IOCは非政府のスポーツ組織、新聞ではNGOと言うが、この組織が何故、日本政府を振り回すことができるのか。オリンピックはスポーツの祭典だが、招致を希望する国は世界に自国の力をPRできるチャンスと見る。スポーツよりも政治的目的が大きいのだ。
日本に誘致を考えた時、安倍政権は「福島の復興を世界に」と言ったり、「新型コロナウィルスに打ち勝った証として」と言ったり、目的がその時その時で変わる。
いっぽう、IOCもスポーツによる「平和に祭典」であったはずが各国の要望で政治色を強めるようになった。態度も大きくなった。東京誘致も当初は「国民の盛り上りがない」と否定的だったが、安倍前総理が自ら陣頭指揮を執り盛り上げた。開催に対する費用も猪瀬元知事は4500億円用意されている財政的も優位を主張した。
他の候補地のトルコ、スペインも要人が誘致活動を行ったが、「東京」に決まった。
運悪く新型コロナ感染拡大で安倍元総理の意向もあり、1年延期をIOCは承知した。そして今、新型コロナ感染拡大で延期はない。「中止」か「開催」しかないという。「緊急事態宣言下でも関係ない」「お互いに犠牲を払わないといけない」「開催すれば皆幸せになる」とIOCが発するコメントは「開催」在りきだ。
「開催」すれば放映権料など多くの金が入ってくる。金の孟者になった。海外メデイアはバッハ会長を「ぼったくり男爵」と批判した。
バッハ会長は開催に向け「史上最も準備の整った大会」「自信を持って東京に来てほしい」と安全安心な大会を強調する。今の状況を知ってのことか。逆に選手団を送ることを回避する動きをけん制してのコメントか。
平和の祭典を強調するために難民枠の設定、おまけに広島、長崎の被爆地の訪問を希望、「まん延防止」措置が延長なら県境をまたいだ不要不急の移動は自粛しているはずだが、IOC貴族は特別待遇で政府は検討を始めたという。
ワクチン接種、プレーブック、バブル方式など組織委員会、IOCの言う安全地策もほころびが出てきた。組織委員会、ホストタウンは泥縄式の見直しをするらしい。
登山家の野口健さんが今の東京オリンピックを見て「登山家は中止するだろう。強行は遭難のパターン」とわかりやすいたとえ話で警告する。
有観客が無観客になる違いはあるが「なし崩し」的開催にまっしぐらだ。背後には菅総理の政治的意向があるのだ。
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