2020年10月15日木曜日

菅内閣の仕事の突破口?:日本学術会議任命拒否から会議の見直しの動き

 菅総理が日本学術会議の新会員任命で6人を拒否した問題が日本学術会議の見直しの動きに発展した。「仕事がしたい」「成果を出したい」「国民のために働く」、菅総理のことあるごとの口癖だったが、最近の動きを見ると国民の多くは「働いてほしくない」と思っているのではないか。

国民の望む政策は第一に「新型コロナ対策」だ。そして経済社会活動再生だ。しかし聞こえてくるのは河野さんが言う「行政改革」、菅総理のいう「デジタル化」「携帯電話利用料金の値下げ」だ。

外交面では各国首脳と電話会談したという。トランプ大統領とは「いつでも電話してこい」と言われた」と喜んでいたが、ボルトンさんの回顧録を読むとトランプ大統領は補佐官、閣僚、海外の要人と頻繁に電話会談していることがわかる。菅さんもその対象の一人というだけだ。

国内にあっては、菅さんの強みは権力の集中、権勢を思うがままに振るえることではないか。内閣人事局制度を悪用し人心を掌握している。「政策に反対する者は遠ざける」とまで言い出した。安倍政権での官房長官としての立場を悪用しようとしているのだ。

その背後には杉田官房副長官の存在はわかってきた。警察庁出身で官僚の最高位につき、菅政権を守るためにあらゆる面に目を光らせているという。

それが表に出たのが、今回の日本学術会議の新メンバーのうち6人を任命拒否したのだ。その6人は公聴会などで政府の政策に反対意見を述べていたという。菅総理は任命権者だが質問の中で「推薦人の名簿は見ていない」と言い出し、「それでは日本学術会議法違反ではないか」とたたかれだした。責任回避で編み出した答弁が藪蛇になった。

では「誰が決めたのか」ということになり杉田氏が出てきた。今後国会で追及されるだろうが菅さんは「説明責任」が果たせるか。

「本当の仕事ができるか」、答弁能力が問われるという。

しかし驚いたことにこの問題が日本学術会議の見直しに発展し、自民党は早々とPTを設置し検討に入る」という。不思議と早い対応にも驚く。国会議員に痛みのない問題は早いのだ。

朝日新聞だったと思うが、政治家は「日本の未来像」を示せという。菅政権の任期はたったの1年だがどんな構想を持っているのか。

デジタル化、行政改革、携帯電話値下げだけではわからない。赤字財政、財政再建、少子高齢化、社会保障制度維持、雇用対策、災害対策、災害復興などきりがない。まず東京オリンピックはどうなるのか。日本は意外に感染者数も低く抑えられているが、アメリカは最悪の状況だし欧州は再感染の危機だ。

外交で問題になるのは対中国だ。習主席の訪日、中国公船による尖閣諸島領海侵犯は一時鳴りを潜めていたが再開された。日本には二階幹事長をはじめ親中派が力を持っている。習主席の訪日中止などできないのだ。

そして菅総理は法大出身ということだが、田中優子法大総長が日本学術会議の件で異例の所見を新聞で発表していた。確か「法大出身者として民主政治を守れ」という意味だったと思うが、法大で初めての総理でありながらあまり歓迎されていない。安倍さんだって大学の恩師が批判的発言をしていた。

2人ともに一国の総理としては、その資質に欠けるのだ。

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2020.10.8掲載

政治家に代わって「日本の未来像」を示そうと思ったが・・・

yamotojapan.blogspot .com/2020/10/blog-post_55.html




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