党首討論で思い出すのは民主党政権最後の野田総理vs野党・自民党の安倍総裁との党首討論だ。自民から民主へ政権交代し3年の間、常に「何時解散総選挙だ」と言う政局が付いて回った。
野田政権もそうだった。松下政経塾出身の野田さんだから「前へ進める」政治に期待していた。最後の党首討論でやはり安倍さんは「何時解散か」と問いつめた。野田さんは「約束を守ってくれれば明後日解散します」と言うと、安倍さんは「守ります。約束します」と即答、解散が決まった。
しかし、安倍さんが政権を立ち上げても野田さんとの約束は守っていない。確かなことは忘れたが、政治改革ではなかったかと思う。消費税増税も課題だった。後に野党側にたった野田さんが国会審議に登場し安倍総理に「約束を守っていない」と詰問した。
政治家って約束など当てにならない。自民党政権では反故になることが多かった。安倍前総理との党首討論は肝心なことには答えず、自分の都合のいいことを延々と述べて時間つぶしをする評判の悪い内容だった。
しかし今回の菅総理と野党との党首討論も味気ない、国会審議の延長戦で同じ内容の繰り返しだ。前回の東京オリンピックの思い出話も出てきた。1時間弱で4人の党首が議席数に応じて質問時間が配分される。共産党などは5分だ。これじゃやったと言う実績作りしかない。共産党の志位さんは旨いこと質問する。食い下がる。もっと質問時間を与えたらどうか。
今回の主要テーマは、新型コロナ対策、東京五輪、衆院選、補正予算などだろう。
新型コロナ対策はインド株の影響も出始め6月20日の緊急事態宣言をどうするか、「延長か解除か」が、そしてどうしても開催しなければならない理由、開催目的は何か。
菅総理はワクチン接種が順調に進んでいることを上げ、希望者には10~11月に接種が完了すると言う。
解除基準については枝野さんが東京では新規感染者が50人/日以下を提案したが、過去の中途半端な解除で感染拡大した二の舞を避けたいのだ。東京都医師会会長が100人以下を提案していたが、これより更に厳しい条件だ。解除条件は新規感染者数、病床逼迫、ステージ2など考えられるが、菅総理は基準を示さなかった。
恐らく分科会、政権内では上がっているだろうが、うっかり言えないのだ。基準に達しなければ延長で、東京オリンピックにも影響が出る。基準に達したとしても解除後の「気に緩み」「リバウンド」で感染再拡大が危惧されるのだ。
ではどうするんだと言うことになる。ところが維新の会の片山さんから菅総理を擁護する発言が飛び出した。曰く「首相が矢面に立っているが、小池都知事が表に出ないといけない」という。菅総理は「私の言いたいことを代弁していただいた」と恐縮していた。
菅総理は東京五輪の開催については当事者ではないのだ。IOC、東京都が当事者らしい。デモ「国民の安全、健康を守る責任は自分にある」と付け加える。
その「安全、健康を守る」対策は何なんだと聞くと、ワクチン接種であり、大会関係者の人数削減、海外メデイアに対してはGPSで行動管理するらしい。
違反した場合は強制退去と言う。しかし誰が常時監視するのか。
志位さんの「尾身さんも開催すればリスクは高くなる」と国会で答弁している。「国民に我慢を強いながら開催する意義があるのか」と問うが「尾身会長の意見を参考に対策を詰める」と。
五輪開催の目的も「福島の復興を世界にアピール」「新型コロナに打ち勝った証」「希望と勇気を世界に発信」とその時その時で変遷したが、今回は全部を目的に挙げた。
IOCも難民枠としての人選を発表、「平和の祭典」をアピールするつもりなのだろう。
補正予算もあるので会期延長を主張したが、予備費が30兆円あると言うことで菅総理は退けた。衆院選も新型コロナ対策優先だ。
野党は党首会談で「不信任案提出」を検討すると言う。時も迫って難しい判断になる。提出しなければ「腰抜け」になるし、提出すれば「勝てるのか、野党共闘はできるのか」とメデイアは騒ぐ。しかし「政権交代の時期であること」は確かなのだが。
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