19世紀のアメリカの詩人が「法と言うものはソーセージと同じでどのように作られるか知れば知るほど敬意がわかなくなる」と言ったそうだ。社会の規範とも言うべき法律について語ったのだ(「数学に魅せられて、科学を失う」ザビーネ・ホッセンフェルダー著 みすず書房2021.3)。
今、憲法改正前の手続きとして国民投票法が改正されることになった。2018年の安倍政権のときに提案されたが、立憲の枝野さんが「安倍政権のときは審議に応じない」と審議を拒否していたが菅政権になって審議が進み成立、勢い付いた自民党は憲法改正論議を進めるという。
問題になったのは、憲法改正に関してのCM,インターネット規制だ。確かに資金力のある団体は賛成、反対に向け意見を発信することが出来るが資金の乏しい団体は対応が出来す「公平性」に問題があると言うのだった。
しかし、CM,インターネット規制も施行後3年をめどに規制する付則が付いたと言う。成立を急ぐあまり先送りしているのだ。
ところが、野党は自民党優勢を念頭においているようだが、3年後は政権交代しているかもしれない。どうするんだ。
又、国民投票で問題になるのは多数決だ。たとえば賛成51vs反対49になったときにどうするか。英国のEU離脱の国民投票で国中が混乱した。「やってしまった」と賛成に投票し反省する国民のコメントは印象に残った。専門家の研究では7割の賛成票で始めて「賛成」と言うことになるらしい。
そして自民党が狙う憲法改正だ。コロナ禍での感染拡大で緊急事態条項も必要になってきた。9条2項に自民党を明記し自衛隊違憲論に終止符を打つ(安倍前総理)改正案の審議が始まるのか。
しかし、ハードルも高くなっている。次の選挙では自民党は議席数を落とすだろう。落としても衆参両院で2/3の発議ができるか。与党の公明党は慎重論だ。
憲法改正審議の前に総選挙で憲法改正の是非を問うべきだ。自民党は今まで、選挙では堂々と公約せずに多数の議席を確保すると公約パンフレットの記されていると卑怯な手を使ってきた。
こんな改正プロセスを考えると改正された国民投票法に敬意など払えない。
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