2020年10月9日金曜日

今年のノーベル物理学、化学賞:日本の研究者が共同受賞しても可笑しくない業績?

 今年の日本人のノーベル賞受賞はなかったようだが、物理学のブラックホール研究と化学のゲノム編集では日本の研究者が研究の端緒になっていることがわかり受賞を逃したことは残念だ。

単独受賞は無理でも共同受賞ぐらいの価値はあったと思うと残念だ。ノーベル賞受賞には各国の研究者が推薦するようになっていると聞いたことがあるが、日本の研究者の推薦がなかったのか。

化学の受賞テーマはゲノム編集技術「クリスパー・キャス9」は中田大阪大名誉教授と石野九州大教授が34年前に大腸菌の遺伝子配列の解明過程で一定間隔で規則的に繰り返す不思議な配列」を見つけたのがその源流と言われている。

この配列が「クリスパー・キャス9」開発の元になったそうだが、中田さんらの発表した論文では主要なテーマではなかったために最後に「生物学的な意味は分からない」と報告したそうだ。

別の論文でもいいからそこをもっと追及していれば大きな発見になったのだ。33年前の話だが残念だ。

一方、物理学賞では「ブラックホール」の研究が受賞テーマだ。55年前にロジャー・ペンローズオックスフォード大教授がアインシュタインの一般相対性理論からブラックホールの存在を数学的に解明、その存在を同時受賞した2人の研究者が1990年代、地球が存在する天の川銀河の中心に極めて重い巨大なブラックホールがあることを示した。周辺の星が高速で回っていることを観測したのだ。

ところが、ブラックホールの存在は25年前の1995年に電波天文学の中井関西学院大教授らが遠く離れた銀河に超巨大なブラックホールがあることを見つけていたのだ。

中心に巨大なブラックホールが存在する銀河が遠くにあるか、近くにあるかで受賞が決まったのか。しかし最も残念な結果に終わった。

ブラックホールと言えば最近、日本の研究者らを中心にその映像を撮影し解析している。これも受賞に期待が持てる業績だといわれている。

最近、多くのノーベル賞受賞学者が、「このままでは日本はもう受賞はできない」と日本の研究体制に問題を提起している。そこに日本学術会議の新メンバー任命拒否の問題が出てきて、どうしたことか自民党から「日本学術会議の在り方」が問題提起され海外のメデイアが驚いている。

ノーベル賞受賞シーズンになると研究テーマ、候補者が新聞で解説される。待機組がかなりいるが、30年、50年という年数を経ての受賞だ。もっと早く評価してやれないものか。

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