2020年5月22日金曜日

「新型コロナウィルスの見えざる手」は政治経済、市場、教育、医療にどう影響するか


我々の生活はどう変わるのか。「新型コロナウィルスの見えざる手」が政治経済、「市場の見えざる手」という調整機能が作用するという市場、教育、医療分野に大きな変化を求めている。

緊急事態宣言も段階的に開放され、各自治体は地域の状況に応じた外出自粛要請、休業要請の解除に向かっているが共通することは「第2波」の来襲であり心底安心はしていない。

「経済再開」を優先する安倍政権と「経済再開」と「感染予防」の両立を図ろうとする自治体の立場の違いも見え隠れする。

緊急事態宣言も14日に39県、21日に関西3府県が解除され、残る首都圏、北海道は25日にも解除の是非を検討するという。感染者数は確実に(?)減少傾向だが医療体制、検査体制など総合的に判断すれば「もうひとがんばり」が必要なのだ。不思議なことに21日の安倍総理の記者会見は「ぶら下がり会見」だった。真正面を向いて発言だったが、黒川問題を聞かれるのを嫌ったようだ。

何かあると敏感に反応するのが市場経済だ。

新型コロナウィルスによる感染が拡大、都市閉鎖、外出自粛、休業要請が出れば人、物の動きが制限され消費の落ち込むと見て市場は株価、為替で動く。政府には財政政策、中央銀行には金融政策を要求する。政府、中央銀行が応じてくれれば市場は安心するが、期待ができなければ一波乱ある。此れを「市場の見えざる手」が働いているというのか。

政府や中央銀行の介入がなければ経済はどうなるのか。混乱が増すのか、逆に安定化を目指すのか。

政治も変わるか。いままでは集団的自衛権の閣議決定、憲法9条改正反対などで国会前集会、国会を取り巻くデモなどが見られたが、外出自粛、人ごみの回避などで今回の検察庁法改正案反対もテレビの映像で見ることができた。ところが意外にツイッターというツールで多くの国民が反対を投稿し、ツイッターが「新しい政治への参加の場」となることが分かった。

以前、政治へ無関心と思われた若者へのアンケートで「政治への参加の場」が見つからないという意見が多かったのを覚えている。ネットで「○○反対の国会前集会開催」という情報があると多くの国民が遠方からも集まることは分かっていたが何十万人という参加は不可能だった。

あの一強独裁政権といわれた安倍政権も政策の変更を強いられること、恣意的政権運営が難しくなってくるのではないか。不甲斐ない野党を尻目に政治、選挙も変わってくる。

経済への影響は大きい。まずグローバリゼーションの見直しだ。安い賃金を求めて新興国へ生産をシフトしたが、その新興国にも新型コロナウィルス感染で生産は停滞、部品に供給に支障をきたし国内企業の生産にも支障をきたした。生産施設の海外から国内への回帰はこれからも進むだろう。しかし何としても海外からの観光客で潤った観光地の温泉、旅館、土産物店、都市の百貨店の経営は甚大な被害をこうむっている。中国人のみならず日本の観光客も減っているのだ。経営基盤の見直しは必須だ。

雑貨と思っていたマスクなどの生産は賃金の安い東南アジアに依存していたが今回の新型コロナウィルスでは重要な衛生製品であり中国の事情で輸入が出来なくなる事態が発生し、今も品不足は価格の高騰を招いている。品質問題も含め異業種の国内生産がこれから始まる。

教育も学校のクラスター化を心配してか、長期にわたり休校になっている。そこに出てきたのが9月始業の可能性だ。4月始業もままならないときにどうなるか。

オンライン授業が注目されてきた。以前は予備校などが地方にいて東京と同じ授業が受けられるともキャッチフレーズで実施されていたが、授業のあり方を変えることになるのか。小学生、中学生ではまだ親の協力が必要だし、家庭状況によっては格差の問題も出てくる。

「新しい生活様式」の人と人との間隔2m、マスク着用は教育現場で物理的制限で大きな問題になっている。

経済界には業種別に「感染防止のガイドライン」作成を要求しているし、ウィルスの特徴をどう捉えるか。

諮問会議の尾身さんは「宣言を解除しても見えない感染が続く」と警戒を緩めれば感染が再び起きると警告する。竹森慶応大教授もワクチンの開発がポイントになり、人の動きが制限されれば景気への刺激も無理、東京オリンピックも無観客開催になるという。

緩和に向かう自治体も「気の緩み」を心配している。大阪は再び宣言することを警告しているし、東京も「東京アラート」設けている。

医療分野は大きな問題を暴露した。厚労省の医療行政の間違いがはっきりしたのではないか。保健所は効率化のために統廃合されたし、医療費削減で病院も効率化が求められ効率の悪い病院の統廃合が指摘されている。SARS のときの経験が国では生かされていないとも言う。今になってアメリカのCDCのような機関を作るというが「感染症村」の利権漁りではないか。感染症研究所の焼け太りにならないか。

しかし、何時まで続くのか、マスクの着用。学校では体育の時間には着用しなくても言いというし、これから夏に入り暑くなると熱中症の危険も出てくる。体調の悪い人、風邪気味の人が人にうつさないためにマスクを着用するのは当然だが、健康な人までマスクをするのか。

うつされないためにマスクをするのは意味がないといわれていた。私もそう思いマスクの着用は控えていたが、今はそうともいえないのだ。

感染していても無症状の人がおり、そういう人が出かけて人にうつす危険もあるのだ。誰が感染者かわからないので万一、感染者になっても「感染経路不明」になる。

新型コロナウィルスは「見えざる手」として私たちの生活に忍び込んでいるのだ。

政治家のメンツにかけた言動に乗っかってはいけない。

国民には不要不急の外出自粛を求めながら赤松副議長は選挙区に帰っていたし、自民党の森山国対委員長だって鹿児島市で「来週の国会予定」で記者団にコメントしていた。国民は県境をまたいだ行き来、往来の自粛に我慢しているのだ。

驚いたことに次のG7の議長国であるトランプ大統領がキャンプデービットでの開催を打ち出した。安倍総理は恐らく出席するだろうが、渡航制限や帰国時の14日間の隔離はどうするのか。恐らく目的はトランプさんの大統領選へのアピールがあるのではないか。テレビ会談で何故ダメなのか。

0 件のコメント: