2021年6月11日金曜日

東京五輪で深い溝(3):菅総理も尾身会長も職を懸ける覚悟があるのか

 

風雲急を告げる状況になって来た東京五輪、今、開催すると海外から新型コロナが入り、人流の増加で国内では感染が拡大する。菅総理はワクチン接種で「安心安全な大会」が維持出来るとばかりに手当たり次第のワクチン集団接種に出た。

そのワクチン接種も高齢者は7月末、希望者が終わるのが10~11月と言う(党首討論)。でも流行する変異株によっては効果に疑問符が付いてきた。 

開催したいIOCは「開催すれば全員幸せになる」「緊急事態宣言下でも関係ない」と民意に逆行する発言をする。それでも開催を決める当事者なのだ。 

しかしもう一方の当事者である東京都知事は「安全安心な対策を講じる」と菅総理の口癖の繰り返しだ。あれだけ目立ちがり屋の小池知事が何も言わないのは「中止」の口火を切りたくないのだろう。今は、菅総理より二階さん寄りの立場だ。二階さんは「開催が無理なら中止しかないだろう」とコメントしたことがある。寧ろこっちの立場ではないか。 

菅総理は「やるしかない」「他に選択肢はない」と、「安全安心な大会を目指す」と言う。自分は当事者ではないが、「国民の安全、健康を守るのは私に責任」ともっともらしいことを言うが、本音は自分お政治生命を懸けているのだ。 

何時も重大は判断は「専門家の意見を聞いて」と言うし、「政府の会議には感染症の専門家が入っている」と政治判断も専門家が承認していることを臭わす。 

しかし、尾身会長も「今の状況下でやると言うのは普通はない。やるんであれば厳しい対策を」と今までのYESMANの姿勢ではなく、専門家のプライドをかける発言が目立ってきた。 

そして感染症のリスクについて近く関係者に考え方を示すという。田村厚労相は「自主的は研究結果」と無視する態度を示していたがメデイアの追求し菅総理は「参考にする」と言わざるを得ない結果になった。 

「安全、安心な五輪開催は十分のリスク評価した上でのこと」と専門家は真っ当な意見だ。確かに組織委員会などが作成した「プレイブック」は海外で批判され、バブル方式なんて信用できないと言うのだ。テスト大会でもクラスタ=が発生していると海外メデイアは報じる。 

今考えなければならないことは、海外からの入国のリスク、国内での人流の増加で感染拡大、医療機関の逼迫、変異株による感染拡大などだ。特に国内での人流の増加は感染拡大の大きな要因になっている。「有観客か無観客か」ばかりでなく、大会関係者が街中を歩き回る危険があるのだ。 

先の党首討論で、「東京五輪開催、中止の判断基準」「6月20日の緊急事態宣言の延長か解除かの判断基準」が問われたが菅総理は答弁できなかった。 

具体的は判断基準が無いのに、どうして「専門家に諮り」政治判断できるのか。専門家、専門家と言い出したから、専門家も自分たちの立場がまずくなってきたと判断したのだろう。

今まで遠慮していた考えを表に出し、専門家、科学者としての矜持を保ちたいのだ。 

菅総理も尾身会長も判断基準を明示し、失敗した時は「職をかける」覚悟を示すべきではないか。

 

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