は都市と地方の格差、特に被災地では深刻な問題だ。東北地方も復興事業は進むが、人が戻ってこないという。しかし考えれば本質的には人口減少地域であって復興には注意が必要と専門家は指摘していた。

政治に対して意見を言うことができる選挙ではあるが、投票率の低下は問題だ。

国政選挙ではないので政策も比較できず関心が薄まり投票所が遠のくのだろうが、森さんが言うように「寝ていてはまずい」。「安倍一強」を支えているのは地方だという。市会議員に自民党支持が増えると、県会議員の選挙も自民党が優位になり、国政選挙では自民党のために市会議員、県会議員が動くということだ。

立憲民主や国民民主がどのように地方組織を立て直していくか。あの「政権交代してみませんか」の状況を作り出すのは並大抵のことではない。

むしろ自民党など保守政党の中にあってリベラル色の強い議員を育てていく方が楽か。社会党など革新政党もあったが、自民党内でもリベラル系がいて党内でのバランスを取って、党内政権交代しながら自民党長期政権が続いた。

自民党も安倍一強政権では何時か崩壊する。ポスト安倍を育てて長期政権を築いていった方がいいのではないか。野党が立ち直るにはチョッと無理な気がするのd。

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