2020年10月8日木曜日

政治家に代わって「日本の未来像」を示そうと思ったが・・・

 

政治家は「日本の未来像」を示せるか。国民をどう導いて行こうとしているのか。経済が上向いたと思ったら リーマンショック、次いで東北地方太平洋沖地震・津波、そして福島第一原発事故は「東北の復興なくして日本の復興なし」と言わしめたほど、そして今、新型コロナウィルスの世界的感染拡大で経済は下降、「感染拡大防止」と「社会経済活動」との両立というが感染拡大の危険がある。 

未来を考える時、経済指標、目標達成の可能性を見るが、今回はその前に「負の遺産」をゼロにもっていくことが先決でそれができなければ未来などない。 

リーマンショックはアメリカ発の金融工学、グローバルゼーションでの危機があっという間に全世界に広がり今、グローバリゼーションの見直しが求められている。東北地方太平洋沖地震・津波災害からの復興は計画を進めるが肝心の人が戻ってこない。放射能汚染排水はたまる一方で排水の処理が急がれるが海洋投棄は漁民の反対で立ち往生している。 

そして新型コロナウィルス感染拡大では東京の感染者数の変動に一喜一憂している。感染拡大防止と社会経済再生は両立が難しいが政府はGOTOキャンペーンをはじめ経済再生に前のめりだ。一方でメデイアであまり話題にならないが実効再生産者数は1以上で収束どころか拡大に向かっているかもしれない。 

こういった「負の遺産」がどうなるかによって未来像も変わってくる。 

安倍政権では伝統的経済学では経済不況は打破できないと見たのか、非伝統的経済のリフレ派経済学を重用しアベノミクスを掲げたが「雇用が改善したのだからいいだろう」ということで終わった。 

経済指標はどうなっているのか。 

2%物価目標を2年で達成すると日銀総裁が宣言したが、いまだ達成できず寧ろ目標自体が間違っているのではないかと考えられる。賃金の上がらず、消費も伸びない。経済成長率も0.9%、潜在成長率が低い。

アベノミクスで日銀は国債を買い増すがマネタリーベース570兆円(2020.8)、国の借金は1000兆円を超え対GDP比230%と先進国中で一番悪い。 

安倍政権時、新しい3本の矢でGDP600兆円を目標にしたが、新型コロナで達成できていない。

その他、社会現象としては人口減少が続き12000万人から7000万人に減る予想だし、成長戦略、規制改革も時の政権が政策を掲げるがうまくいかないようだ。官僚も出せる政策は姿を変えて出し尽くした感じでこれから出てくる政策は質の悪い内容ではないか。 

未来像を示すには低成長、人口減少、少子高齢化、格差解消、富の再分配、大企業、富裕層への優遇税制の見直し、社会保障制度の維持、財政健全化、そして各種災害への対応などのキーワードの組み合わせだ。 

大きな課題としては財政問題をどうするか。 

景気が下降すると即、財政出動だ。しかし財政出動でも景気は良くならない。次から次に支出したため地方、国に合わせての借金は1000兆円を超し、対GDP比230%、先進国一悪い状況だ。IMFは日本に対して財政再建を勧告する。欧米諸国は赤字財政を対GDP3%以内に抑えるようにしているが日本は無理、いつまでこういう状況が許されるかだ。 

年々増加する社会保障費も維持費で120兆円かかるが保険収入は70兆円程度だから50兆円は赤字国債だ。 

安定した税収を確保するために消費税を段階的に10%までもっていったが、すべてを社会保障に充てるわけではない。

問題は大企業や富裕層向けの優遇税制の見直しだが、財界はさらなる減税を主張する。内部留保も相当な額までたまっている。麻生財務相がこれに課税しようとしたがうまくいかなかった。とにかく吐き出させることだ。 

そして富の再分配が問題になる。企業はなかなか儲けを従業員に再配分しようとしない。かなり前に日本は輸出で儲けるのではなく、国内需要を重視せよと海外から圧力が高まった時、前川レポート、そして福田内閣の時21世紀版前川レポートが報告されたが、うまくいかなかったことは儲けを再分配するシステムができていなかったというのだ。今も同じだ。

 景気上昇のために財政出動するが税収増の好ましい景気循環は望めないのだ。

社会現象も厳しい、人口減は12000万人から7000万人になるらしい。出生率を1.4から1.8に上げたが、すぐには効果は出ない。労働人口に加わるためには20年かかる。

しかし、人口減は市場の縮小、労働人口の減少、税収減、地方の過疎化を促進する。災害にあった被災地の復興が難しいのは過疎化だ。

賃金が上がらず、非正規労働者の増加は結婚し子育てをする環境ができていない。 

高齢化は地方に限らず都会でも独居老人、買い物難民、住居の老朽化、放置家屋などを増やし社会問題化している。 

災害対策も課題だ。日本海溝では東北地方太平洋沖地震では震源域の北と南の端に割れ残った地域があるし、アウターライズ地震の心配もある。関東大震災、首都直下地震、南海トラフ巨大地震、ソフトバンクの前の内陸型直下地震、富士山大噴火など過去の発生からは想像もできない被害をもたらすだろう。 

危険な東京を離れて地方への分散も考えなければならない。東京一極集中回避も検討されたが、いざとなると東京都が反対したらしい。しかし新型コロナウィルス対策でテレワークが試行されると適応可能な業種が出てきた。東京で事務所を構える必要はないし、長い時間かけての通勤も無駄なのだ。しかし、今回は新型コロナウィルスがあったので動きも出てきたがそう簡単ではない。

2050年の日本はどうか。

政治改革・・国会改革、議員数の大幅削減、

人口減・・労働人口の減少、少子高齢化

低成長・・今までの目標が間違っている

財政悪化・・消費税、大企業、富裕層への税制見直し

社会保障制度の維持・・医療制度の崩壊

格差解消・・富の再分配、税制の見直し

大都市集中・・地方分散は無理、都市は過剰、地方は過疎へ

災害対応・・予測、対応策は甘い、文明の発達は甚大な被害へ 

目指すは北欧の福祉国家、労働人口は少なくなるが企業の儲けを福祉に再分配するか。

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