2020年10月17日土曜日

東電・福島第一原発処理済汚染水海洋放出:もっと国民に納得のいくデータの提出を

 事故後11年、東電・福島第一原発事故による溜まりに溜まった放射能汚染水の処理が先送りされていたが、やっと海洋放出案が月内に閣議決定されることになり漁業関係者らが風評被害を心配し反対を表明した。反対したからと言ってこのまま放置できる問題ではない。

有識者会議でもいろんな案が検討されたらしいが、海洋投棄が一番安い方法であることは当初からわかっていたこと。しかも現在稼働中の原発からはトリチウムを含む汚染水が海洋投棄されていることを考えるとこれしか方法はないのだ。

やっぱり切羽詰まっても問題のある放射能汚染水に処理だ。当初はフランスから急きょ輸入した処理設備で処理しようとしたがうまく稼働せず、汚染水を保管するタンクからも漏えい事故が多発、その間にもデブリを冷却した汚染水の他に建屋に入る地下水も加わり汚染水は増加の一方だ。

建屋に浸入する地下水を防止するために建屋周囲に液体窒素による凍結壁を建設したが、どうなっているのか。ランニングコスト、費用対効果で異論が出ていたはずだ。

しかし、このままでは2022年に保管場所が限界になり廃炉作業にも影響しかねなくなったために政府が立ち上がった。今までうまくいかなかった原因には政府、東電に対する漁業関係者、国民の不信があったのではないか。

新聞報道では、月内に海洋投棄案を閣議決定するという。1日に140トンの汚染水が出て137万トンの限界に近づくのだ。汚染水はALPSで処理しトリチウム濃度を基準値の1/40にし30年かけて放出、規制委員会の審査や工事期間があり2年後の実施予定と言う。

しかしこれでは納得がいかないだろう。

(1)トリチウム放出基準値、希釈後の基準値はいくらか。何故、又ALPSで処理しなければならないのか。

(2)放出濃度もさることながら放出総量はいくらになるのか。30年間で何トン、一日の放出量は何トンか。

(3)そしてその放出スピードは何トンか。

(4)放出口の位置、海洋投棄したときのシミュレーション、トリチウムの挙動はどうなのか。以前東京湾のセシウム濃度が上がったというニュースが流れ、原因は福島第一原発ではないかと言われたことがある。

(5)そして監視体制だ。IAEA、漁業関係者、政府、東電の体制がどうなっているかだ。

漁業関係者も反対ばかり言ってはいられない状況になっている。東電、政府もしっかり信頼関係を保つことだ。


0 件のコメント: