2021年6月22日火曜日

「はやぶさ2」採取試料:有機物、水素確認? 「地球生命は宇宙から」か

 

ユーリー・ミラーの実験 生命の地球起源説を証明
群馬県自然史博物館にて

C型小惑星「リュウグウ」から「はやぶさ2」が持ち帰った採取試料から有機物や水素が確認されたと言う。「地球生命は宇宙から」を検証できることになった成果は大きいが、地球から52億4000万km離れ900mの小惑星に近づき着地、試料を採取し地球に戻って試料を落とし、再び他の惑星を目指すと言う日本の技術に驚く 

新聞報道によると採取したのは5.4gの石や砂と言う。その中に炭素や窒素を含む有機物や水素が大量に含まれていることが分かったと言うのだ。 

今まではオパーリンの「化学進化説」があり、生命の第一段階であるN誘導体の形成が必要でこれを実験的に検証したのがユーリー・ミラーの実験(1953年)が有名だ。 

大気組成としてメタン、水素、アンモニアをガス状に水蒸気を循環させ「原始の海」を作りそこに雷として火花放電し実験、1週間ほどしてアミノ酸、アルデヒド、青酸などが生成できたというのだ(群馬県自然史博物館で実験概要が展示されている)。 

その後、宇宙空間に有機物が浮遊しているとか、地球に落下した隕石に有機物が含まれているという研究結果が多数発表され、「宇宙がゆりかご」とまで言われている。 

1996年にクリントン大統領が火星から来た隕石に化成の生命の痕跡を発見と発表した。気圧が低く、生命に必要は水はどこにあるのか。本当に火星人がいる可能性があるのか。 

ところが、オパーリンの「生命地球起源説」に対して1970年代にフレッド・ホイルが「宇宙からやってきた」と主張したのだ。1994年、ルイス・スナイダーの観測グループが「いて座B2」と呼ばれるガス雲の中にアミノ酸の一種であるグリシンの存在を確認したのだ(科学理論はこうして崩壊する「科学の危機」 学研1997.10)。 

オパーリンが言う、初期の地球で起こったと言われる化学進化が、銀河系においても普遍なものであることが明らかになった」のだ。

私たちを形づくっている元素類は宇宙で作られている。宇宙の進化で重要な段階は星の形成だ。 

宇宙に散在する物質を重力で集めて星や銀河を作る。星の中心部では核反応を起こし水素を燃やしてヘリウムを精製、ヘリウム2個からベリュウムそれにヘリウムが反応し炭素が出来る。ヘリウムは炭素、窒素、酸素、珪素、りんなど生化学に重要な役割をする元素になる。この星が爆発し超新星になると宇宙にばら撒かれ、最終的には惑星や人間になると言う(「宇宙の始まるとき」ジョン・バロウ著 草思社 1996.2)。

「はやぶさ2」が地球に持ち帰った試料は「生命の宇宙起源」説を検証する価値があるのだ。

夜空を見上げると数億年も前に発した星が光っている。中には超新星爆発が近い星も存在する。時々新聞でニュースになるので注目しよう。 

太陽も今、内部では水素を燃やしヘリウムが出来ている。後50億円は続くだろうと言うが、太陽が消滅しても我々が知ることが出来るのは8分後だ。

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