2019年11月30日土曜日

中曽根康弘元首相の功罪:理論物理学者曰「原子力を危険な技術にした張本人」と


中曽根康弘元首相が101歳で亡くなった。土光臨調、小さな政府、国鉄民営化、日米関係の強化など功績は大きい。中でも原子力予算成立に中心的役割を果たし原発政策に深くかかわった。しかしこれが原子力事故に結びつくことになることを忘れてはならない。これを指摘しているのが理論物理学者の故武谷三男さんだ。

「原子力を危険な技術にした張本人」というのだ(「危ない科学技術」武谷三男著 青春出版社 20003月)。

それに拠れば、始まりは中曽根札束予算なのだそうだ。「学者がグズグズしているから札束でほうをひっぱたくのだ」と言い中曽根さんが原子力研究に23500万円の政府予算を計上したのだ。之に多くの学者、研究者が飛びついた。グズグズしていたのは日本学術会議や湯川秀樹さん、武谷さんらのグループだったのだ。(同書)。

基礎研究はそっちのけでアメリカの「ウォーター・ボイラー・JRR1」というおもちゃのようなものをアメリカから買った。一方、武谷さんらは「原子力平和利用三原則」を日本学術会議に提案したのだ(同書)。原子力利用にはこの三原則を守るのが前提なのだ。

「公開」とはよく言われている情報公開だ。今までも事故などが起きるとその原因などは秘密にされていた。原子力発電でも周辺の住民に十分な情報は伝わっていない。

「民主」とは生命の絶対的安全が科学的に実証されず、多数決で決められるものではないのだ。推進派はこの点をないがしろにしている。「自主」とは、日本に導入するときは日本の国土にあった設計をしなくてはならないが、外国の技術をそのまま日本に導入した結果、3.11東北地方太平洋沖地震のときに津波で非常用電源が使えなくなった。

地震の少ないアメリカでの設計を、地震大国の日本でそのまま導入した結果なのだ。風土に対応できる設計にすべきだったのだ。東電の福島原発は第1号機であったのだ。

中曽根さんが急がずに日本学術会議は湯川、武谷さんらのグループの提言を聞いていればこのような甚大な事故は防げただろうことを考えると残念だ。

中曽根さんは選挙区の高崎に日本原子力研究所を誘致している。

昔、旧群馬3区からは福田、中曽根、小渕、山口(日本社会党)で定員の4人が占めていた。ほとんど福田さんがトップ当選で、小渕さんが最下位当選、あるとき総理の座を狙っていた中曽根さんが立会演説会(今はなくなったが当時は各所で開催されていた)で「小渕さんに負けたら私には芽が無いんです」と泣き言を言っていたことがある。それだけ福田vs中曽根は上州戦争といわれていた。

これだけ大物議員が競い合っているのだから勉強も欠かせなかったのだ。勉強家としても知られていた。

マチュピチュ遺跡の謎:インカ帝国はどうやって断層の存在を知ったのか

どうしてこの場所が断層の交差する場所とわかったのか
世界遺産「マチュピチュ」の絶景写真 wondertrip より
最近の研究でマチュピチュ遺跡は2つの断層の交差点の直上に建設され、それぞれの構築物は断層に沿って建っているという。

そのメリットは地殻変動で花崗岩が割かれた石が建材としてしようされ、砕石は建造物の基礎や排水溝として利用されたという。一見、理にかなった考え方だ。

ところが、インカの人たちはどうやって断層を知ることが出来たのか。しかも2本が交差していることまで。

写真から険しい山、深い谷、河川に囲まれた場所だ。地殻変動、造山運動から知ることが出来たのか。

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2019.11.29掲載
今日の新聞を読んで(307):マチュピチュ遺跡の意志はどこから、水は
yamotojapan.blogspot.com/2019/11/blog-post _56.html

2019年11月29日金曜日

今日の新聞を読んで(307):マチュピチュ遺跡の石はどこから、水は


空中都市、2400mの険しい尾根に立つインカ帝国の世界遺産である「マチュピチュ」の写真を見るたびに「建材の石はどこから」、「どんなにしてこんな高いところに」、そして「水はどこから」、「その排水はどうして」という疑問がわいてくるが、今回、ブラジルのリオグランデ・ド・フルだいのルアルド・メネガット准教授の調査でその謎が解けてきたというのだ。

その研究が米地質学会で発表されたという。

朝日新聞(2019.11.28)の科学欄「マチュピチュ あの立地の理由」とネットを検索した結果は次の通りだ。

今から、500年前、標高2400mにインカ帝国が「マチュピチュ」を建設した。2つの山の間の岩壁の上に700~1000人が暮らし段々畑がある。目的は上級階級の人たちのリゾート地で、ここを維持する人たちが自給自足していたようだ。

エール大の講師で探検家だったハイラム・ビンガム氏が1911年に発見した。

都市を建設するときは必ず建材、生活に必要な水の確保が問題になるが、マチュピチュは「どうしてこんな高所に」と疑問が出るのだ。

研究者らは現地調査と航空写真からこのマチュピチュは2つの断層の交叉する直上に断層に沿って構造物がたっているらしい。そこから、2億5000年前に地殻変動で割かれた花崗岩を建材として利用、自然の岩石のまま使用されたというが、石組みから考えるとて手をかけているのだ。

でも不思議なことは、何故500年も前に、断層があり交差していることを知ることが出来たのか。今だって断層の存在を知ることが大変なのに容易に知ることが出来たのか。

花崗岩を掘り起こしたあとの溝は水を集めたり、排水の溝に利用されている。水が重要なので危険を冒してまでも断層の上が利用されているのだ。砕石は建物や構造物の土台と水はけをよくするために利用されている。

花崗岩の掘り起こし、砕石の埋め戻しは都市全体の設計図から無駄のない設計にされていることに感心する。さらに帝国内に4万kmの道路を整備し人の往来、情報伝達に活かされている。文字持ないのに何で情報伝達かと思っていたらキープと言う紐の組み合わせで伝えていたそうだ。

2400mの高所によく作ったものだと思っていたがクスコも3400mの高所だ。さらにペルーは地震多発国だ。

昔の人がよくもこんな構造物をつくったものだと感心する。どうやって作ったのか検証するのも面白いだろう。


安保法違憲訴訟請求棄却:裁判官もサラリーマン、「君子危うきに近寄らず」だ


集団的自衛権行使を認めた安保関連法が違憲かどうかを争う東京地裁の判決が7日に出た。原告主張の平和的生存権は裁判の対象となるような具体的権利とは言えないとして請求棄却の「門前払い」で裁判による救済は相変わらず難しいのだ。

我々は何かあると最後は訴訟に持ち込めば救済してくれると裁判に信頼を寄せているが、そうともいかないのだ。

裁判官も憲法で身分が保証されているとはいえ、我々と同じようにサラリーマンだ。最高裁などの過去の判例に踏み込んだ判決など出来るはずがない。「君子危うきに近寄らず」なのだ。

私も8日の朝刊の記事は知っていたが、「またか」の感想しかなかった。ところが朝日新聞(2019.11.26)の「政治の領域 踏み込まない司法」は私たちに考えさせる内容だった。これから生活は高度化しいろんな権利侵害が出てくる。政治の世界でも国民の権利を侵害する恐れも出てくる。特に安倍政権にあっては恣意的解釈、運用が気にかかる。

違憲審査権は最高裁が持っている。だから下級審は最高裁の判例を踏襲することになる。一番無難な判決なのだ。ときどき高裁、地裁で一歩踏み込んだ、原告側の主張を認めた判決を下すこともあり、原告側は「認められた」と喜ぶが、上級審や最高裁へ行けば覆されるのだ。

一歩踏み込んだ判決をした裁判官は出世できないか、左遷となる。憲法で裁判官の身分は保障されているが、人事は最高裁が持つが最高裁の裁判官は内閣が承認する。だから政権を忖度することになる。

最高裁の裁判官は定期的に国民審査を受けるがどんな考えを持っているかはわからない。過去の訴訟でどんな判断をしたかは実績として紹介されるが、新しい事案にどう対応できる裁判官かはわからないのだ。だからこの裁判官はYESNOかの判断もしにくい。

さらに難しくしているのが、「付随的違憲審査」制があるらしい。実際に権利の侵害があったと言うことが重要なのだ。「漠然とした不安」だけでは「憲法判断」を下せないという。

だから国民が権利を侵害されるからあらかじめ裁判で阻止しようとしても「門前払い」になるのだ。だから「最後の砦」ではないのだ。

今回の原告側の主張を見ると、「安保法により戦争に巻き込まれる可能性が高くなり憲法前文に言う「平和的生存権」を侵害するという。確かに集団的自衛権反対の国会前集会を見ると、「戦争反対」「子や孫を戦場に送るな」というプラカードが目立った。

更に憲法9条の自衛隊違憲解釈を覆し、第13条幸福追求権を否定、憲法96条の憲法改正手続きを無視した閣議での解釈変更などが憲法違反になると当たり前の要求なのだ。

これらの訴えに裁判所は、平和的生存権は裁判の対象となるような具体的権利とは言えない、人格権では「漠然とした不安」の域を出ないとして訴えを退けた。

今の裁判所の考え方は、「現実に戦争が始まること」が裁判の前提条件なのだ。これではあまりのもハードルが高く、裁判が救済手段とはとてもではないが思えない。

安保関連法で日本が戦争に巻き込まれることがあるか。海外で活動中の自衛隊がテロなどで襲われ多くの死傷者が出る。北朝鮮が日本海に向けてミサイルを発射しているが、日本本土に打ち込むことはないのか。そのためには外交が重要と言うが外交で応じてくれない国なのだ。

最後のよりどころは最高裁の違憲審査権だが最高裁も時の政権を忖度する。行政に関わることには踏み込まないのだ。



2019年11月28日木曜日

「ポスト安倍」不在:政権と距離を置き、ポスト安倍を育てるのもメデイアの仕事




朝日新聞
読売新聞
日本経済新聞
  1
小泉 22%
石破 21%
小泉 20%
  2
石破 18
小泉 18
石破 18
  3
河野  8
河野  9
安倍 16
  4
菅   8
菅   6
河野  8
  5
岸田  6
岸田  4
菅    
    各新聞社の最近の「ポスト安倍」世論調査

安倍総理の後は誰がいいのか、誰に日本を託せばいいのか。各メデイアの世論調査を見るたびに思うのは候補者の名前が挙げられ、この中から1人を選ぶやり方だが、何かメデイアが「この中にいるぞ」と暗示しているように思える。

確かに政権とは距離を置き「ポスト安倍」を育てるのもメデイアの役目だと思う。

しかし、いつも1,2位を占めるのは小泉さんで20%代の高い支持だが本当に小泉さんでいいと思っているのか。小泉さんは何ら政策らしいものを発表していないし、国民と寄り添う姿勢、若いイメージ、政界のプリンスと抽象的な面で評価されていただけでメデイアが作り上げた虚像ではないか。

それが環境大臣になり政策を示さなければならない時に抽象的で「ポエムか」と揶揄され勉強不足で小泉さんが出てくるのはもっと先だ。それまでに育っているかどうかだ。

そう思ったメデイアもあったのか、小泉さんの名前は上げずに「この中にはいない」の選択肢を設けたらそのが30%の支持になった。暗に小泉さんを言っているのだろう。

2位の定位置は石破さんだ。安倍総理に嫌われ、干されても18~20%台は立派だ。3位以下を大きく引き離している。

要職にはついていないが、何かあるとメデイアは石破さんにコメントを取りに行くので考え方、政策はある程度分かる。反安倍政権だ。先の参院選では地方の応援要請が減ったという。依頼者が安倍総理に嫌われるのを避けたためだろう。睨まれると要職に就くことができず干される。

だから石破さんは党員投票をすべきだと岸田さんへの禅譲をけん制している。

石破さんの問題は永田町で人気がないことだ。石破派も20人ぎりぎりだったが、1人減り19人になった。推薦人20人もあつまらないのだ。どこからか推薦者を集めなければならないが、ここでも安倍さんに睨まれたくないという感情が出てくる。

問題は自民党が下野した大変な時に離党したことだ。どこへ行ってどうなったか忘れたが、自民党に戻ってきた。出戻りでありながら正論を吐くので煙たがられる。

総裁選のたびに出馬するので安倍さんには嫌われるが河野、菅さんを大きく引き離していることは見事だ。でもこのままいくと「万年2位」のレッテルを張られいつの間にか消えてゆく運命でもある。

日本経済新聞の「ポスト安倍」は安倍と16%の支持を得ている。適当な人材が見つからなければ安倍4選と言うことにもなりかねないのだが、二階、甘利さんはそういうが、御免こうむりたいところだ。4選であるにはそれだけの実績を示すべきだ。検証なしでのダラダラ続投は反対だ。

菅、河野さんが8~9%の支持を受けている。河野さんはチョッとミーハー的なところがある。中国の美人報道官とツーショットの写真を携帯で流している。腰の軽い外務大臣だった。

菅さんは「令和おじさん」で一躍有名になり、安倍政権を仕切ってきたが、今回の内閣改造でグループから2人の閣僚を出したが、政治資金規正法違反容疑が持ち上がり辞任した。今回の「桜を見る会」でも反社会勢力とのツーショット写真が公開されていることがわかり求心力は落ちた。

もともと総理の器ではない。他人の不祥事はバッサバサと切り込んでいくが、自分のことになるとてっきりだめだ。

一方で、一番まともではないかと思うのが岸田さんだが、評価が悪い。今まで安倍さんからの禅譲を期待して安倍政権では長く外務大臣としてYESMANの立場だったが、禅譲は期待できないとみて、「積極的に総裁を取りに行く」方針転換した。

政調会長の地位を利用し政策を打ち出しているがどうか。憲法改正を自民党として推進するらしいが、本部長には下村さんがいる。

最近、新聞に妙な記事が載っていた。グループの誰かが政策をまとめたペーパーを見せたら一度に覚えきれないと言ったそうだ。今自民党が推進している政策のすべてを理解できているのか不安になる。

外務大臣の仕事は有権者には評価されにくいらしい。そんな仕事を長く勤めていたものだ。

先の改造で幹事長を狙っていたらしいがうまくいかなかった。でも心配はいらない。どんな大臣でもペーパーの棒読みでいいのだ。急に質問されると質問主意書が出ていなかったのでコメントできないと言えばいいのだ。

他の候補者に比べ顔もよく「日本の顔」として恥ずかしくはない。

また、宏池会の再興もあるだろう。麻生派、岸田派、谷垣グループなどをまとめる必要もある。麻生さんは近いうちに引退だろう。今までの不祥事でも席員を取っていない。

小泉さんは早すぎるし、菅、河野さんは問題外、安倍4選など考えられない。ここは石破さんか岸田さんだろう。

メデイアもネガテイブ情報ばかりでなく、積極的にポスト安倍を育てていく仕事をやれないか。

2019年11月27日水曜日

米大統領選にブルームバーグ前NY市長参入、「トランプでは米国が持たない」と

米大統領選に投票権はないが、世界の政治経済に大きく影響する大統領選だ。我が国では「このまま安倍政権では日本はもたない」と思っているが、ブルームバーグ前NY市長も「このままではアメリカが持たない」と民主党から出馬を宣言した。

もうすぐ予備選も始まるという時期に、民主党は候補者乱立で18人になったと言う。バイデン、サンダーズ、ウォーレンの3氏の戦いだと思っていたら強力候補者が出てきた。以前名前が出たり消えたりした。それだけ民主党候補には本命がいないということか。

ブルームバーグさんは一時は共和党だった時もあるらしいが、共和党はトランプさん支持が大きく、入り込む余地はないと見たのか。

テレビの情報番組では主要な政策は銃規制、地球温暖化、国民皆保険で民主党政策に近いが、驚いたことに資産家なのだ。通信事業などで財を築いたというが日本の防衛費に近い5.9兆円でトランプさんの約2倍と言う。こんな億万長者で低中所得者などの支持を得ることができるのか。

選挙戦は出遅れと言うが専門家は金の使い方一つだという。以前にもカネを使い勝った事例があるらしい。

しかも大統領になっても報酬はいらないと言っている。そうだろう、大統領の報酬は実業家に比べればちっぽけなのだ。

「このままトランプではアメリカはもたない」という。

確かにそうだ。トランプ大統領は「アメリカ第一」「保護主義」を掲げ、多国間交渉より2国間交渉を重要視することで、世界におけるアメリカの地位は下落、G7,G20では相手にされずリーダー不在だ。中国は「陸海空でアメリカの優位を脅かしている」とポンぺオ国務長官が言ったことがあるように先進国の団結の乱れに中国がくさびを打ちこみ台頭してきた。

地球温暖化対策や核合意からの離脱、駐留米軍の軍事費の増額要求、米中貿易交渉、日米貿易交渉など多国間から2国間交渉は世界の平和、安全保障に障害となっている。

こういうトランプ流外交もあと4年も続くのかと思うとブルームバーグさんに頑張ってほしいと思う。


2019年11月26日火曜日

「桜を見る会」を徹底追及し、安倍利権政治の追放を


「桜を見る会」を徹底的に追及し利権漁りと民主政治の根幹を揺るがす安倍政治の追放を! 日米貿易交渉、韓国の反日政策、GSOMIAなど重要な問題があるのに何故、「小さいこと」にこだわるのかと自民党や大手メデイアは野党批判をするが、決して小さいことではない。

安倍政治の特異性が凝縮し、モリカケ問題から同じようなことが繰り返されていることに注目し、日本の民主政治を安倍総理の手から取り戻すためにも安倍政権の追放をすべきである。

今まで野党は「追求チーム」で追及していたが今回、「追求本部」に格上げし新たに他の野党も加わり総勢76人で対応するらしい。この動きにあわてたのか安倍総理はメデイアのトップ幹部などと懇談会を相次ぎ開き追及の手を緩めようとしているのか。

今回の首相主催の「桜を見る会」での安倍後援会の役割を安倍総理は説明するが、そのたびに「公職選挙法違反」「政治資金規制法違反」の疑いが高まり、モリカケ問題で「私や私の妻が関与していることが分かったら総理を辞任するどころか議員も辞職する」と啖呵を切ったが、今回も関与をしていたことを認め、招待枠に総理どころか、夫人や母親の枠もあったようだ。公金を使っての利権漁りは横暴すぎる。

モリカケ問題では官僚が忖度し総理を守ったようだが、今回はホテルが総理を忖度しているようでこの件で何ら弁解していない。

重要資料である招待者名簿も早々と廃棄したという。それも保管基準に反しての廃棄だ。公文書管理は森友事件で財務省などが公文書廃棄、捏造し問題になったがまたまた繰り返した。面白いことに今回は大型シュレッダーが出てきて、順番待ちが問題になっている。

安倍政権は不祥事が出るたびに目くらましをやっているが、今回は野党も同じことをやっているではないかと言い出した。「みんなでやれば怖くない」とでも言うことか。

今回も市民団体が安倍総理などを刑事告発したようだ。特捜部はどう動くか。

森友事件では市民団体が関係官僚、担当者を刑事告発し大阪地検特捜部が捜査したが不起訴処分になった。特捜部が安倍政権に忖度した疑いが出てきたが、特捜部長は函館地検検事正に栄転した。

一方、もっと大事ではないかといわれている日米貿易交渉、対韓国GSOMIA,消費税、財政再建などはどうなるのか。

日米貿易交渉は安倍総理はウィンウィンの関係と満足しているが日米で合意したといっても解釈で違いが出てきた。今後の交渉次第では関税がかかるらしい。野党は交渉経過の説明を求めているが政府はコメントしたくないらしい。

GSOMIAも韓国がアメリカの圧力に屈して譲歩したように見える。日本政府は勝ったつもりでいるが、韓国は早速クレームをつけてきた。根本的な問題は解決できていないのだから「一時的」な失効回避処置なのだろう。

消費税10%へ、安倍政権になって2度目の増税だ。この結果は後で歴史が検証するだろうが、安倍総理は「後10年は増税は必要ない」と言っていたが、IMFは15%への増税の必要性を報告してきた。

財政再建と絡んでどう対応するのか。今回の2%の増税もすべてを借金の返済ではなく、半分を社会保障制度維持にまわすという。

大事な問題もすべて安倍総理の政治姿勢が問題なのだ。政策自体を議論する前に何とかしなければならないのだ。

12月早々に国会は閉会、来年早々に通常国会だ。何かありそうだが、野党はどう出るか。

孤立化、「何かを求める」中でのSNSの功罪:「表現の自由」か、「犯罪防止」か


孤立化し「何かを」求める人間がSNSをツールに社会との接点を求めようとするが、犯罪に結びつく事案も増え防止策が必要になってきたが規制を考えると「表現の自由」をどうすると言うことになる。

来日中のローマ教皇が、社会的に孤立化し「何かを」探している人が決して少なくない日本ではお互いに支え合う社会が大事だと発言された意味は大きい。孤独で、地域とのコミュニケーションが取れなくなった人間がSNSに向き合い、意に反して犯罪に結びつく事案が多くなって来た。

何とかならないかと考えた時に、進歩するAI技術を採用し会話中の経緯から犯罪、反社会的行為に結びつく恐れがある場合は「一言アドバイス」を挿入し警告し、犯罪の未然防止に役立てることはできないか。

今、問題になっている大阪市の小学6年の女児を栃木県小山市に住む容疑者が連れ出し誘拐(?)する事件が発覚した。その発端はSNSで「うちに来ない」などのメッセージを発信、近くの公園に呼び出して地下鉄、在来線を利用して栃木の自宅に連れ帰ったという。

女児の方にも親との関係がギクシャクしているときでもあり、容疑者にも近所付き合いもなく孤独な生活をしていたようだ。容疑者は性格もよく優秀だったが高校受験で失敗したのが原因らしい。

相当頭もよさそうだ。捜査の目をくぐれたのも、監視カメラの映像を頼りにする捜査機関のストーリーの裏を書き、在来線で栃木まで帰ったようだ。

友人もいず、寂しがり屋、近所づきあいもなく、SNSで多数の人とコミュニケーションを取ろうとした。外への関係はSNS発信だったのだ。

テレビの情報番組が、出会い系サイトとSNSの犯罪事例を比較し、法改正もあって出会い系サイトでは犯罪が減った一方で、SNSでは急増しているという。

何か対策が必要なのだが、規制を考えると「表現の自由」の問題が出てくると弁護士のコメンテーターは言う。

「表現の自由」か「犯罪防止」か。その社会的意義はどちらにあるか。

一旦問題が発生すると本人や家族や関係者に影響が及ぶ。安易に友達にもなれないし、相手がどんな人か液晶画面では確認ができない。今が考え直す時だが、どうすればいいか。

「その時の感情」でやってしまったが「炎上」や「問題を起こしてしまった」という割合が多いらしい。

そこで犯罪など防止のために、今進歩しているAI技術を使用し通信内容から危険を察知して「一言アドバイス」を表示できないか。「目的が何ですか」「相手の年齢、名前がわかっていますか」「親に相談しましたか」「犯罪に結びつく事案が多くなっています。一度立ち止まって考え直しませんか」などが考えられる。

私はやったことがないが、ツイッター、フェイスブック、インタグラムなど便利そうだ。自分の意見を公開設定すればすべての人に発信できる。「いいね」で反応もわかる。

トランプ大統領に至っては閣僚を首にしたし、政敵をののしることもやっている。政治家の利用も多いから直接面談しなくてもニュースにすることもできる。恐ろしい一方で便利でもある。

利用者が多いから需要もあるのだろうが、利用には節度が必要だ。


2019年11月25日月曜日

安倍の「桜を見る会」ツアーの公選法違反、政治資金規正法違反も「皆でやれば怖くない」のか


安倍総理の後援会の夕食会、「桜を見る会」を含むツアーの公選法違反、政治資金規正法違反容疑は与野党入り乱れての批判合戦になって来た。例のごとく「みんなでやれば怖くない」と言うことか。

高級ホテルでの低額夕食会を野党の安住議員が指摘したと思ったら、逆に本人が同じホテルで低額の朝食会をやっていたことがブーメランになって帰ってきた。与党は何かあるのではないかと反撃する。

民主党政権時、鳩山総理(当時)も後援会がらみでやったことを公表、菅官房長官も「従来のやり方を踏襲」と主張し責任回避の動きをするが基本は踏襲でもやりすぎだ。

旧民主党政権で要職を兼ねたが、今は自民党へ出戻った長嶋さんも安倍総理を援護する発言をし、点数稼ぎしている。

でも、今の永田町の常識は収入がなくても報告書には記載するのが常識になっており、会員制で収支均衡でも報告書に記載は常識なのだ。安倍総理の説明では非常識で偽装工作だという。

野党が招待名簿の提出を要求したが、シュレッダーにかけ廃棄したという。その廃棄の時期が共産党が質問する時期と重なるのだ。内閣府の審議官の説明では大型シュレッダーの使用が混んでいて延びたのだという。最高学府を出て国家公務員試験に合格した官僚にとっては恥ずかしい説明ではないか。子供さん、奥さんはどう考えているのか。近所でうわさになっているのではないか。

そして「何やらいつか来た道」のようだ。「そうだよ、モリカケ問題の時もそうだった」のだ。

もうすぐ国会も会期末だ。今回も乗り切って通常国会で何かやらかす気なのか。
下落する内閣支持率だが、GSOMIAで上げることができたとでも思っているのか。


ローマ教皇核廃絶を訴え:それでもな何故、核開発なのか


来日したローマ教皇は予想通り「核廃絶」を強く訴えたが、トランプ大統領登場以来世界は逆行している。何故、核開発に進むのか。

2425日の私の注目したニュースはローマ教皇来日と香港の民主化運動下での区議会議員選挙だ。トランプ大統領の「アメリカ第一」により核拡散などに関する動きは大きく後退する中で、ローマ教皇がどんなメッセージを発するか。

また、香港の犯人本国移送問題から端を発し香港民主化に大きなうねりとなる区議会議員選挙が始まり、報道では過半数は勿論90%を民主派がしめる勢いだという。

注目のローマ教皇がどんなメッセージを発したか、25日の新聞によると、「核の威嚇に頼り平和提言ができるのか」と核の使用は勿論のこと持つことも倫理に反すると核兵器から開放されたときに平和が維持できるという。

貴重な資源の無駄遣いをやめ、人類全体の発展と自然環境保全に力を入れるべきだと当然のことを繰り返し主張する。

ところが米国を中心とした動きはトランプ大統領登場で大きく変わってきた。米ロ中距離核戦力(INF)全廃条約は失効、新戦略兵器削減条約(新START)は存続の危機といわれ、核不拡散条約(NPT)再検討会議は核保有国と非保有国の溝が深まるばかりだという。

ローマ教皇は、政治指導者だけの課題ではなく、すべての人にかかわるこれからの世代に対する責務だという。原爆、核実験、扮装の犠牲者の名の下で「戦略戦争や兵器はもう要らない」と叫ぶのだ。

イランからの核合意を離脱し経済制裁に走るアメリカ、米朝首脳会談で主導権を握ろうと核開発を進める北朝鮮、更には中国、インドが国威発揚のために核開発、宇宙開発に突きすすんでいる。将来は核を装備した衛星による核戦争も危惧されている。

オバマ前大統領は核拡散防止、削減に努めるとしてノーベル平和賞を受賞したが、その裏では「使える核兵器の開発」をやって、ロシア、中国がそれに対応しようとしている。

世界の指導者は国威発揚、外交交渉で主導権を握るために核開発に余念がないのだ。特に新興国には欠かせない手段となるのだろう。

今、改めて原爆開発のいきさつを調べてみた。

1905年アインシュタインがE=mcという有名な式を発表した。質量とエネルギーは等価という意味だそうだが、当時は誰もその重要な意味を理解できなかったそうだ。ところが1909年にマイトナーという学者が質量が消失してエネルギーに代わる。陽子の質量の1/5は丁度200MeVのエネルギーに相当する。ウラニウムの原子の中心にある原子核を分裂させてエネルギーを爆発させることができる。そして1939年に原子爆弾の開発になった(E=mc2  デイヴィっド・ボダニス著 早川書房 2009.7)。

原子爆弾の開発はドイツが極秘で研究、それを知ったアインシュタインがアメリカ大統領ルーズベルトに核開発を急げと進言した。それ以降アメリカの核開発が進みビキニ環礁実験、第五福竜丸事件につながり、研究者らによる原爆禁止運動に発展するのだ。

日本は唯一の被爆国でありながら核拡散防止に署名していないことが批判されている。安倍総理とローマ教皇との会談で安倍総理はどう感じるだろうか。

2019年11月24日日曜日

リニア中央新幹線最難関:静岡工区9km未だ着工できず、知事の要望を聞いても水問題は解決せず

テレビ東京の情報番組でリニア中央新幹線の静岡工区9kmが未だ着工できず、東京ー名古屋2027年開通が厳しいという。全区間で未着工はこの工区だけらしい。この工区は南アルプスのトンネル工区の一部で私も注目しているのだ。大きな破砕帯が存在し工事中に湧水事故が起きる可能性があるのだ。

何が問題になるのかと思っていたら、川村静岡県知事は工事で発生した湧水で大井川の水量が減る心配があるのだ。ここは丘にお茶畑が存在し水が必要だし、ほかにも利水が必要なのだ。以前にも「水騒動」が発生し、住民の反対が大きい。

今までの協議で、工事期間中も湧水は全量大井川に戻すとJR東海が答えていたが、8月になって工事中の一定期間は無理だと言い出した。

これではダメだと県知事は環境庁や国土交通省の河川部局も協議会のメンバーに加えるよう要求したのだ。今までは鉄道局が県やJRの仲介役を担っていたのだ。

川村県知事がこの工事に注文を付けているのは21年の県知事選もあるらしい。静岡県は7県のうちで唯一駅が予定されていない。それなのに水問題や残土処理という大きな問題を抱えている。県民にどう説明するか。

一時、静岡空港直下の東海道新幹線新駅や南アルプス周辺の道路整備など公共工事の計画を提案していたらしい。

さらには環境保全会議での中間報告意見書、JR東海の回答などにも不満があるらしい。

リニア中央新幹線計画でもほとんどメリットの無い計画にGOサインを出すわけにはいかなにのだ。万一湧水で大井川の水量が減ると一大事だ。簡単にGOは出せない。ゴネているとみられても決断が大変なのだ。

考えてみれば川村知事が要求する項目をJR東海が飲んだとしても、知事が危惧している、県民の生活に直結する水問題は解決しないのだ。

今日の新聞を読んで(306):本質的問題を抱えたままGSOMIA失効回避、米の圧力に韓国譲歩か


韓国が日本に対して最後の手段として突き付けたGSOMIA破棄危機も米国の日韓両政府に対する説得で一応回避することになったようだが、本質的問題を抱えたままでの条件付きの継続決定に不安を感じないか。

事の発端は元徴用工問題の最高裁判決での文政権の対応に対して日本は北への禁輸も絡め輸出管理強化で対応、韓国国内経済は停滞、輸出管理強化の撤廃を強要して最後の手段としてGSOMIAの破棄を言い出した。

この日韓関係のギクシャクに当初は無関心だった米国も韓国がGSOMIAを言い出してから日米韓の安全保障とも絡めて韓国に猛烈に圧力をかけ、次から次に高官を送り込み説得に当たったようだが、一方で報道ではあまり見なかったが日本政府にも譲歩を迫ったようだ。

急きょ発表された韓国側の発表では、「日本の対韓輸出管理厳格化の措置に関する日韓協議が行われている間」は失効を延期するという条件付きだ。韓国にはいつでもGSOMIA終了できる前提があるのだ。WTO手続きも停止するという。

早速、日韓外相会談、安倍―文首脳会談も調整されているようだが、安倍総理は「日本は何ら譲歩していない」と発言している。

そうだろう、日韓共に本質的問題は何ら解決していないのだ。

日本は、元徴用工問題で国際ルールを守るのが先決だと主張している。これが賠償のために日本企業の資産が現金化されることにでもなれば事は重大になる。日本にとっては許される問題ではない。訪韓した河村日韓議員連盟会長や最近訪日した韓国議会議長が「国と国民が資金を出し合って基金を作る」提案があったが、日本や日本国民から資金を集めて徴用工に賠償しようとでもいうのか。

此れには、日本は乗れないだろう。勝手にやってくれということだ。

韓国には、輸出管理強化で国内経済は停滞、財界からも批判が続出、日本との関係悪化に不満が出ている。日本が協議に応じるとなると輸出管理面でどんな譲歩が出来るかだろう。

文大統領は、一体何を狙っているのか。内政に対する失政を隠すために日本たたきをやっているというが、そんなことがいつまで続けられるのか。

北出身らしく南北統一を目論んでいることはわかるが、政治体制も大違いの南北でどういう風に統一したいのか。核ミサイルの脅威をどう受け止めているのか。米朝首脳会談、板門店でのトランプ大統領と金委員長が境界線を行ったり来たりするシーンを満面の笑みで見守っている姿はわかるが、今はアメリカからも北からも信用を失った。

アメリカにとっても韓国はどういう存在なのか。駐韓米軍の駐留費負担増を突き付けられている。飲まなければ米軍の規模を縮小するともいう。でも在日米軍も含めてアメリカの世界戦略の一環ではないのか。韓国や日本のためばかりの基地ではないのだ。

日韓協議でどんなことが出てくるのか。注目だ。

2019年11月23日土曜日

安倍長期政権の弊害:賞味期限は超え、消費期限まで後2年てとこか


安倍政権が長期化する中でその功績、弊害が問われだしたが、実際のところ賞味期限が切れ、消費期限まで後2年というところか。新聞報道では安倍政権を長期に支えているのは経済政策であるアベノミクスだというがそれとは裏腹に世論調査ではアベノミクスで経済は良くなったという人は20%程度、大部分は実感がないという。

以前、安倍総理が出演していたTBSの報道番組で景気の街角アンケートの結果を発表したとき、やはり「実感がない」が大多数だったところで、安倍総理が大反論を展開したのだ。

今まで聞いたこともない指標を次々に挙げて成果を訴えたのだ。国会での審議でもそうだが、野党が指摘した経済指標ではなく別の経済指標を挙げて抗弁しているのだ。同じ土俵で勝負していない。

2012年12月に発表されたアベノミクスの第一の矢が「大胆な金融政策」、第二の矢が「機能的な財政出動」、第三の矢が「民間投資を起こさせる成長選略」だが、その後アベノミクスの第二ステージで新3本の矢を放ちGDP600兆円などを目指すというのだ。

最近ではアベノミクスは破綻しているとか、息切れだといわれている。安倍総理自身も特にアベノミクスに言及しなくなった。別の言い方をすれば賞味期限切れということか。

安倍総理の作戦は経済成長を第一に掲げ実績を作って憲法改正など自分のやりたい政策を打ち出すことでバランスが取れていると評価する専門家もいる。

確かに、円は80円台から108円台に安くなり、株は10000円台から今は23000円台、GDPは60兆円増、雇用も500万人程度増加した。

ところが、物価目標2%は異次元の金融緩和だけでは効果が無く、マイナス金利政策を導入しても0.3~1%程度、目標の脱デフレは遠い。

異次元の金融緩和策をリードしているエール大の浜田名誉教授は「雇用が改善しているのだからいいだろう」と言い出した。FRBも雇用の改善を目標にしていた。でもその雇用の改善も非正規従業員の増加で賃金は上がらず、消費も伸びていない。

日銀黒田総裁が華々しく打ち上げた「2年、2%」が、何故達成できないのか。2%の目標が安定的に達成できるまで、異次元の金融緩和を続けるという。安倍総理もそこに強い意欲を持っているが、何時までも放っておくこともできないという。

そもそも安倍―黒田路線で異次元の金融緩和を始めたことになっているが、日銀の白川総裁の時も量的緩和に取り組んでいたが金融システムの安定には効果があったが、景気の押し上げには限定的だったと認めている。

ところが、2012年ごろ自民党が「大胆な金融緩和」を打ち出し、当時の民主党政権も日銀に更なる量的緩和を要求したが白川さんはウンといわなかった。代わった自民党安倍政権は白川さんに代えて黒田さんを送り込んだ。政策委員もリフレ派を選任したため、白川さんは任期を残して辞任したのだ。

後にFRBの議長になるイエーレンさんと浜田さんはトービン教授の景気後退期に回復軌道に乗せるために長期金利低下を図る戦略を学びこの戦略を応用した政策として長期低金利政策と量的緩和を組み合わせた金融政策を考え出した。

2008年にFRBのイエーレン議長が採用し、2012年に浜田さんが政権に紹介し13年黒田さんが日銀総裁として異次元の金融緩和、そして今マイナス金利政策を維持している。マイナス金利政策はECBのドラギ総裁(今は退任)がはじめて導入したのだ。

要するに量的緩和策、マイナス金利策の検証もしないままにFRBやECBが導入しているままに日銀も導入したのだ。 

主流派経済学者は早い時期から金融危機では効果があるが平時では景気対策としての効果はないといったり、インフレターゲットはデフレ脱却の特効薬ではないといったり、事実の検証にもとづかない非伝統的金融政策というのが経済学的コンセンサスになっている。

経済政策以外でも経済界は成長選略を言うが、どの政権でも成長選略は目指していたが、どういうわけか実効性がない。担当官庁がタイトルを代えて再提出する状況ではないか。
市場にカネを流し、低金利政策、量的緩和策を継続しているが企業は新たな投資をするのではなく、内部留保に勤め今は460兆円にもなった。之を吐き出さそうと政府は考えているようだが経済界は抵抗している。大きな企業は無借金経営でよい投資先があれば借金しなくても良いのだ。

財政再建も遠のいている。財政黒字化は2020年から2025年に先延ばしされた。今回消費税10%にあげたが借金の返済に充てるのではなく、半分は全世代型社会福祉制度の維持にまわされる。

続く自然災害の復興に財政出動も必要になる。赤字が積みあがることは回避できないか。防衛費もかさむばかりだ。55兆円から更に米軍の駐留費負担増が約1兆円と見られている。

防衛費拡大を回避するためには外交が重要というが、中国と首脳会談をやっても尖閣諸島近辺の安全は改善できていない。北朝鮮とは外交もうまくいかない。

プーチン大統領とはファーストネームで呼び合っているが北方4島の返還問題は頓挫したままだ。安倍総理はしょっちゅう会っているが改善は見えない。

米中貿易交渉も安倍総理はウィンウィンの関係というが、誰もそう思ってはいない。説明不足、交渉経過が分からぬままに衆院を通過した。そのうちにトランプ大統領からとんでもないツイッターが流れてくるかもしれない。

経済政策がうまくいかない一方で、憲法改正の国会審議も進んでいない。安倍政権は自民党の担当者を総入れ替えで対応しようとしているが、一番の問題は「安倍総理自身が信用されていない」ことにある。一度も改正していないことに問題があるというが、欧州の改正が多い国の事情調査では、それなりの要因があるというのだ。

安倍総理の賞味期限は過ぎていることは確かだ。アベノミクスの第2ステージのころだろう。後2年は消費期限待ちだ。消費期限を待たずに捨ててしまうか。

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