2021年6月4日金曜日

東京五輪で深い溝(2):尾身会長、「我慢」できずYESMAN脱却か

菅総理と尾身会長 の東京五輪に対する考え方が違ってきている。尾身会長は政府系の医療機構のトップで今回のような新型コロナ対応では政府の考え方に寄り添う姿勢を取ってくれることを期待しての人選だったのではないか。

当初は政権の考え方を承認するYESMANの立場だったが、期待したワクチン接種もなかなか進まず、感染者数も高止まり、一方医療体制は切迫が続き、このままオリンピック開催にもつれ込むと「大きな賭け」に出ることになる。

専門家会議の中でも厳しい意見が出てきているが、尾身会長の警告を政府が聞いてくれない。このままでは一般国民に注意喚起が難しくなったと尾身会長は決断したのではないか。

専門家の間では独自の声明を出す動きも出ているそうだ。

政府、組織委員会は開催に前のめりで反対意見、危惧する意見が出ると詳細は言わず、「安心、安全な対応」を前提に強行の姿勢だ。その肝心の対策も「プレイブック」とかバブル方式とか個々の事例で出てくるが総合的な対策は未だでていない。

医療面にとっても感染者が出たらどうするかは自治体に判断が任せられ、ある自治体は一般人と同等に扱うという(特別扱いはしないということか)。

朝日新聞の「五輪 記者は考える」でも医療に関する課題と対策では、大会運営側と医療側とでは具体的でオープンな議論の機会はないという。

開催まで50日を切ったが、人、カネ、時間がないことだけは確かならしい。そんな中で尾身会長が暗に「五輪中止」を打ったのには意味がある。





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