2021年6月3日木曜日

東京五輪で深い溝(1):尾身会長「普通じゃない、何のため」vs菅首相「スポーツの力を世界に」

 

いろんな意見が出されているが、すでに東京オリンピック開催は決まっているらしい。6月20日に緊急事態宣言がどうあろうが「安心、安全の大会」を目指し対策を進めているとIOC,組織委員会、菅総理は言う。しかしその安全対策が何か、バブル方式がどんなに安全なのか国民への説明はない。

「プレーブック」なるものが作成されていると言うが誰がよく理解しているのか。 

ここに来て尾身・感染症対策分科会会長は、国会で「今のバンでミックの状況下でやるのは普通ではない」「そういう状況下でやるなら開催規模を縮小、管理体制をできるだけ強化するのが主催する人の義務」「大会を開催するのであれば感染最小化に向け最大限の努力をするのが大会組織委員会の責任」「どういう状況で感染者が上がるのかしっかり分析し意見を言うのが専門家の務め」と各分野の責任を明示した。 

そして「いったい何のためにやるのか」と問う。 

尾身さん、そこまで言うなら「東京オリンピックを中止せよ」とズバリ言わないのか。尾身さんも政府機関の人間だ。「開催できる条件」を残しての発言なのだ。 

菅総理は「スポーツの力を世界に発信していく」と障害者、健常者も様々な障害を乗り越えて努力していることを発信したいようだ。しかし、そういうことは各種大会で発信しているではないか。それじゃダメなのか。

今の日本の感染状況の下でやらないと意味がないのか。 

以前言っていた「福島の復興を世界にアピールする」とか「新型コロナに打ち勝った証として」はどうなったのか。福島復興も汚染水の海洋投棄問題でゴタゴタしているし、ワクチン接種を急いでいるが「打ち勝った」とは言えない状況だ。 

うがった見方をすると、総裁選、総選挙を控え政権に不利な課題山積をオリンピック開催でまき散らす考えではないか。でも失敗すると痛い目にあるのだが。

オリンピック関係者は「開催」を念頭に刻々と時間は迫っている。一方海外からのニュースは手厳しい。「何故、開催か」「中止では」という論調が増えてきた。 

海外からの不参加の発信がない限り、危険な大会の実施になる。ワクチン接種、バブル方式と言っても性悪説でないと通用しない。IOCのオリンピック貴族は東京で優雅な生活をし、終わるとお土産を提げて帰国すればいい。後は感染拡大の大変な事態になっても関係ないのだ。

 

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