2020年5月13日水曜日

新型コロナウィルス対応で安倍総理の「指導力」に陰りか


最近のメデイアの世論調査で「安倍内閣を支持する理由」のうち「指導力」を指摘するポイントが下がってきたという。今までは、恣意的政権運営や自分や妻の不祥事で責任追及が始まると不祥事隠しに指導力を発揮したように見えたが、今回の新型コロナウィルスの感染では国民お安全、身体、生命に関わる事態に「指導力の無さ」が目立ってきたのだ。

政権発足当初はアベノミクスの第一の矢で「異次元の金融緩和策」は、市場にカネを流し円高、株安から一転、円安、株高で輸出産業をはじめ日本経済の復活をもたらし、安倍総理の評価は最高潮に達したように見えた。。

ところが「2年で2%の物価上昇」は6年たっても達成できず、日本経済は本質的にそういう経済構造ではなくなったような気もするが、安倍政権は相変わらず2%を目指し、日銀黒田総裁に託している。

次いで規制緩和、構造改革に力を入れだしたがその内容は安倍総理夫妻によるお友達への利権誘導になった。森友、加計学園にからむ疑惑事件は、未だに国民の70%は安倍総理の説明に納得していない。

国有地の格安払い下げ、交渉経緯を記録した公文書は安倍夫妻に不利な内容は削除、隠蔽され財務省の公文書改ざん事件に発展した。

又、憲法改正に向け国民投票法改正を目指したが、憲法を守るのではなく集団的自衛権は閣議解釈をやってしまった。そのためには法制局長官を更迭した。

目指す憲法改正も国会審議が進まないと見ると読売新聞を利用してインタビュー形式で推進を主張するし、民意が低いに関わらず安倍総理の独走状態で日本会議にメッセージを送った。

法解釈は自分の都合のいい解釈を勝手にする。今問題になっている次期検事総長の人事がらみで東京高検の黒川検事長の定年延長を勝手に決めてしまった。その後付で検察庁法改正で定年の段階的延長を計画している。

背後に、官邸の覚えのいい黒川さんを検事総長にして自分たちの「政治とかね」や数々の違法行為を検察が起訴しないように指揮件発動(?)を目論んでいるのではないかと識者、著名人、一般国民が反対運動を展開している。

こういった事態が安倍総理に「指導力なし」を突きつけたが、やっぱり問題は新型コロナウィルスでの安倍総理の対応の稚拙さにある。

まず、初動の水際作戦を間違った。多くの専門家が中国からの入国制限を要求していたが習主席の訪日計画を控え中止、延期決定が遅れて中国からの観光客の入国を許したし、東京オリンピックを控え人の動きを制限することに躊躇した。安倍総理の私的都合で国民の安全を害した結果になる。

感染拡大防止のために外出自粛要請、一斉休校を北海道が先行し実施、遅れて安倍総理も唐突な政治判断で外出自粛要請、一斉休校を打ち出したが十分な検証もせずに解除、その後「人との接触を8割削減」を謳って緊急事態宣言を「切りのいい」1ヶ月実施、更に1ヶ月延長し、各自治体からの不満も考慮したのか、期限を待たず14日に効果を評価し、一部解除の可能性も出ている。

解除基準も決めないでの緊急事態宣言だったために大阪の吉村知事は国がやらなければ大阪がやると「大阪モデル」を発表、新規感染者数の少ない自治体が相次いで解除条件を公開している。

それを見て西村担当相は緊急事態宣言を解除する権限は国にあると「勘違い」発言をしメデイアは色めきたったが、すぐに手打ちをしてしまった。

外出自粛、休業要請、一斉休校などの処置は都道府県知事の権限だが、その解除条件の一つである新規感染者数、陽性率は基本に検査数に依存している。その検査数が東京、大阪でも300~400件/日、全国でも1万件に満たない少なさで、追求されるたびに安倍総理は2万件の能力に持っていくというが、達成できない要因に「人詰まり」があるという。

休業要請は補償を伴う。生活困窮者には給付金、事業者には助成金など国民の要望にこたえなければならない。30万円給付金政策も恩恵にあずかる国民は20%程度と分かると公明党や自民党から一律10万円/人の要求が出ると国会提出手前で政策変更という醜態をさらけ出した。

新型コロナウィルス感染拡大で安倍総理は「自分の面子か、国民の安全か」が問われる事態になり、初めて国民の批判の矢面に立った。右往左往する政策に国民は「安倍総理に指導力なし」のレッテルを貼ろうとしている。

総理在職7年間で初めて正念場を迎えたことになる。



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