2020年10月6日火曜日

政治家の都合のいい常套句「前例の踏襲」の是非を問う

前例を守る、従来からの法解釈を守ることは政治を担う政権にとっては重要であり、変更する場合は国民にきちんと説明するのが民主政治の基本であると思うが、往々にして政治家は都合の悪いときは「前例を踏襲していいのか」と問いかけ、都合の良いときは「前例を踏襲する」を常套句としている。

今回の日本学術会議の新メンバー任命に当たって日本学術会議が推薦した105人のうち6人を政府は任命しなかったことに関連し菅総理は「前例と踏襲していいのか」と発言し日本学術会議の会員は公務員であること、年間10億円の予算を支出していることなどを挙げ「総合的、俯瞰的な活動を確保する観点」から6人の任命拒否を判断したという。

さらに記者が6人の拒否の理由を追及すると「個別の問題にはコメントしない」と逃げた。これもよく使う常套句だ。

勿論そんなことが理由になるとは誰も考えていない。思い当たるのは公聴会などで政府と見解を異にする発言をした事で「政府には向かうものは遠ざける」が本音ではないかと思っている。菅総理の本性を現した結果だ。

モリカケ問題はどうか。政府はさらなる調査はしないと「前例踏襲」だが、国民は「前例踏襲でいいのか」の問うているのだ。

「桜を見る会」の疑惑はどうか。安倍政権までは誰を招待するかは前例に従うとともに招待客の大幅な増加をきたした。その多くが安倍夫妻の意向が働いていた。この「前例を踏襲」することはまずいと思ったのか来年は「中止」を決めた。

どんな前例に従っているのか、どんな前例を悪いと思っているのか。その都度しっかり説明すべきではないのか。こんなことをやっていては菅政権も短命だ。




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