2021年6月22日火曜日

甘い政府、組織委員会、IOCの「有観客」:「まん延防」「緊急事態」なしの前提?

 

「上限1万人」で東京オリンピックが有観客で決まったかと思っていたが、どうもそうでもなさそうだ。「まん延防止など重点措置」「緊急事態宣言」が出ていないことが前提のようで最終的判断は先延ばしで兎に角7月11日に解除できるかどうかが問題なのだ。。 

菅総理の「有観客」への拘りが強い。専門家が「無観客」を推奨するのに何故、自らリスクをかぶるのか。側近に「勝負に出たんだ」と言っていたそうだが、「国民の安全、生命を守るのが自らの責任」と言いながら「賭け」に出たのか。

一方、沈滞する観光旅行業の活性化、スポーツの祭典を守り、この新型コロナの難局を切り抜け、オリンピックを開催。内閣支持率を改善し総裁選、解散総選挙に優位な地位を確保する政治力を国内外に示したいのだ。 

組織委員会、IOCも菅総理の意向を知っている。大規模イベントでの有観客のリスク評価は日本でのプロ野球。サッカーの大会で立証済みと見ている。クラスターの発生は無かったのだ。 

専門家は「無観客を推奨」しながらも「上限1万人を認めた」と言われているが、尾身会長は「オリンピックは前提にない」という。オリンピック以外の大規模イベントは仕方ないが、オリンピックは別と言うことらしい。 

尾身会長に言わせれば菅総理が「開催ありき」をG7で宣言しているのだから、今さら「中止」はいえないというのだ。

医師会は慎重だ。1万人と言っても同時に競技があればそれ以上の人出になる。「無観客」であるべきだと言う。東京もリバウンドの危険がある。

今は有観客の方向で検討されているが、感染の拡大があれば「無観客」に戻すという。どっち道、オリンピック開催はあるのだ。 

専門家のシミュレーションでも7~8月にかけて緊急事態宣言レベルの感染拡大が予測されている。どうやって人手を抑制できるかにかかっているが、今での人出増加の傾向だ。 

開催したい政権、組織委員会、IOC、慎重論の医師会、専門家、朝日新聞での世論調査でも「開催」34%、後は「中止」「延期」だ。 

「開催」支持はオリンピック関係者、協賛会社関係者、聖火ランナー、ボランテイア、チケット購入者、飲食業の人たちか。あるいは家でテレビ観戦者かもしれない。意外に、中止、延期論者の中に仲間と群れて、夜遅くまで出歩く人がいるかもしれない。

7月11日前後、オリンピック期間中にどう行動するか。「我慢」「自粛」の出来る国民がどのくらいいるかだ。オリンピックのためではない。新型コロナ感染拡大を早く防止することだ。ポストコロナの新生活様式を頭において日常の行動を決めることだ。

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