2020年5月27日水曜日

「新たな日常」へのチャレンジ?:いつまで続くのか 外出時のマスク着用


マスクは他人に移さないためのもので、他人から移されないためのものではないと公衆衛生で習ったことがある。ところが新型コロナウィルス感染防止でマスクの着用が推奨されている。

京都の鴨川では2mほどの間隔でカップルが座っている。
学生時代にある心理学の研究者がこの距離が一番
安心できる距離と言う。実験でこの間に割り込むと
立ち去っていくカップルが出てきたそうだ。
写真は産経新聞より

ところが、これから夏場に向かい熱中症の危険から屋外でmの社会的距離が保てる場合は着用をしなくてもいいとか、2歳未満は口をふさぐ事故の原因になる可能性もあるし、子供はマスクを外す時のやり方で逆に感染する可能性もあると指摘されている。

私も健常者のマスクの着用には疑問を持っている。町を歩くとみんなマスク着用していたが先の全面解除でマスクなしの人も増えてきた。何時になったらコロナウィルス前の姿に戻ってくるのか。

安倍総理は緊急事態宣言の全面解除の記者会見で、これからは「新しい日常」と言い、「新しい生活様式」「ガイドライン」が叫ばれている。

ところで、今回の感染拡大防止の「日本モデル」で何が効果があったのか。「出口が視野に入った」とか、「1.5ヶ月で収束できた」という意味の発言を安倍総理はしているが、何が良かったのか。

(1)外出自粛要請、休業要請は、海外で都市閉鎖などがやられ徹底した行動制限がされて日本は生ぬるいと批判されていた。そして外出自粛は「接触8割削減」が具体的に提示され、都市の主要場所ではそれに近い成果も出ていた。

   外出自粛、休業要請は人と物の動きを制限することにより経済再開に支障をきたす結果になることを安倍政権は何時も念頭においていた。

   そのために、1.5ヶ月という短い期間で今回の感染拡大の収束に向かった。

(2)検査件数の少ない「積極的疫学調査」で感染経路調査、病院の医療体制の破綻を防止した。検査件数の少なさは専門家の間でも意見が分かれたが、保健所の体制や検査機関の問題もありいまだ改善されていない。全国で8000件、東京でも一日300~400件だ。

(3)外出時のマスク、手洗い、3蜜回避  の徹底、習慣化は国民に浸透した。薬局、薬店からマスクがなくなり、アルコール消毒薬も棚からなくなった。手洗いは習慣化されたようだ。政府も3蜜の回避を強調している。ナイトクラブ、カラオケ、イベント会場などがクラスター源として危険視された。全面解除後のイベントなど施設の安全は3蜜回避がされているかどうかだ。分野によってガイドラインも策定されるようだ。

(4) 情報公開、毎日の感染者数、陽性率、感染経路不明者数、医療体制の現状が国民に公開され一体感を持たせた。テレビ局は夕方ニュース速報で東京都の新感染者数を報じるほどだ。

(5) 政府もさることながら地方自治体の取り組みが早かった。まずは北海道が先行し一定の成果を収めたかに見えたが、今第2波に悩まされている。東京もがんばっているように見えるが大阪が「大阪モデル」を発表、国がやらなければ大阪がやるんだと意気込みは政府からクレームがついた。

緊急事態宣言解除で外出自粛要請、休業要請は大阪が「大阪モデル」、東京は「ロードマップ」「東京アラート」で対応する。経済再開を目指すも新型コロナウィルスの再感染拡大には特段の注意をしている。

(7)「お上」に従う国民性は無視できない。海外では外出規制など自由の束縛
   に反対する動きも激しかったが、日本人は最終的には政府、自治体の方針に従順だった。

感染拡大防止で掲げられたいろんな政策はあるが、一体何が効果があったのか、はっきりし
ない。一応の収束を見たというがモヤモヤ感は残る。第2波への対応を考えるときに政策を
絞るときにも役立つのではないか。

一番気になるのはマスクの着用だ。

体調の悪い人、風邪の人が他人に移さないためにマスクをするのは理解できるが、無症状の
感染者が問題なのだ。無症状の感染者はどのぐらいいて、その人が他人に移す感染力はどの
くらいなのか。

それによっては無症状の感染者も健常者も感染を防ぐにはマスクの着用が必要になる。

でも考えてみよう。1億人の人が使い捨てのマスクをするとなると1億枚/日、どのくらい
の人が使い回しをしているか。2018年度のマスクの生産量は55億枚(日本衛生材料工
業会)、中国製44億枚、国内11億枚だ。とてもではないが足らない。中国製のマスクの
輸入が増えてきたが、国内の異業種からもマスク製造に参入する企業もあるが年間どのくら
いの生産量になるのか。

恐らくこれからマスクの着用も減って来るだろう。金もかかるし、着用も面倒だ。夏場に近
づき熱中症や運動時の危険ななどを考えると屋外で2mの距離が保てていれば不要というこ
とになれば元の姿に戻るのではないか。

その前に無症状感染者の疫学的調査がほしい。

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