2020年5月9日土曜日

削除される「37.5度以上の発熱が4日以上」:数値が示され一番わかりやすい基準ではなかったのか

「医療崩壊」「経済崩壊」「目つまり」、新型コロナウィルスの感染拡大でその対応の重要性が指摘されているが、問題はPCR検査数の低いことだ。東京、大阪でも検査数は一日300~400件、全国でも1万件に満たず、安倍総理の言う2万件には程遠い。

感染症学者が頭を絞って提案する数値目標には理解に苦しむものが多いが、そんな中でも一番数値目標を入れてわかりやすいのが「37.5度以上の熱が4日以上続く」ではなかったのか。

それがPCR検査を受けるかどうかの判断「目安」否、「基準」ではなかったのか。検査をコントロールする保健所の担当者も「強いだるさ」「苦しさ」という抽象的は自覚症状より重視していたはずだ。

ところが自宅療養中に急速に症状が進み重篤化したり、専門家の間で検査数の低さを指摘する声が上がってきた。このままでは感染者数の現状を把握することができないのではないかと批判されている。

そして今、「37.5度以上の熱が4日以上続く」の条件が削除されるという。「軽い風邪の症状が続く」となるらしい。これじゃ季節性インフルエンザとかわらない。患者の自覚症状と医師の判断になる。

問題は保健所の担当者がどう判断するかだ。数値基準がなくなったのだからすべて検査に回すことにでもなれば、今度は医療崩壊だ。難しい判断を迫られることになる。

「37.5度以上の熱が4日以上続く」で検査が遅れ、治療が遅れたり、保菌者が人込みに混ざり感染拡大の原因にもなった。

その要因に厚生労働相は「目安」と「基準」を誤解している。今までも何回も自治体に対して弾力的対応を依頼してきたと責任逃れする。専門家の意見も聞いているともいう。

当初から「わかりにくい」という批判はあったが、その適否は別としても「一番わかりやすい数値目標」を掲げての「目安(基準)」ではなかったのか。

今後は、保健所、医療サイドの混乱が続くのではないか。

検査体制、医療体制も整わないのに検査数が増加、感染者数が増加するとどうなるか。政府への国民の不満は高ずるだろう。その時は安倍総理の責任辞職する時だ。福島第一原発時の民主党・菅政権を「あの悪夢のような・・」と批判していた責任は大きい。

私たちができることは、一部解除になったとしても「3つの「蜜」回避、手洗い励行、社会的距離2mの確保、体調のすぐれない人はマスクの着用で他人にうつさない、咳きのエチケットなど「気のゆるみ」から感染が拡大することを防止しなければならない。

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