2020年10月13日火曜日

今日の新聞を読んで(403):最高裁判事候補バレット氏いわく「政策決定  裁判所がすべきでない」と

 

今、アメリカでトランプ大統領が死去した最高裁判事の後任に保守派のバレットさんを指名したことが話題になっている。政策を二分するような問題に判断を下す最高裁が保守化するのではないかと心配されているが、そのバレットさんが懸念を払しょくするために発言したのだ。 

新聞報道によると、「政策決定と政府の価値判断は投票で選ばれた政府機関がすべきである」「裁判所に期待すべきではない」「裁判官は望むような法律を適用するのではなく、書かれたとおりに適用しなければならない」というのだ。保守派だろうがリベラル派だろうが当然の考え方ではないか。 

それを歪曲しようとしているのはトランプ大統領自身ではないか。 

その主要な点は、今回の大統領選だ。郵送による投票も行われるが郵送では民主党候補のバイデンさんに有利で、さらに不正も考えられので投票結果によっては最高裁まで争うとトランプ大統領は言う。そのためには保守派のパレットさんが大統領選の結果が出る前に最高裁判事に就任していることが必要なのだ。 

今、最高裁は9人中保守派が多数を占めパレットさんが就任すると6人になる。圧倒的のトランプ大統領に有利に働くと期待しているのだ。 

万一、大統領選の結果が出るのが遅れれば世界は大混乱だ。以前メデイアはバイデンさんが敗北を認めない限りトランプ大統領はホワイトハウスから出ないだろうと報じたことがある。 

バレットさんはそういう事態を払しょくするために公聴会を前にコメントしたのだ。

しかし実際には最高裁ではオバマケアの存続をめぐる裁判も争われている。また女性の妊娠中絶を選ぶ権利を認める判決に反対グループが撤回されることを望んでいるともいわれる。 

日本でも同じようなことがある。 

日本の最高裁は政府の政策の是非判断を回避する傾向がある。法律の違憲審査権を持っているが提訴者側に立っていない。 

政権が政策実行に有利に考え方の同じ専門家を送り込むことは日常茶飯事だ。例えば異次元の金融政策を実行するために安倍政権は日銀の総裁を更迭したり、政策委員にリフレ派委員を送り込んでいる。 

パレットさんの発言は我々日本にも言えることだ。

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