安倍総理の記者会見は評判が悪いことは各メデイアが指摘していることだが、国民の会見に対する信頼度が「知り合いからのLINE情報」と同レベルであることが東京女子大の橋元教授の調査でわかった。
それによると、3000人を対象に全面的に信頼しているを100点満点として、安倍総理の記者会見の信頼度は28.5点であったが、「知り合いからのLINE情報」の22.8点で大差なかったという(朝日新聞2020.5.18「記者解説 コロナで拡散するデマ」)。安倍総理の記者会見がその程度かと驚くべき結果と思うが、一方で当然とも考えられる。
新型コロナウィルス感染拡大でデマも含めて情報が錯綜しているらしいがその信頼度から投稿した人の責任、被害は計り知れない。「トイレットペーパーの原料不足」すると発信すると店舗からトイレットペーパーがなくなり、やっと今、棚にトイレットペーパーが戻ってきたほどで、被害にあった人にとって計り知れないほどの影響だ。
そして記事は、未知のウィルスとの戦いで首相の対話能力の水準が白日の下にさらされ不信の連鎖に加担させている責任は大きいという(同上)。
まったく同感だ。国家の危機、災難のときはトップの考え、行動が大きく影響する。
同じ新聞で世論調査の結果も発表された。安倍首相の支持率は8ポイント下がって33%、支持しないは47%、でも政党支持率では自民党が30%で野党を大きく引き離している。新型コロナウィルス対策では指導力を発揮30%に対して発揮していないは57%だ。安倍総理は信頼できないが「他の内閣よりマシ」という考えが強いのか。
ドイツのメルケル首相、イギリスのジョンソン首相、フランスのマクロン大統領、アメリカのトランプ大統領の記者会見の様子をテレビで見ることができるが、移民問題やEU内の立場から野党に押されて引退を表明したメルケル首相がコロナ対策で支持率を上げてきたという。国民に対する会見の内容が評価されたらしい。
安倍総理はどうなのか。
記者会見で対応を国民に訴えているが、どうしても国民の「心に響かない」と酷評されている。自分の頭で考えたことを伝える能力に欠けているのだ。プロンプターを見て官僚が書いた原稿を読んでいるのだろう。常に顔を左右に振りながらの会見で真正面を見てはできないのだ。
スピーチ後は記者の質問を受けるがまだ質問があると手を上げる記者を振り切って会見場を後に帰宅した。批判されると記者会見後、海外の要人と電話会見し帰宅だ。何故か、わざとらしい。首相動静を見るとすぐ分かる。
どうして信頼度が「知り合いからのLINE」程度なのか。
森友疑惑、加計学園問題など自ら関与する不祥事に説明責任を果たしていない。安倍総理は国会で丁寧に説明したというが国民の70%はいまだ納得していない。任命した閣僚の「政治とかね」の問題でも任命責任を取らない。今度は自分も含め後援会が「桜を見る会」「夕食会」で刑事告発された。
新型コロナウィルスの初動での水際作戦を間違った。その背景には習主席の訪日計画、東京オリンピックの開催の問題があった。自分のメンツを国民の生命、安全より優先したのだ。
又、緊急事態宣言を1ヶ月の期限で発信したが「経済再開」を優先する余り14日に39県で解除、21日にも残り8都道府県の解除の是非を検討するという。
専門家会議も問題だ。西浦レポートでは何もしなければ41万人が死亡するといいながら、早々と緊急事態宣言の解除を承認した。安倍総理は専門家会議に諮問して決めるというが、すでに政府の方針が先行し、専門家会議は後追いではないか。
あれだけ指摘されている検査数の増加要求も安倍総理は1日2万件というが、いまだ1万件にも達していない。「人詰まり」が要因らしいが、検査数を増やすかどうかは専門家の間でも意見が分かれている。厚労省や国立感染症研究所の「感染症村」の既得権益に主導されているのか。
安倍総理に多くは期待できないのか。そういう内閣を選んだのも国民だ。我慢するしかないか。
0 件のコメント:
コメントを投稿