注目していた新型コロナウィルス感染拡大に対する緊急事態宣言の効果を検証する専門家会議が開かれその報告をテレビの情報番組で見た。何時も言われていることだが「本当の感染者数はどのくらいか」が問題になる。それがはっきりしなければ出てくる数値の信頼性が疑われるのだ。
今回もそういうことが出ている。本当の姿が分からないのだ。他国では多くを検査し、感染者を隔離することによりピークを過ぎ収束(?)に向かい、経済再開の動きがある。
わが国では一定の条件の下、保健所が必要と認めたとき病院でPCR検査を受ける。感染の可能性が高い症例を集めての検査だから陽性率も上がるが、専門家の間ではもっと検査数を上げれば陽性率も上がるのではないかという意見もあるが、逆に陰性も増え下がるのではないかとも思われる。
まず、指摘されたことは感染者数の増加に比べ減少のスピードが緩いという。接触削減の効果が低いということは自粛が少ないということ。
感染者数の増加に比べて感染者数の減少のスピードが緩い 民放テレビ情報番組より 2020.5.1 |
現状は3~5割削減程度で8割に達していない。在宅勤務、テレワークを奨励しているが通勤が続く限り仕方ないことか。
だから従来の枠組みを維持したほうがいい。でも明るいニュースもある。治療法が見直されていることだ。
陽性率ももっと他の検査法を導入し検査を増やしていかなければ本当の姿が分からない。今は一部しか見ていないことになるのだ。
実効再生者数が発表された。
全国と東京の実行再生産数 (同上) |
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3月25日
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4月10日
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全 国
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2.0
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0.7
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東 京
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2.6
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0.5
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当初の実効再生産数はドイツの2.5を採用しシミュレーションした結果、感染者数85万人、死亡者数41万人が予想され、人との接触を「8割削減」するも目標がうたわれた。
1以下になると感染者数減になるので今でも数値上は目標を達成しているのではないかと思われるが、北海道は第2波が襲っているが実効再生産者数は1.7という。感染経路が不明な感染者が増えているらしい。
当初のシミュレーションでは1.7を採用すると6割削減でよかったはずだ。この辺をどう考えればいいのか。
あわせて提言もされた。
「長丁場を覚悟」という。接触削減時の新たなシミュレーションも報告された。
誰が見ても季節型インフルエンザのようにはいかないだろう。陽性者が陰性になった後、再び陽性になる例が増えている。
更には無症状の感染者がいることだ。自覚なしに通常の生活をすると知らぬうちに他人に移していることになる。検査が必要だ。
新たな感染者数シミュレーション(同上) |
「自粛疲れ」も当然出てくる。何ヶ月も自粛、自粛では効果も薄れ反動も大きくなる。
そして「新しい生活方式の普及」に言及した。すぐに思いつくのは「9月始業」だろう。大きな生活の変化だ。グローバルスタンダードとはいえ後3ヶ月で対応できる問題ではないと思うが。
世界全体が「グローバル」から「ローカル」へ、「小さい政府」から「大きな政府」へ。ステイグリッツ教授が言うように「富の共有化」「所得の再分配」が重要な課題になる。
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2020.5.1掲載
緊急事態宣言延長の是非(2):疫学的検証の数値データの公開とそれに基づいた政治判断の根拠
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